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知覚過敏(歯がしみる場合)症
 

酸蝕歯 これからの対応


酸蝕 確かな事実


誰もが「酸蝕歯」になる可能性があります。老若男女を問わず、成人の6人に一人が「酸蝕歯」であると報告されています。
「酸蝕歯」とは、健康にいいとされる「酸」を含む飲食物を摂り続けることによって、酸がエナメル質を弱体化させ、歯を薄く弱くし、白さを失ってしまった歯のことです。

▼健康食品のパラドクス

 近年の天然歯寿命の延長
 歯科医療の進歩と口腔衛生の向上
 う蝕、歯周病の減少
 最小の修復;抜歯の減少(MIに基づいた)

 近代の飲食物が歯にもたらすリスク
 “酸”を多く含む飲食物の広まり
 炭酸飲料 柑橘系フルーツ お酢 ワイン
 飲食物由来の“酸”で、歯牙表層が軟化・溶解した場合
 特にブラッシング等で磨耗しやすいです
 これらはTooth Wearの原因のひとつになります
  



▼エナメル質の脆弱化は、知覚過敏併発の可能性も
 ●象牙質知覚過敏は、酸蝕のどの段階でも併発する可能性があります
 ●初期段階において、時折痛みを経験するかもしれません
(患者さんが自覚症状について言及することは殆どありません)


酸蝕歯の予防
酸蝕歯を予防するためにできることはなんですか?
・酸性飲料は口の中で長く放置しておかない。ストローを口の奥に当てて飲むのも効果的。
・歯ブラシはかたいものは避けて、ブラッシングはゆっくり、優しくじっくりと。
・定期的な歯科検診を受ける。また、心配であれば歯科医などの専門家に聞く。
・酸蝕歯に着目したハミガキで毎日2回を目安にブラッシングする。


酸蝕歯テスト
あなたの歯について
Q1 あなたの歯が時間とともに徐々に黄色くなっていることに気づいていますか? はい いいえ
Q2 あなたの歯は一見健康そうでも、つるつるに磨かれたように見えませんか? はい いいえ
Q3 あなたの歯は少しガラスのように透けて見えたり、歯の先端部が削れたように見えませんか? はい いいえ
Q4 熱いものや冷たいものを飲んだ時、歯がしみませんか? はい いいえ
あなたの生活スタイルについて
Q5 あなたは力強くブラッシングしていると思いますか? はい いいえ
Q6 あなたは食生活にフルーツを多く取り入れていますか? はい いいえ
Q7 あなたは定期的にワインを楽しんでいますか? はい いいえ

上記酸蝕歯テストたは「はい」がいくつありましたか?

「はい」が1〜2個のあなたは酸蝕歯リスク小
たとえあなたが酸蝕歯のリスクが低くても、酸蝕歯の原因となる兆候を知っておくとよいでしょう。原因を知ることによって、将来酸蝕歯を効果的に予防することが出来ます。

「はい」が3〜5個のあなたは酸蝕歯リスク中
あなたは酸蝕歯のリスクをやや受けています。

「はい」が6〜7個のあなたは酸蝕歯リスク大
あなたは酸蝕歯のリスクを多く受けています。


酸蝕 早期管理の重要性
・酸蝕は、修復処置時などに歯科専門家によって発見されます
・酸蝕を最小にするための予防手段を患者さんが知るためには、
定期健診や適切な食生活指導、または口腔衛生指導が重要となります

酸蝕の臨床所見
質感や光沢 歯の表面性状や光沢が失われ、エナメル質が溶解するにつれて滑らかになる。 プロエナメル
ケア
キュア
エナメル質が薄くなるにつれ、色の濃い象牙質が透けて見えるようになり、歯はより黄みがかって見えることがある。
透過性 歯の切縁は、薄くなり、透けて見えるようになる。
構造 切縁部が脆弱化し、小さな亀裂や微小な破折が出現する。
形態 歯頸部には楔状欠損が、咬合面には陥凹が形成される。

知覚過敏はどの段階でも併発する可能性がある



初期段階
  • 熱い飲み物や冷たい飲み物を飲んだときにしみる。
  • 歯の表面が丸みをおびて見える。
  • 歯が薄くなり、下の象牙質が見えはじめることで、歯がわずかに黄色く見える。
中期以降段階
  • 歯がより濃い黄色に見える。
  • 歯の先端が透けて見える。
  • 知覚過敏がより重症になる。
  • 歯の表面に小さいへこみが現れる。
  • 昔の詰め物がいきなりとれてしまう。

酸蝕歯の影響は元に戻すことはできません。ほうっておくと、歯医者さんで
治療や予防などの処置をしてもらわなければならなくなることもあります。
最悪の場合、ダメージがひどければ歯を抜かなければならなくなることもあります。

プロエナメル プロエナメル
一見健康そうな歯も、実は「酸蝕歯」かもしれません。 歯に光をあてると「酸蝕」の影響でエナメル質が薄くなってみえます。健康な歯は、白濁したり、透けてしまうことはありません。

 

*実際の酸蝕歯判定には、専門家の診断が必要です。




‘06 歯科衛生士シンポジウム     2006.10.15
「患者の訴え”知覚過敏“にどう対応するのか」

象牙質知覚過敏症=Dentine Hypersensitivity (Hys)とは?
・ ・・温度、乾燥、擦過、浸透圧、科学物質などの刺激によって生じる短く鋭い痛みを特徴とするもので、歯質の実質欠損などで他の病変では説明できないもので、自発痛や持続的な誘発痛を有する歯髄炎とは明確に区別されるもの。
  近年、国内外を問わずHysは増加しているといわれている。ホワイトニング、嗜好、摂食障害、口腔乾燥、ストレスによるブラキシズムやクレンチングなどのさまざまな原因により発症する。近年における高齢社会、美意識の高まり、ストレスなどの現代社会生活、などが背景にある。
  年代別で見てみると、20〜50代に多く、その中でも30〜40代がピークとされている。男性より女性が多く、特に若い女性に顕著である。

 
<発症のメカニズム> 現在最も広く受け入れられている学説は象牙細管内溶液の移動に注目した「動水力学説」であると考えられている。
1. さまざまな要因でエナメル質やセメント質が喪失することにより象牙質が露出し、その表面に象牙細管が開口する。
2. そこに何らかの刺激が加わる。
  ・・・機械的な刺激:ブラッシングなど
     温度刺激:飲食など
     咬合圧:ブラキシズムやクレンチング
     化学物質:ホワイトニング、嗜好品(酸性食品摂取)、胃酸、薬剤など
     口腔乾燥:口呼吸、薬剤の服用、加齢などによるもの
3. 象牙質に加わったさまざまな刺激により、象牙細管内溶液が外向きあるいは内向きに移動する。

4.

象牙細管内溶液の移動が歯髄・象牙境付近に分付する自由神経終末を刺激、興奮させ、インパルスが発生するために痛みが生じる。

最もHysを誘発するのは冷刺激である。温刺激においては冷刺激と比べ、象牙細管内溶液の移動が緩慢であり、歯髄側の神経線維を刺激させるまでにいたらない。

冷刺激を感じやすい部位:上顎は左右ともに4、次に3で、下顎右側は3、次に4、下顎左側は反対に4、次に3という報告がされている。これは利き腕とP.C.の関係によるものと考えられる。

 
< 歯質について >
エナメル質: 人体の中で最も硬い組織で、高度に石灰化した上皮性の組織で最大で2〜3mm。ほとんどが無機結晶で細胞成分をまったく含まない。エナメル質においてHysは絶対にない。咬耗、磨耗、Cなどによりいったん実質欠損が生じると、二度と回復しない。セルコンや、ラバなら人工物だけど修復再生となるかな?
象牙質: 歯の主体を成す硬組織。20%有機質、70%無機質、10%水分。
有機質の90%はコラーゲン線維で無機質は水酸化アパタイト。象牙質には伝導性があり、象牙細管は象牙質表面に直交するように象牙質の全層を貫いている。この象牙細管は歯髄と連絡していて、さまざまな外来刺激の受容、知覚の受容、象牙質への栄養補給に不可欠な構造となっている。
象牙質の表面から生じた刺激が象牙細管を通じて歯髄神経に伝達されHysが発症する。
セメント質: 歯の構成組織であると同時に歯周組織にも属する。
結晶化したハイドロキシアパタイトが無機質として存在し45〜60%、残りは有機質と水分。無機質には他の硬組織よりも多量のフッ化物が検出され、フッ化物濃度は表層で特に高く0,5〜0,6%。

モース硬度・・・

ダイアモンド  10
カーボランダム  9,5
エナメル質  6〜7
象牙質  5〜6
セメント質  4〜5
パラジウム  4,5〜5
石膏  2
 
<Hysの発症要因>
1. エナメル質とセメント質の喪失が無くても、歯の髄、の弱い炎症や、神経端末の弱い損傷、に拠っても起こりうる、また神経の中心、脳の部分の反応でも、症状は悪化し、
2.

体液循環が悪くなる、ストレス下、疲れによっても、増悪する。
・・・一般的にはエナメル質とセメント質の喪失により象牙質が露出して、その表面の象牙細管が開口している場合に発症する。

(1) エナメル質の喪失を引き起こす因子
磨耗:不適切なプラークコントロール(ブラッシングや歯間清掃)+歯磨剤
酸蝕:プラークの付着、職業性、飲食、摂食障害による胃酸の逆流、薬剤、洗口剤など。
咬合の不調和:ブラキシズムやクレンチングによるアブフラクション(楔状欠損の主要因)、矯正治療時の咬合干渉など。
(2) セメント質の喪失を引き起こす因子
歯周病による歯肉退縮:歯周処置(外科的処置を含む)、解剖学的形態、不適切なプラークコントロール。
プラークの付着:プラークの酸産生によるセメント質の脱灰。
3.

歯科修復処置・医原性のHys
・・・一般的に歯髄神経はすでに虫歯状態で、さらに修復形成PZ時に傷害をうけているので、修復処置後にしみるのは当然といえるし、金属や、接着剤の刺激や、修復後に咬合が変化したことによりHysを発症することもある。さらに乾燥、水洗などの操作や使用する歯科材料が象牙質に刺激を与えることもある。

(1) 歯周処置が招くHys
Hysが最も多く発症する要因は、歯肉退縮による象牙細管の露出であると報告されている。特に歯周処置に伴う歯肉の退縮が多い。
(2) ホワイトニング処置後によるHys
ホワイトニングに使用される過酸化水素水はそれ自体は活性は持たない物質なのだけれど、いったん空気に触れると酸化反応をおこし強い反応性を示す。
ホームホワイトニングに関してはほぼ100%の症例に強弱の差はあるもののHysが発症する。
<「しみる・痛い」の症状を放置しておくことのリスク>
「しみる・痛い」症状を避けるあまり、プラークコントロールがおろそかになり、その結果CやPになってしまうことがある。しかしセルフケアができていたとしても症状が改善されない場合も多々ある。いずれにしても感受性の亢進は不可逆性の歯髄炎に通じ、最悪抜髄という選択をしなければならなくなってしまう。セルフケアでの限界を見極め、プロフェッショナルケアに切り替えるタイミングが重要である。
ホワイトファミリーでは、オーラルケアトリーメントによって患者様にサポートしてます。
象牙細管が開口し長期間口腔内に放置されると、象牙細管内溶液、血液、唾液由来の物質などの沈着や、口腔内細菌や吸収された歯髄細胞成分、ブラッシングによって形成されるスメア層などにより象牙細管は狭窄あるいは閉塞される。さらに第二象牙質、管周象牙質の形成も加わり、象牙質の感受性は低下する。この正常な生体反応により通常では2〜3Wくらいで症状は治まるものだが、何らかの原因によりこの第二象牙形成機構が有効に働かないと、象牙質の刺激感受性の亢進は持続する。一方、象牙細管から侵入した細菌や毒素、刺激物の浸入や知覚神経線維の興奮により、歯髄神経にも炎症が生じることもある。
ちなみに、正常な象牙細管の開口している割合(直径)を1とすると、Hysをおこしている象牙細管の開口の割合は8である。

象牙細管の透過性を見る実験・・・うかのある歯牙にうかとは別のエナメル歯面に人為的に健全歯質にまで達するかどう形成をおこない、その歯牙を24時間染色剤にひたしておく。
  結果、C直下の象牙質には石灰化が亢進した層があるため染色剤は歯髄にまでは達していないが、形成をおこなった象牙質の染色剤は神経にまで達していた。このことからも、形成した歯牙(生活歯)は神経が過敏に反応し、しみるといった症状を引き起こす可能性は充分にあるということがわかる。

ホワイトファミリーでは、必ず、C処置において、消毒、固定法を必ず実施して、サホライド、FCなどの象牙質固定処置で、Hys、歯髄炎を防止しています。

 
<根面カリエスとHysの関係>
根面カリエスとは? ・・・露出したセメント質がう蝕原因菌が産出する酸により脱灰される病的な状態で必ずしも知覚の亢進をともなうものではない。
Hysとは? ・・・セメント質が過度に削除され象牙質が露出し、表層に開口した象牙細管を通じて刺激が歯髄に伝わる状態で、うかは存在しない。
両者ともに歯肉退縮により、セメント質が露出するまでは同じ。

露出していると、脱灰開始の酸性度クリティカルレベルはアルカリ側に上がっているので、お口の中が酸性pH5,5よりも、酸性でなくても、Caの溶出があり、それ自体は、虫歯と言える。つまり、楔状や、根面の露出状態で、すでに虫歯開始(脱灰状態)といえる。
1.

やむなく歯頸部欠損の充填を行う場合における知覚過敏を考慮した注意事項

(1) 処置に入る前に、開いた、象牙質表面に蛋白凝固固定処置(FC,サホライド)消毒を行って、一度、3MIXセメントなどで、仮充填して、数ヶ月経過観察する。
(2) その後に酸処理しない、自立接着性の充填材料を用いる。
(3) 充填時に硬化前に形態付与をしっかり行い、硬化後の研磨や、調整は行わない。
(4) かみ合わせの調整は数回、毎月、充分に行う、早期接触・過重負担などが、歯髄炎や、根面露出の原因になる。
(5) かどう範囲内に適切に充填し、形態修正においてはマージンを適切にあわせる。
(6) 歯肉に被さっている充填(オーバーマージン)よりも、アンダーマージンのほうがプラークコントロールが容易であり、臨床経過がよい。しかも審美性に優れている。オーバーマージンはプラークコントロールを困難にするため辺縁歯肉の炎症や再発性う蝕を誘発する。
(7) 歯肉縁下に及ぶ歯頸部マージンは、歯肉を切除するか圧排糸で歯肉を後退させてから充填を行う。
(8) CR充填に際に歯肉溝に流れたボンディング材を除去する。ボンディング材が人工的な歯石の役割をはたしてしまう可能性あり。
(9) 歯冠部を修復する際には、歯冠修復物の辺縁を歯肉縁上に設定する。
(10) 可能な限り、歯冠修復物の辺縁をエナメル質に設定する。
(11) 歯肉退縮のある歯に対する歯冠修復は元の形態を復元し、決してオーバーカントゥアーにならないようにする。(生物学的幅を考慮する。)
2. 根面カリエス、Hysの予防法
・ ・・歯面強化のために歯冠修復時(充填含む)の注意点のほかに両者ともにフッ素を塗布することが効果的である。セメント質は貧弱で脱灰の臨海(クリティカル)phも高いので、歯肉が退縮しセメント質が露出してしまったら、速やかにフッ化物を塗布する。フッ化物配合の歯磨剤を使用するのもさることながら、濃度の高いフッ化物の歯面塗布、フッ化物洗口(サンスター バトラー _F洗口液0,1%)はさらに効果的である。特に表層だけが脱灰した歯根面のフッ化物塗布は、再石灰化に極めて高い効果を期待できる。
毎日毎回の、ケアタイミングを見直す。
歯ブラシだけのケアに頼らず、しっかり、毎回、フロスをおこない、歯の間ケアを優先する、歯ブラシ圧のコントロールは重要なので、柔らかい安全な、道具を選ぶ。
歯ブラシの動かし方も、研磨、摩滅を防ぐ、スパイラル法を行う。
脱灰開始後、最盛期の食後30分以降でなくて、食後3分以内の3AMで、ジャストケアを心がける。寝る前の仕上げケアーでは、さらに、軽く抗菌リンスや、フッ素ペーストを歯の間にも使う。
歯周処置後の根面や歯肉溝に先の細いシリンジを使用してフッ化物を塗布するのも有効で、露出した根面の脱灰とHysの予防に役立つ。ここで使用するフッ化物にはセメント質に対し刺激の少ないフッ化ナトリウムがよい。Hysの予防に関してはフッ化物と硝酸カリウム配合の専用の歯磨剤をシリンジに充填して(サンスター GUM  _デンタルジェルセンシティブ、_シュミテクトなど)塗布するのもよい。またCPP−ACP(リカルデント)成分を配合した「歯質再石灰化ペースト」(GC _MIペースト)をフッ化物塗布後に使用するのも今面カリエスの予防にさらに有効。
 

MIペースト:10%w/w CPP−ACP
       CPP=牛乳たんぱく質であるカゼイン由来のホスホペプチド
       ACP=非結晶性で可溶性の性状を有するリン酸カルシウム
       ※CPP−ACPは牛乳タンパク由来であるため、
        牛乳アレルギ のある方には勧めることができない。

酸性状態に傾いた口腔内を中性に戻し酸性状態になりにくい状態を維持する緩衝能を持つ。
プラーク中にも取り込まれ、エナメル質表層化の再石灰化に働く。
象牙細管を封鎖することにより、Hys治療に有効。
フッ化物同様、根面カリエスの予防にも効果的。
酸蝕症を緩和する。
フッ化物の代用とすることで、歯牙フッ素症を改善する。
フッ化物(1000ppmF未満のもの)塗布後に使用することで、いずれかの単独使用よりも、う蝕活動性が有意に低下する。フッ化物入り歯磨剤使用後の塗布が一番効果が増強、発現される。
プロフェッショナルケアで使用する高濃度のフッ化物(1000ppmF以上のもの)との併用は拮抗作用があり禁忌である。
GCからでているホワイトニング剤(_GCTion)には、ホワイトニング後のHysの発生を低減させるためのリカバリー用ジェルとして、MIペーストが同梱されている。
<Hysの診断と対応>
1. 医療面接(問診)から導き出すHysの原因(患者様への質問)
(1) 痛みの種類に関しての質問
  ・・・鋭い、鈍い、脈打つ感じがあるか?
(2) 生活習慣に関しての質問(嗜好、健康志向の確認)
  ・・・ph値の低い炭酸飲料や酸味の強い食事を好む傾向にあるか?(クエン酸やお酢が体によいという健康志向を念頭におく。外因性の酸による傷害は酸性食品が関連している。)
(3) 薬剤や病歴に関しての質問(サプリメントを含む常備薬の確認)
  ・・・薬剤の長期服用は唾液の分泌を減少させる。(坑ヒスタミン剤、血圧降下剤などは特に)最近流行のチュアブル錠やサプリメントは糖衣錠であることが多い。内因性の酸による傷害は全身的疾患と関連してくる。
(4) 清掃状態に関しての質問(セルフケアに使用しているツールの確認)
  ・・・歯ブラシの形状や硬さ、歯磨剤の種類と使用量、歯間清掃道具の使用、洗口剤の使用、いつブラッシングをするか、最近はブラシを変更したかなどの質問。
(5) 職業に関しての質問(職業性の歯牙酸蝕症の疑い)
(6) ストレスに関しての質問
  ・・・就寝時のブラキシズムやクレンチングの確認、摂食障害であるかどうか。(この摂食障害に関する設問はデリケートであるため慎重に対応する。)
(7) 歯科治療にかんしての質問
  ・・・最近歯周処置、ホワイトニング処置、う蝕治療などの処置をうけたかどう
か。
2. Hys鑑別診断において考慮すべき要因
(1) 膿瘍のある歯、あるいは失活歯:主に歯根膜の痛みが原因
  ・・・咬合時に感受性を伴う壊死をおこしている。(SP、OP、PPがすべて+)
(2) 破折している歯:垂直性破折が歯髄神経にまで達していれば歯髄神経あるいは歯根膜の痛みを伴う。また咬頭が部分破折していて、象牙質が露出していれば当然Hysが生じる。
  ・・・咬合後の開口時や咬頭を打診したときに痛みあり。
(3) う蝕のある歯
  ・・・セメント質がエナメル象牙境に及んだときに感受性が最も高くなる。その部分を越えてしまうと、歯髄神経に到達するまでの間は一時的に鈍くなる。う蝕の場合うかを伴うものがほとんどなので、X−ray
、探針などで鑑別できる。
(4) 歯肉退縮のある歯
  ・・・外科的な歯周処置後、加齢、機械的刺激(ブラッシング)、小帯付着が強いなどの場合に歯肉が退縮する。あらゆる原因によりセメント質が喪失し根面の象牙質が露出して象牙細管が開口することにより感受性が亢進→Hys。
歯肉クレフトなども考慮しなければならない。
(5) ブラッシングによる摩耗のある歯
・・・歯磨剤を用いたオーバーブラッシングによる摩耗は一般的に利き腕の反対側に見られる。
(6) 咬合性外傷による傷害(アブフラクション)
  ・・・解剖学的にたわみやすい部分(歯頸部)が咬合性外傷を受けやすい。感受性が強く歯髄神経にまで進行する場合がある。
はじめにエナメル質が剥離し、その後に摩耗や酸蝕などの影響を受けるため、結果として生じるHys。
(7) 酸による傷害
  ・・・胃酸の逆流など、内因性の酸による傷害は(摂食障害)口蓋側に起こり、酸性食品摂取による外因性の酸による傷害は頬側に起こる傾向にある。ph値が大変に低い炭酸飲料のコーラやフルーツジュースなどの大量消費や、長時間消費(だらだら飲む)は酸による攻撃と同じ。 
(8) 飲食によるHys
  ・・・ph値の低い食品(フレッシュなトマト、オレンジジュース、コーラなど)が関連している。これらの酸性食品で露出象牙質部分がエッチング(象牙細管を覆っていたスメア層が除去され細管が開口する)され、突然しみるようになる。また酸蝕によって生じたHysをさらに悪化させる可能性あり。
(9) 発生学上の問題によりおこるHys
  ・・・先天的にEDJが部分的にセメント質で覆われていないなど。
(10) 修復物によるHys
  ・・・一般的に歯髄神経はかどう形成時にすでにダメージを受けている。
操作中の汚染や不適切なエッチング処理や乾燥も感受性を向上させる。
(11) 薬剤によるHys
  ・・・薬剤の長期服用による口腔乾燥症。唾液の減少は酸蝕症の増加につながる。
(12) ホワイトニングによるHys
  ・・・ホワイトニング薬剤は象牙質に浸透し歯髄神経に到達する可能性もある。   
(可逆性歯髄炎へ)
 
HYS鑑別診断チャート
HYSの要因
実質欠損
<「しみる・痛い」時はどう対応する?  セルフケア編>
Hysのケア・・・ 象牙質表面に開口した象牙細管の封鎖、また象牙細管に沈着物を生成し、細管を狭窄あるいは閉塞し、「象牙細管内溶液の移動の阻止」を目的とする。
非侵襲性(後戻りができる処置)= セルフケアが主となる = スメア層の喪失防止
侵襲性(後戻りができない処置)= プロフェッショナルケア
[外因性の酸蝕]
(1) 飲食が原因の場合
・・・スメア層はphの低い酸性の食品、果物、飲料によって容易に剥がされる。ちなみに歯質の脱灰は唾液phがエナメル質でph5,5以下、象牙質でph6,0、セメント質でph6,2以下で起こる。
       (色ワイン 2,3 赤ワイン 2,63 コーラ 2,94 オレンジジュース 3,0 ヨーグルト 3,26 グレープフルーツジュース 3,6 アップルジュース 4,1 紅茶 5,0 コーヒー 5,5)
       オレンジジュースに3分さらされただけでスメア層は完全に剥がされ、象牙細管が露出し過敏な状態になる。これらphの低い食品、飲料を摂取した場合には、その後にお水を飲むといったことことを心がけるとよい。
(2) 職業性の場合:「歯牙酸蝕症」
    ・・・製造業による酸性ガスや蒸気、ミストの発生。
       ※すし職人は職業性歯牙酸蝕症とは認定されていないが比較的多いという報告がされている。昨今の健康志向で黒酢、酢酸、クエン酸などが体によいとして摂取される傾向にあるが、口腔衛生においては逆効果になることも考えられる。
[内因性の酸蝕] ・・・傷害は口蓋側におこる。摂食障害による嘔吐で胃酸が口腔内に逆流するとスメア層を喪失する。胃酸のphは2.0で強酸性である。もし嘔吐という状況になってしまったら、その後速やかに水でたくさんうがいをするようにする。
喫煙習慣やチョコなど特定の食品の摂取で胃の括約筋の働きを低下させるために胃酸の逆流の原因となる。
アルコールやコーヒーも胃酸の産生を亢進させる。
摂食障害は男性よりも女性に多く、特に若い女性に圧倒的に多く見られる。誤ったダイエットによるものと考えられる。
(3)

薬剤の影響 : 口腔内乾燥症(ドライマウス)
・・・服薬、加齢、ストレスのよる唾液分泌量の低下、脱水(飲水行動制限)、口呼吸、乾燥した室内環境。
薬 → 利尿作用のあるもの、体液の減少を促進させるもの、降圧剤、抗うつ剤、抗コリン剤(副交感神経遮断剤)、その他唾液の分泌を低下させる薬剤の種類はとても多い。
ドライマウスの対策: マッサージを毎日行い自然に唾液の分泌量が増加してくれることが一番よいのだが、それでも効果のない場合は、常にお水やお茶を携帯し、こまめに補給し口腔内を潤すように心がける。あとキシリトールガムなどをよくかんで唾液分泌を促進させる。それでもだめな場合はキシリトールやヒアルロン酸配合の口腔潤滑剤を薦める。最近ではミルクプロテイン(初乳から抽出された乳タンパクエキス)と浸潤剤(唾液や涙などの持つ抗菌作用と類似した成分)を配合したドライマウスケア用の製品もでてきている。(ウェルテック_bioXtra)
最近、私のTBIな患者様にもドライマウスの方が多く見られ、このような浸潤ジェルなどをほしがる方が複数いらっしゃいます。これは他の先生の患者様にもおられるようですので、できればこのようなドライマウス用の浸潤ジェルを常時置いていただきたいと思います。
       
薬剤に含まれる糖分・・・「チュアブル錠」、「口腔内崩壊錠」、「トローチ」には糖分が配合されていることが多い。
お菓子に含まれるクエン酸などの酸味もとくにグミや、粘性液状になるものは、要注意である。

(4) 摩耗:不適切なブラッシング
・・・機械的な刺激によるエナメル質の喪失は通常のブラッシングや歯磨剤の使用だけでは起こりにくい。もともとあったエナメル質の酸蝕やアブフラクションにより磨り減っていたり、損傷していたりする場合に相乗効果としてはたらく。
犬歯、小臼歯が多い。
やわらかめの歯ブラシを使用し、正しいブラッシングテクニックを身につける。できるだけ研磨剤の不配合の歯磨剤を使用するか、ステイン付着が気になる場合は1日のうち1回といったように研磨剤配合の歯磨剤の使用頻度をへらすようにする。
Hys専用の歯磨剤を使用する。
(5) アブフラクション(咬合の不調和)
・・・アブフラクションによりエナメル質の損傷がおこり、その後に不適切なブラッシングによって増長する。
対策としては、楔状欠損部位のプラークコントロールが重要となってくる。セルフケアとしては「リラックスして眠る」という自己暗示。
プロフェッショナルケアとしては、PCが困難な状況の場合には楔状欠損部位に充填処置などをほどこす。アブフラクション自体の対策としては、安易に健全歯を切削して咬合を調整するよりも、咬合力を緩和するスプリントの装着がよいかもしれない。
Hys専用の歯磨剤のメカニズム
   

4.

象牙細管内溶液の移動が歯髄・象牙境付近に分付する自由神経終末を刺激、興奮させ、インパルスが発生するために痛みが生じる。

最もHysを誘発するのは冷刺激である。温刺激においては冷刺激と比べ、象牙細管内溶液の移動が緩慢であり、歯髄側の神経線維を刺激させるまでにいたらない。

冷刺激を感じやすい部位:上顎は左右ともに4、次に3で、下顎右側は3、次に4、下顎左側は反対に4、次に3という報告がされている。これは利き腕とP.C.の関係によるものと考えられる。

  1)硝酸カリウム:カリウムイオンとなり、歯髄神経周辺にイオンバリアを形成するといわれている。この働きにより歯髄神経で神経伝達をブロックし、Hysによっておこるしみる、痛いといた症状を緩和する。

2)乳酸アルミニウム:開口した象牙細管を封鎖することにより、象牙細管内溶液の移動を阻止し神経を刺激するのを抑制する。

3)フッ化物:Hys鈍麻剤(フッ化物バーニッシュは高濃度22600ppmFで、劇薬指定医薬品です。)こちらは院内にてプロフェッショナルケアにて使用するものです。
セルフケアに使用するフッ化物の濃度は1000ppmF以下と定められています。
_ホームジェル(フッ化第一スズ)、_Check up(フッ化ナトリウム)などがあります。
          
※ フッ化第一スズは歯根面(象牙質、セメント質)に対して浸透性が高く、歯髄神経にまで容易に達する可能性があるため、Hysを悪化させてしまうこともあるため、Hysに対してはフッ化ナトリウム配合の歯磨剤または、フッ化物ジェルを薦めるようにする。
  しみる症状が強い場合はノンペーストをすすめるもの一考。歯磨剤に含まれる研磨ペーストの粒子が象牙細管の内径よりも大きいため、これにより摩擦が生じ、スメア層が除去され象牙細管が開口するからといわれています。
Hys専用歯磨剤か、あるいはフッ化物入りで研磨材非配合のものを薦める。
   
  Hys専用の歯磨剤にはどのようなものがあるか
日本の製品: グラクソスミスクライン_シュミテクト
(硝酸カリウム5%wt,フッ化ナトリウム930ppmF)
サンスターGUM_デンタルジェルセンシティブ
(硝酸カリウム、フッ化ナトリウム、クロルへキシジン配合)
サンスターバトラー_デンタルリキッドジェル
(フッ化ナトリウム配合、研磨材非配合)
日本歯科薬品_Brosal
(フッ化ナトリウム配合、研磨材非配合
      アメリカの代表的なHys専用の歯磨剤
  グラクソスミスクライン_Sensodyne
(硝酸カリウム5%wt,フッ化ナトリウム1500ppmF)
アメリカの場合は1000ppmF以上のフッ化物の配合がされていますが、どの程度までのppmFがOKなのかはわかりません。
<プロフェッショナルケア編>
セルフケアでHysの症状を改善させることができなかった時は、速やかにプロフェッショナルケアへ転換する。セルフケアには限界がある(QOLの低下)
1. う蝕のない露出象牙質 → 各種材料による(ボンディング剤など)被覆
2. う蝕が原因ではない歯質の歯折 → 修復処置(CR充填、補綴など
3. アブフラクション → 咬合調整、スプリント装着、修復処置など

4.

歯周処置による歯肉退縮 → 各種材料による露出歯根面の被覆、歯肉グラフトなど
5.

破折歯(垂直性破折) → 接着性レジンによる接着、抜髄、歯根分割、抜歯など

 
<生体侵襲の少ないプロフェッショナルケア>
1. MSコート・・・健康保険適用のHys抑制材
          A液(MSポリマー)+B液(シュウ酸)が象牙質壁や象牙細管に存在するカルシウムと反応し、象牙細管内に沈殿、もしくは結晶を生成する。これにより象牙細管を狭窄、あるいは閉鎖する。MSコートにより生成されたポリマータグが人工的にスメア層やスメア栓の役割をはたす。
2. 接着性レジンのボンディング材
      ・・・単に象牙細管の表面を被覆するだけでなく、モノマー成分が象牙質に浸透、拡散し、象牙質構成成分(コラーゲン、ハイドロキシアパタイト)と絡み合い、新たな層(樹脂含浸象牙質)を生成する。いったん樹脂含浸象牙質が生成されると、酸にも脱灰されず、有機質分解試薬にも分解されないので、再発性う蝕を予防するといわれている。
         ※ シングルボンドはエッチング処理が必要なため、当院においてはGボンドが適している
3. 高濃度フッ化物・・・プロフェッショナルケアにおいては、9000ppmF〜22600ppmFが使用される。
            _Fバニッシュ(22600ppmF)
_フルオールゼリー(9000ppmF)

4.

グラスアイオノマーセメント
・・・接着性レジンと違って、樹脂含浸象牙質の生成は期待できず、単に機械的に露出象牙質を被覆するもので、傷口にあてるガーゼの役目のみ。あくまでも暫間的な被覆処置。またグラスアイオノマーはエッチングがないから安心と思っている人が多いようだが、グラスアイオノマーのモノマー成分はポリアクリル酸という酸の水溶液であることから、流動性のあるうちに象牙質に触れればやはり同じように脱灰させる可能性はある。
5.

コンポジットレジン(CR)
      ・・・・〜・までの処置をしたが
         ・症状が解消しない
・効果が持続せず再発
         ・欠損部が大きい
         ・審美面の回復をしたい  
         ・PCが困難
                  このような場合にCR充填をおこなう。

6. スプリント装着
7. 抜髄、抜歯
   
   
 
<医原性のHysの予防>
1. Hysを考慮した歯周処置の留意点
 
(1) PCの習得状況を確認しながらSRPを行う。
・ 急性のPの場合は早期に歯肉退縮を起こすので、初期はPMTCやデブライドメント(細菌性のプラークの除去を行い炎症を抑える)の施術をする。
・歯頸部のPCの確認が必要。
・歯肉縁上に露出する根面のセメント質は除去しないこと。
(2) ホワイトニング処置期間のSRPは避ける。
(3) 縁下へのアクセスは慎重に行う。
・アクセスしやすい部位は逆にセメント質を削除しやすいことを念頭に置く。
・上皮の再付着が困難な根面は表層の汚染セメント質のみを除去する。
(4) セルフケアの確認。
・露出象牙質の歯ブラシの当て方、動かし方、ツールのサイズの確認。
・Hys専用の歯磨剤を薦める。
・飲食や、常用薬剤などの生活習慣の確認。
(5) メインテナンスの時期を早める。
・P重症者や急性症状が強かった場合。
・セルフケアがうまくできない場合。
(6) ステイン除去の手法を検討する。
・パワースケーリングよりも、エアーポリッシャーの方がセメント質に対しソフトである。
・露出歯根面の徹底的なステイン除去は避ける。
・研磨ペースト(なるべくRDAの数値が100前後の低いものにする)やツール(ポリッシングブラシやラバーカップはそれ自身が早く消耗するタイプのほうが、歯面を傷つけにくい)の工夫をする。
・処置後は歯根面にフッ化物の塗布、あるいはCPP−ACP成分配合の歯質石灰化ペーストの塗布。(フッ化第一スズは避ける)
・歯根面にHys専門の歯磨剤の塗布を行う。(硝酸カリウム成分の塗布)
プロフィージェット(エアーポリシャー)について
・従来のパウダーは重炭酸ナトリウムで塩味が強くパウダー粒子がシャープなエッジをもっている。
新しいものは炭酸カルシウムで、パウダー粒子は丸みを帯びた滑らかなもので、歯質と歯周組織に対してソフトである。歯周ポケット内においてph値が上昇する(炭酸カルシウムの緩衝作用)ことにより、炎症起こした組織の治癒を期待できるとの報告がある。
プロフィー後は短期的に歯質表面を粗造にさせるので、細かい粒子のペースト(メルサージュファイン)を用いてシリコーンラバーカップで表面を研磨すること。
当院で現在使用中のプロフィーの本体では新しいパウダーは使えないようです。(KOさんに確認したみたいです。)
2. Hysを考慮したホワイトニングの留意点
(1) Hysの既往歴のある人はなるべくホワイトニング処置は控えたほうがよい。
(2) エナメル質にクラックが認められる場合はなるべくホワイトニング処置を控えたほうがよい。
(3) ホワイトニング処置の開始時期を検討し、施術開始2〜3W前から硝酸カリウム配合のHys専用の歯磨剤を使用する。
(4) Hysの症状にあわせてカスタムトレーの装着時間を軽減する。
(5) ホームホワイトニングで使用するカスタムトレーを活用して、硝酸カリウム配合のHys専用歯磨剤、あるいはフッ化物(フッ化ナトリウム)を塗布し、10〜30分間装着するのが効果的である。この行為はホワイトニングと交互に行ったり、週1で行ったりと、Hysの症状にあわせて調整するのが望ましい。
(6) ホワイトニング処置期間中の歯周処置は禁忌である。

ホワイトニングのメカニズム

・ホワイトニングに使用される過酸化水素はそれ自体は活性をもたない物質だが、いったん空気に触れると酸化反応を起こし、強い反応性を示す。これは活性酸素、あるいはフリーラジカルの作用によるもの。
発生したフリーラジカルはエナメル質の有機着色物を透明に分解し、エナメル小柱の形状を角状から球状に変化させる漂白効果がある。さらにエナメル質表面が曇りガラスの様になり、光の乱反射をおこして歯を白くみせるマスキング効果があり、これらの2つの相乗効果で歯を白く見せるといわれている。

・オフィスホワイトニングのように、用いる過酸化水素の濃度が高い程フリーラジカルが大量に発生し、漂白効果が上がるが、歯の表面が白濁したり、Hysを発症したりする。またホワイトニングの即効性は認められるものの、アパタイト結晶の結合水が除かれることによるホワイトニング効果は後戻り(色調の後退)の可能性もあるよう。

・ホームホワイトニングの薬剤の10%カルバミド過酸化水素水に含まれている2つの成分(3%の過酸化水素、7%の尿素)はとても浸透性がよいために、速やかにエナメル質からエナメル葉を通して象牙質に浸透、通過し、短時間で歯髄神経にまで到達する。歯質は半透過性で過酸化物や尿素は5〜15分でエナメル質から歯髄神経に到達するといわれている。一説には肉眼で認識できないエナメル質のマイクロクラックに沈着した汚染物質や石灰化物などが、ホワイトニング処置により除去され、さらに空隙が伸長されて象牙質に至り、象牙細管を通じて外来刺激が歯髄神経に達する結果として生じるものといわれている。

[ オフィスホワイトニング ]
   メリット・・・・1回の処置で済む
           効果が迅速にでるので、患者様の満足度は高い。
           歯や部位を限定した施術ができる
   デメリット・・・ホームホワイトニングよりも費用がかかる
           色調の後戻りが比較的早い
           重度のテトラサイクリン変色歯は適応外である
           Hysが発症する場合がある
[ ホームホワイトニング ]
   メリット・・・・自宅で行える
           術式が簡単で、処置自体も安全
           歯の艶が消えないので、審美的に優れる
           重度のテトラサイクリン変色歯にも適応できる
           ホワイトニング効果の持続が長い
   デメリット・・・効果が現れるまでに時間がかかる
           ほぼ100%の症例にHysの発症

 


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