痛みに顔をゆがめる日々から抜け出す
冬の肩こり、腰痛を一掃する
「ストレッチな身体づくり」
寒くなると、だれでも身体が縮こまってしまうもの。その時、身体の中でも筋肉が縮んで硬くなり、
それが痛みを引き起こす要因となります。
筋肉をほぐすストレッチ運動と、ダイエットで、身体のケアを始めましょう。
寒さが肩こり、腰痛を引き起こす
皆さんは、寒くなると身体が縮こまってしまう経験があると思います。その時身体の中では筋肉が縮んで硬くなっているのです。
痛みなどの刺激を伝える末梢神経(知覚神経)は、私たちの身体の全身に張り巡らされています。身体の末端部ヘ伸びていく末梢神経には、身体の内部から筋肉の間を通って伸びていくものがあります。これは皮神経と呼ばれていて、筋肉と筋肉の細い隙間を通っているので筋肉が縮んで硬くなると挟まれた皮神経は圧迫を受け傷ついてしまいます。もともと皮神経は知覚神経と呼ばれ刺激を伝えているので、傷ついた部分から痛みなどの刺激が起こり、肩こり、腰痛、神経痛が起こりやすくなるのです。
肩こりや腰の痛みは脳からの注意信号
また、デスクワーク、自動車の運転、家事など、同じ筋肉に負担をかけ続けると、筋肉内では酸素が足りなくなり、そのような状態の筋肉には「乳酸」がたまってきます。この乳酸がきっかけとなり、発痛物質や、痛みを感じやすくするプロスタグランジン等の物質が発生します。その物質からの刺激が皮神経に、さらに脳に伝わって、痛みとして感じられるのです。
つまり、肩こりや腰痛は「筋肉が傷ついているよ」という脳からの注意信号なのです。この注意信号がずーっと続くようになると、筋肉を含め身体の各部が渋滞を起こして交通マヒ(症状悪化)が発生してしまいます。やはり、そうならないための身体づくりが大切なのです。
健康的な生活のためにバランスの良い身体づくり
四季がある日本では、冬の寒さによる身体の縮こまりの影響もあるのでしょうが、肩こりは、ほぼすべての日本人が、腰痛は8割以上の人が経験するとも言われています。「中高年になってから起こるもの」ではなく、高血圧やメタボリック症候群といった現代の生活習慣病のように、だれもがそのリスクを負っているものととらえるべきです。軽い痛みだからと言って放置せず、早めに負担を軽減させる身体づくりをしていくことが大切です。
バランスの良い身体をつくることのメリットは、筋肉のコリを予防し、肩こり、腰痛、神経痛などの痛みのリスクを低減させる効果があるのです。
痛みに顔をゆがめる日々から抜け出し、充実した日々を送るためにも、寒さに負けない身体づくりを始めましょう。
ストレッチ運動で肩こり、腰痛を軽減させる
肩こり、腰痛を改善し、再発しにくくするためのカギはひとえに肩、腰の負担を減らすことにあります。軽いストレッチ運動で柔軟性、安定性、身体バランスを整えてみましょう。ストレッチ運動は固まった部位をほぐすだけではなく身体の柔軟性も向上させます。柔軟性が向上すると日常の不意の動作による急性筋肉痛の防止にもつながります。ストレッチ運動で、筋肉をほぐすと同時に呼吸を整え、心もリラックスさせるよう意識しましょう。
また、テレビや雑誌で紹介されている腰痛体操などをご自分で行おうとする場合は、腰痛が発生する前の予防体操と、腰痛が発生してからの体操では、おのずとの可否があるので注意が必要です。
たとえば、腰痛体操でよく紹介される腹筋運動も、痛みのない予防段階なら効果がありますが、腰に痛みがある方は、腰椎や骨盤に負担がかかり、痛みを再発する恐れがあります。なるべく関節に負担をかけない運動を中心に行いましょう。慢性的に痛みのある方は医師に相談のうえ、行うようにして下さい。
肩こり、腰痛にもメタボは大敵
カロリーコントロールで肥満を改善
肩こり、腰痛にもメ夕ボは大敵 食事にも注意を
身体は食べ物でつくられるといわれるように、肩こり、腰痛の方にとっても、食事は重要。
肩こり、腰痛で悩んでいる方に、積極的に摂って頂きたい食品としては新陳代謝を即し、老廃物の排出をうながすものがよいでしょう。
例えば、ネギ、豚肉などに含まれているビタミンB群は身体のエネルギー代謝を促進し、筋肉の疲労物質を取り除く栄養素と言われています。わかめ、昆布、ひじきなどヨードの豊富な海産物も肩こり、腰痛の方には良い食品です。
また、骨の強化には、やはりカルシウムと良質なタンパク質が必要で、カルシウムを摂るのであれば豆腐、胡麻、牛乳、小魚など。タンパク質は乳製品、牛・豚・鶏肉などから摂るのがよいでしょう。
あとは、トータルカロリーをコントロールし、肥満を予防、解消することです。ダイエットが肩こり、腰痛改善に必要なの?と、びっくりされたかもしれませんが、肥満は姿勢が悪くなり、背骨(脊椎)の理想的なS字カーブが描けなくなるのです。トータルカロリーを意識して食べ過ぎにならないよう注意し、適度なストレッチ運動をしていれば、特別なダイエット方法など必要はありません。ただ、ストレッチ運動の効果を高めるのであれば栄養素やカルシウム、タンパク質を摂るタイミングも重要です。一般的には運動直後に摂取することがよいとされています。この場合、すぐに食事がとれない方はサプリメントで補給するのも良いでしょう。
さあ、春はもうそこまで近づいてきています。寒い冬に負けない身体づくりに励んで、肩こり、腰痛、神経痛を吹き飛ばしましょう。
肥満の基準とは
腰椎は体を支えるフレーム(柱)なので自重(体重)が増加すれば当然フレーム(腰椎)には負荷が増大します。腰痛をコントロールするうえで適切な体重を保つことは極めて大切なことです。肥満度を測る一般的な指標としてはBMI (Body Mass Index)があります。
これは体重(kg)を身長(m)の2乗で、割った式で算出されます。例えば身長170cm、体重70kgの人は70÷(1.7 x1.7)= 約24.2となります。この数値が25以上の人が肥満と判断されます。ただこの指標は筋肉量が多い人でも肥満と判断されてしまうことになるので、これに体脂肪率を加味すると有効性が高いでしょう。最近は体重計に体指肪計がついているタイプも多いので有効活用しましょう。体脂肪率は男性の場合25%以上、女性の場合30%以上が肥満と判断されます。
