子どもの被ばく年5ミリシーベルトに


子どもの被ばく年5ミリシーベルトに 小佐古氏、目安を提案

福島第1原発事故による子どもの被ばくに関する政府対応を批判し、内閣官房参与を辞任した小佐古敏荘(こさこ・としそう)東大教授が20日、小中学校などの被ばく線量の基準は年間5ミリシーベルトを目安にするべきだとする案を発表した。

 衆院文部科学委員長の田中真紀子氏が小佐古氏を招いて開いた勉強会後に記者会見して明らかにした。田中氏は、小佐古氏を委員会に参考人招致して意見を聴く方針。

 文部科学省は、福島県の小中学校などで年間被ばく線量換算で20ミリシーベルトを超えないように、毎時3・8マイクロシーベルトと屋外活動制限の基準を設定。ほかに年1ミリシーベルト以下の目標値も示している。

 小佐古氏は「昨年原発で働いた作業員でも20ミリシーベルトを超えた人はおらず、子どもに要求するには異様に高い数値だ」と批判。国際放射線防護委員会(ICRP)の長期間にわたる公衆の被ばくについての基準を参考にすると、子どもの被ばく線量の基準は毎時0・6マイクロシーベルト、年間で5ミリシーベルトとするのが妥当とした。

 小佐古氏は「基準は一律である必要はなく、学校や自治体が協議し、それぞれの地域の事情に応じて決めることが重要だ」と指摘した。

2011年7月21日 提供:共同通信社