ペーストタイプのEDTA製剤は、NaOClと反応して生ずるガスの発泡作用により切削片等を根管内から押し上げ清掃するという考え方に基づいており、スメア層の除去はあまり想定されていないといってよい。一方、その発泡による物理的な清掃効果であるが、それは"臨床的な伝説"であるらしく、NaOClとの混合による発泡は確かであるとしても、その清掃効果が検証されたことはないと、2006年のJournal of Endodonticsの根管洗浄剤に関するZehnderのレビューに記されている。発泡による清掃効果を期待して、過酸化物無配合を謳っているファイリーズは別として、海外製品では過酸化尿素(Urea peroxide、以下UPO)を添加しているものがかなり多いが(なお、EDTAのみとNaOClでも発泡する)、発泡のみならず、潤滑さらには漂白の効果まで謳っているものがあり、疑問を感じざるを得ない。UPOとNaOClの混合により発泡するが、そのことはNaOClの殺菌力の急激な低下に通じており、何のためのNaOClなのかという気がする。UPOは歯のホームブリーチングに使われてはいるが、作用時間を考えればその効果のほどは容易に察することができよう。