マンゴスチンにがん抑制効果…岐阜大教授ら立証


 東南アジア原産の果物「マンゴスチン」の果皮に含まれるポリフェノールの一種「キサントン」に、がん抑制効果があることを、岐阜薬科大学の飯沼宗和教授(生薬学)と岐阜大学大学院の赤尾幸博教授(腫瘍(しゅよう)医学)が動物実験などで立証し、がんの補完代替医療に役立つ健康食品として実用化した。

 マンゴスチンの厚い果皮は、東南アジア地域では古くから伝承薬として用いられ、抗菌や抗カビ作用があることで知られる。両教授は、果皮の主成分キサントンを抽出し、培養したヒトのがん細胞と大腸ポリープを発症したラットを使い、その効果を確かめる実験を行った。

 その結果、ヒトのがん細胞は、キサントンを低濃度で加えると48時間後に6-7割が死滅。ラットでは、0・05%の非常に薄い濃度でエサに混ぜて食べさせると、食べない場合と比べてポリープの数が約半数に減ることが分かった。いずれも副作用はなかった。

 両教授は、キサントンの成分だけを抽出する方法も開発し、特許を取得。県や企業、病院などと連携し、キサントンの研究会を発足させ、がん治療を補完する健康食品(錠剤)として、現在、薬局や医療機関での普及を図っている。

 赤尾教授は「キサントンには抗酸化や免疫活性化の作用もあり、がん予防や再発を抑えるなどの機能性食品として優れている」と話している。


2012年5月27日 提供:読売新聞