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1.「削って詰める」より予防を重視

 

再発を繰り返す

虫歯はミュータンス菌やラクトバチラス菌などの感染、歯周病も細菌感染による炎症疾患であることが分かっている。これらの細菌は歯間や歯茎にたまった歯垢の中で増殖する。熊谷院長は「こうした危険因子を減らさなければ削るなどの治療をしても再発を繰り返す」と話し、口の中を清潔に保つ必要性を強調する。

毎日の歯磨きも大切だが、歯垢が残りやすい奥歯の裏やポケットと呼ばれる歯茎のすき間などの部分は、専門家による清掃が必要になる。口腔内科医は、削って詰めるのは進行した虫歯にとどめ、初期の虫歯は歯科衛生士がデンタルフロスや歯ブラシなどで丁寧に歯垢を取り除き、細菌を減らすことで進行を止める。

このため、歯科衛生士は単なる助手ではなく、重要な役割を果たす。日吉歯科診療所では、衛生士が専用の個室を持ち、受け持ち患者の口腔ケアに当たる。こうした内科的な予防医療が日本の歯科で進まなかったのは「歯科の診療報酬が、削って詰める外科的な治療でないと、収入に結びつかない」(札幌市の開業医)仕組みになっているからだ。しかし、「患者の満足度が高まれば定期的に通院する患者が増え、外科的治療をしない予防医療中心でも収入は確保できる」と熊谷院長は語る。

そのためにも、衛生管理に対する患者の理解が欠かせない。
歯を削る主な理由は、細菌が侵入して破壊された(虫歯となった)組織を除去することだが、詰め物の土台とするために健全な歯を削ることもある。再治療でさらに大きく削る悪循環に陥ると、次第に詰め物からかぶせ物、さらには歯を抜いて義歯(入れ歯)が必要となってしまう。

欧米に比べ遅れ

厚生労働省の「歯科疾患実態調査」(1999年)によると、虫歯治療による詰め物がない人は、14歳までは3割強だが、15−24歳で一割以下に。55−64歳で部分入れ歯と総入れ歯の人が半数を占めるようになる。総入れ歯は70歳以上で3割を超え、80歳以上では半数を超える。

ただ、欧米が先行する口腔内科医の本格的な育成は始まったばかりでね国内で探すのは難しいのが現状だ。

「歯やあごは内臓と同様、生涯つき合う大事な体の一部。複数の歯科を受診したり、歯科医院のホームページを見比べて、歯科医の姿勢や相性を確認してほしい」

具体的には

@ 患者の意見を聞き、治療方針や費用を十分に説明する
A 様々な治療法の利点、欠点を説明して患者に治療法の選択肢を示せる
B 薬の副作用などを防ぐため服用中の薬や既往症を調べる

などを挙げる。「歯の状況は年齢や性別により千差万別。それぞれに適した治療を選ぶ必要がある」と言う林院長は「患者に関するきちんとしたデータを集める医師もいい歯医者の条件」と強調している。

2005.5.22 日本経済新聞
 
予防は、お口に問題を感じない内に定期的(6ヶ月)検診・チェクアップとクリーニングをを重視することです。WFではオーラルマップをお作りします。チェックアップを是非受けるようにしましょう。