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3Dプリンターで入れ歯 三井化学、
米歯科材料ベンチャーを買収、入れ歯分野進出狙う

 三井化学は21日、3Dプリンターなどを用いて入れ歯を開発・製造するベンチャー企業の米デンカ(カリフォルニア州)を買収したと発表した。創業者から発行ずみ株式50・01%を十数億円で取得し子会社化した。歯科材料事業でこれまで手掛けていなかった入れ歯分野に進出し、高齢化などで拡大する需要を取り込む。化学品に比べ景気に左右されにくいヘルスケア事業を強化し成長につなげる。

 デンカは2007年の設立。CAD/CAMシステムや3Dプリンターで開発・製造する入れ歯を主力とする。社員数は15人。高齢化や新興国の経済成長を受けて世界の入れ歯市場は拡大すると見込まれており、三井化学は買収を機に手薄だった入れ歯分野の開拓にも力を入れる。

 三井化学は子会社のサンメディカルや松風を通じて歯科材料事業を展開しており、今年4月には世界に製販拠点を持つ独ヘレウスの同事業買収を決めた。今後は主に米国で展開しているデンカの技術を世界に売り込むとともに、三井化学が得意とするポリマー技術や買収したヘレウスの技術を組みあわせ相乗効果を生み出していく。

2013年6月24日