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歯科技工物事業に新規参入
松風が14年度参入、3年内黒字化目指す

CAD/CAM事業は有意差が少ないだけに、価格競争になるのかな?

やはり制作物の最終チューニングの技術と接着時の成功率をどれだけあげられるかということが、価格に反映されなければいけない。
修復物の素上がり状態での歪を的確に修正することが、オプチマルテクニックになってくる。


 歯科材料メーカーの松風(本社・京都市)は来年4月をめどにCAD/CAM技術を活用した歯科技工物加工事業に参入する。歯科医院や歯科技工所向けに、自社のCAD/CAMセンターで加工したフレームを供給するビジネス。自社の歯科材料とセットで販売できるため、既存事業との相乗効果が期待できるという。事業開始後3年内に黒字化を目指す。

 松風が新たに立ち上げる事業は、歯科医院や歯科技工所が、患者から採取した歯型を送ってもらい、自社内の歯科用CAD/CAM装置で義歯のもとになるフレームに加工して送り返すというもの。患者の歯型を三次元スキャナーで読み取り、コンピューターを使って立体画像データから精密なフレームを作成する。歯科医や歯科技工士はそのフレームにセラミックを焼き付けるなどして義歯を完成させる。

 国内では歯科技工士の減少などを背景にCAD/CAM装置の普及が進んでいる。松風は高額なCAD/CAM装置を導入できない小規模の歯科技工所向けに、自社のCAD/CAM装置を使ってフレーム加工を受託するビジネスを展開していく考え。フレーム加工を受託することで、フレーム材料やその他の歯科材料の販売につながるという。

 また、松風は三井化学とその歯科材料子会社サンメディカルと共同で、虫歯を削った部位の修復に使う歯科用充填材(コンポジットレジン)の開発を進めている。充填後に隙間ができないように世界最高の低収縮率を目指したもので、松風の根來紀行社長は23日の決算会見で「来年度にも発売できる」という見通しを示した。

 提携先の三井化学が独ヘレウスホールディングの歯科材事業を買収したことについては、「今後の事業協力についてはまだ何も決まっていないが、ヘレウスのCAD/CAM装置用に当社の材料が提供できる可能性がある」と述べた。

2013年5月29日 提供:化学工業日報