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ピックアップ 『歯科医師国試:東京歯科大学が全体・新卒者トップ』

歯科医師国試:東歯大全体・新卒トップ「井出学長以下大学全体で対応している結果」

ピックアップ 『歯科医師国試:東京歯科大学が全体・新卒者トップ』第106回歯科医師国家試験の合格発表が3月19日、厚労省講堂・インターネットにて発表された。全体:71.2?、新卒者:80.4?であった。大学別では以下のとおり。例年とおり、東京歯科大学は全体・新卒者で、合格率トップを果たし、東歯大の歯科ブランドを維持した形になった。3月21日、東歯大関係者に背景・努力などを取材した。

関係者の一人は「特別なことはしていません。本当に、昨年と同様です」と淡々と答えながらも、「合格・不合格は二つに一つですからね。もちろん努力をしてないわけではないですよ。入学した1年時から国家試験合格を意識していることは事実です。本来の学部としての教育は当然ですが、それを通じて結果としてという意味です」と釈明しながら説明した。近年のトップを快走する東歯大であるが、かつて国試合格率において、私立歯科大学の中で、厳しい順位で迷走していた時期もあった。当時の教務担当であった井出教授がテコ入れを始め、伝統校復活に向けての教員の意識改革に乗り出した。「この努力の結果として、下地を作り、学生の基礎学力の安定と同時に、学生自身もモチベーションを維持するようになり、下位学生に対しても協力的に相互補習するようになった」とする。

一方、他の関係者は「1年時から対応をしているが、5年時の登院実習においても意識して対応を図っています。生徒・教員が一体になっています。何もしないで結果は出ません。中には入学時から優秀な生徒がいるから恵まれている、と指摘される他の歯科大の先生がいますが、それよりも入学してからの努力が大きく寄与・影響していると思います」と指摘。現に、入学時は下位だったものが、2年、3年の進級する度に着実に実力を付けてくる生徒が必ずいるという。「そのような生徒は自覚ができているので、自ら進んで勉強していくいのです。これが重要です」と入学してから勉強意欲をどう持たせるのかがポイントとした。

さらに別の関係者は「私たちの頃とは違うことは事実ですが、学生自身の問題意識が大きいかもしれません。進級する度に国試の情報が入ってくるはずです。私立でトップという認識は自然と培われているのかもしれませんので、その名に恥じないようにしなくてはと思うのではですかね。教員と同様に学生が頑張っているのではないですか」と自己の学生時代とダブらせて学生を誉めていた。

なお、新卒合格率では、日大松戸歯学部と北海道医療大学の奮闘ぶりが伺え、大学関係者の努力が反映したとも言える。各大学とも、危機意識を持ちながらの毎年の合格率の数字であるが、平成25年度入学にあたっては、入学金の値下げを実施した大学が増え、その下で入学した学生の資質が影響を与えるのか、それとも大学自身の対策が資質の議論とは別に実力を身に付けるものなのか、6年後の国家試験が注目と指摘する関係者がいる。

【大学別合格率=大学:全体合格率(新卒合格率)】
北海道大学歯学部:76.6?(83.3?)、 東北大学歯学部:87.1?(90.9?)、東京医科歯科大学歯学部:84.9?(87.7?)、新潟大学歯学部:84.9?(94.6?)、大阪大学歯学部:88.9?(91.2?)、岡山大学歯学部:83.6?(85.9?)、広島大学歯学部:84.7?(92.0?)、徳島大学歯学部:83.6?(95.3?)、九州大学歯学部:80.3?(82.5?)、長崎大学歯学部:83.9?(91.3?)、鹿児島大学歯学部:83.8?(87.5?)、九州歯科大学:85.3?(96.2?)、北海道医療大学歯学部:73.3?(85.4?)、岩手医科大学歯学部:58.6?(76.3?)、奥羽大学歯学部:52.8?(59.6?)、明海大学歯学部:68.2?(78.2?)、日本大学松戸歯学部:77.4?(85.9?)、東京歯科大学:96.3?(96.9?)、日本歯科大学生命歯学部:80.8?(81.4?)、日本大学歯学部:75.0?(80.3?)、昭和大学歯学部:80.7?(81.5?)、鶴見大学歯学部:63.8?(76.3?)、神奈川歯科大学歯学部:61.4?(70.3?)、日本歯科大学新潟生命歯学部:65.0?(71.1?)、松本歯科大学:30.3?(29.0?)、愛知学院大学歯学部:74.6?(77.6?)、朝日大学歯学部:65.1?(85.0?)、大阪歯科大学:63.2?(74.3?)、福岡歯科大学:69.5?(72.2?)、認定及び予備試験:40.0?(50,0?)。

2013年4月1日 提供:取材; 奥村 勝 氏