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高齢者の突然死

突然死の7割が病死
日本人の平均寿命は世界1位で、男性の5割、女性の7割が80歳まで生きられるといわれている。しかし、その一方で、長寿社会における多様な高齢者の突然死が発生しているのも事実である。

東京都観察医務院の最近の死因統計資料によると、‘92年以降65歳以上の高齢者の占める割合が約7割に達し、死亡数も増加してきている。また、高齢者死亡の原因を大別すると、その7割に達し、死亡数も増加してきている。また、高齢者死亡の原因を大別すると、その7割が「病死」、残り3割が自殺や交通事故を含む「外因死」となっている。

自殺以外の「外因死」の原因としては、道路横断中の交通事故死、歩行中や家庭内の階段等での転倒、食物の誤飲による窒息死、入浴中のでき死などがおおい。また、死亡に至らない場合でも、これらの事故をきっかけに寝たきりになったり、余病を併発したり、後遺症による死亡にも・・・・等、軽視することはできない。

約7割を占める「病死」の原因としては虚血性心疾患(主に心不全と心筋こうそく)と脳血管疾患(主に脳梗塞と脳出血)が2大死因してあげられる。同院の死因統計では、悪性新生物(ガン)は検死の対象外になることが多いため、突然死のの原因としては頻度が低くなっている。病死の原因としては頻度が低くなっている。病死の原因としては、このほかに、75歳以上の高齢者では肺炎・気管支炎など呼吸器系疾患が多く、次いで肝硬変、胃潰瘍などの消化器系疾患がみられる。

各種機能の老化が、突然死を誘因

白髪や脱毛、歯が抜けたり、しわが増えたりといった外見上のはっきりとした変化だけでなく、人間のからだには加齢とともに多くの老化現象が現れてくる。この老化現象が、日常生活になんらかの支障をきたし、多くの突然死を誘因する危険性を含んでいる。

具体的にいうと、歩く速度が遅くなったり、握力が弱くなったり、骨がもろくなる身体的変化、視力・聴力・味覚の低下や姿勢を保てず転倒しやすくなる平衡感覚の低下などの感覚機能の老化、記憶力や判断力が弱くなる知的機能の老化、血圧が高くなったり、頻尿や失禁などの生理機能の老化などである。こうした老化現象の進行とともに臓器にも慢性疾患が起きやすくなる。いま健康な人でも、生活習慣や環境などによっては、心臓や脳の病気による突然死につながる高血圧、糖尿病や、脳こうそくなどの慢性疾患にかかりやすくなる危険性があるといえる。

(1997.9 たしかな目)