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歯型で身元確認15% 歯科医師会集計で判明

 福島県南相馬市と相馬市で東日本大震災で犠牲となった916人のうち、約75・9%(696人)が身体的特徴や所持品から身元を確認し、歯型照合で確認した人が約15・7%(144人)だったことが日本歯科医師会のまとめで9日、分かった。

 このほかにはDNA鑑定が約7・4%(68人)、指紋による確認は約0・8%(8人)だった。

 同医師会によると、5月15日までに身元確認できた南相馬市の437人、相馬市の479人について調べた。

 歯型での確認は、相馬市では約23・1%(111人)だったが、南相馬市は約7・5%(33人)にとどまった。南相馬市は歯科医院も被災し、カルテ紛失で照合ができないケースが多かったという。

 相馬市は歯型が比較的多かったが、日本歯科医師会の柳川忠広(やながわ・ただひろ)常務理事は「犠牲者に高齢者が多く、遺族が歯の特徴や入れ歯の形を覚えている人がいたのが要因」と話している。

 日本歯科医師会では震災以降、5月30日までに全国から延べ898人の歯科医師を派遣、岩手、宮城、福島の3県で計約7800人の遺体の身元確認作業を行った。

 同医師会によると、2001年の米中枢同時テロでは歯型照合による身元確認が約35%、04年のスマトラ沖地震では約57%と高い成果を挙げた。

2011.06.09 記事提供:共同通信社