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ドライマウス対策

食習慣改善し口中に潤い

何らかの原因で唾液(だえき)の分泌力が低下し、口の中が乾くドライマウス。歯科医師を中心に組織する「ドライマウス研究会」によると、口の乾燥に悩む人は、国内に800万人程度とされ、若い女性の間でも増加傾向にあるという。ドライマウス対策について、専門家に話を聞いた。

ドライマウスとは口腔(こうくう)乾燥症ともいう。口の中の不快感が続くだけでなく、唾液の量が減ることで、口の中を清潔に保てなくなる。このため虫歯や歯周病が発生しやすくなり、風邪などにかかりやすくなったりするという。

鶴見大学歯学部教授の斎藤一郎さんは「(因果関係の不明な)口の中の乾きが続いている」「口の中がネバネバする、または不快感が続く」「口臭がある」といった点に思い当たる人は、ドライマウスを疑ったほうがいいと話す。

ドライマウスはいくつかの要因が重なって発症するケースが多いが、斎藤さんによると食習慣やストレスなどが影響していることもあるという。

したがって原因となる病気がないのであれば、症状の改善や予防の基本は「食習慣を見直すこと」(斎藤さん)。よくかめる食べ物を選び、そしゃく回数を増やしてあごの筋肉を鍛え、唾液が出るように促す。ストレスをためないようにするとともに、こまめな水分補給も心がけよう。可能であれば加湿器などを使い、口中の潤いを保ちやすくするのもいいだろう。

サンスターヘルスケア研究開発部の藤沢孝一さんは「糖分の取りすぎに注意が必要だが、唾液の分泌を促すにはガムやアメの活用も効果的」と話す。食べている間は自然と口を閉じるので、口内の乾燥を抑えることもできる。

「歯磨きで口内を清潔に保つことも重要」(藤沢さん)だ。歯磨き粉は虫歯や歯周病予防の効果が高いものを選ぶといい。

ただし、ドライマウスが「生活習慣病のサインの1つになっていることもある」(斎藤さん)ので注意が必要だ。対処法を試しても症状が良くならない場合は、早めに専門医に相談しよう。
(インフィニティ 石田 美穂)


2007.6.2 日本経済新聞