White Family dental-site

 

すくすく育て!元気な歯!

 
-MyTownらぶりぃあさお掲載記事より-
2000年1月1日号

PART13:
今回は、ホワイトファミリー会の堤 一樹先生に健康レポートをお願いしました。


74%の方が、お口のことで困っていると回答

99年3月、川崎市歯科医師会が行った『お口の健康づくりアンケート』の結果が出ました。川崎市内在住の3歳児保護者1085人を対象にして3歳児検診通知にアンケートを同封し、無記名で回収したものです。  定期検診、健康教育、フッ化物の利用を中心に18問あり、回収率は63%となりました。当然、回答者は女性が多く、87%です。74%の方が「お口のことで困っている」と答え、何らかの歯科的問題を抱えていて、「問題なし」と答えた方は21%に過ぎなかったのです。  川崎のこの結果は、日本の平均的結果を表しています。世界的に比較すると45位ぐらいの悪い成績です。タイやシンガポールにも負けて、中南米レベルの歯科衛生にも負ける(?)状況です。  いままで私たちは、何をして来たのでしょうか。バブルマネーで浮かれグルメに走り、糖尿病と、動脈硬化で、高血圧と心臓病に片足を突っ込んだだけでなく、生活の基本、しつけや、家庭の役割を分解してしまったようです。  「定期検診に行ってますか?」に対して72%が「行ってない」と答え、そのうちの38%は「行こうと思わない」と答えています。

 

定期検診は歯科健康予防の要

この定期検診は歯科健康予防の要なのです。世界39位の低い定期検診受診率です。  ハッキリ言って、若い母親たちは親になるまでの間、まともな、健康教育や、環境教育、社会科学を勉強しないで、知識なしに、社会人、親になっているのです。  欧米では、チェックアップクリーニングと言って、90%もの人が6ヶ月毎に歯の痛みではなく、クリーニングの為だけに歯医者に行き、歯をきれいにしています。  最近では、もっと歯を白くきれいにする為に、ホワイトニング、ブリーチングという歯の漂白に6ヶ月毎に通う人も増えつつあります。それは、フェイシャルケアーや、ヘアーケアーにエステサロンに行くのと同じか、それ以上の、その人の内なるケアーに近いもののようです。


治療をしても、もとの歯には戻らない

定期検診に行く時間がない!?

定期検診を受けると虫歯や、歯周病に効果があると97%答えているのに、60%の方は「行く時間がない」、20%が「めんどう」12%が「どこへ行くのかわからない」でした。  二度と買う事が出来ない大切な歯、一度虫歯にして治療を受けても、それは修理でしかないのです。歯に違う材料を接着して、5年10年すれば、外れなくても、どこか接着が弱くなり、そこから中へまた虫歯が進み、外れたときは神経が犯され、根の治療で数ヶ月も治療に通い、今度は全部冠を被せると保険でも1万円近く、金やセラッミクでは保険が効かないので、10万円近くも治療費が必要になる。やがてその冠も同じように接着してあるので、また虫歯になる。

一度虫歯になると5年10年ごとに…

どうです。一度虫歯にすると5年10年ごとに、何回も歯医者で削ったり注射して、詰めたり、被せたり、最後は、歯の根が割れて、抜く事になり、入れ歯で数万円、人工インプラントで数百万円も費用がかかる。

自分の歯なら年間一万円、でも…。

もし?自分の自然歯なら、定期検診を受け、歯の掃除と、ケアー指導と、フッ素を塗るだけで済み、年二回で1万として、(そんなにかかりませんが)、10年でも10万円。  しかも、自分の歯で、食後簡単に手入れ出来、一々はずしたり、接着剤でつけたり、洗浄剤に毎日入れたり、外れたり、取れる心配もなく、がぶりと思いっきり食べれるのです。

あなたのお子さんにはどちらを選びますか?

同じ一回の人生です。あなたやあなたのお子さん、どちらの人生を選びますか?  健康教育について、96%の方が「予防法や知識を身につけることの大切さを感じ」ているにも関わらず、23%の方しか「身についている」と答えていないのです。  知識はどこで身につけるかには、62%が「かかりつけの歯医者」、「パンフがあれば」と93%希望して、勉強会にはたった25%しか「参加する」方はいません。

テニスやゴルフと同じ。
プロに指導してもらい、上達したら再チェック

ここで問題が2つあります。  一つ目は、歯の手入れに関して、日本の歯科医師会やメーカの指導内容が、世界レベルの手入れの内容に10年ぐらい遅れていて、間違った内容が目につくことです。これを鵜呑みにしている歯医者さんや衛生士さんが多くいることは残念ですが、かかりつけ医を選ぶときのポイントです。  2つ目は、ケアーについて軽く考えている方が多く、パンフや説明資料だけでも限られた効果はありますが、自己流で中途半端では、必ずどこかに虫歯が出来たり、歯周病になります。(必ずなりますョ!)  歯は28本きれいに「かみ合うことで」重たい頭を支え、首や背中の筋肉のバランスをとっています。足の爪一本を怪我をしたのと同じで(歩きずらいでしょ)、すぐに治らないので、やがてひざや腰にくるように、1本でも具合の悪いところがあれば、首、背中の筋肉バランスがずれて、おなかの内臓疲労や、頭痛、肩こり、手のしびれ、息切れ、目の疲れ、視力の低下などの神経症状を起こすようになるのです。  ヘアケアーやスキンケアー以上にケアーテクニックをマスターすることが難しく、自分で確認しづらい所ですから、確かな衛生士さんから「6ヶ月毎に指導とチェック」を受けていくことが大切です。そうすれば一年二年と経つ内に自然と身について、義務感で行うのとは違った結果が必ず得られます。  自己流が一番恐いのです。テニスやゴルフと同じです。何回もインストしてもらい、やがて練習の効果が出て、またインストを受ける。これがコツです。  フッ素について、効果があると90%の方が答えながら、使っている方が52%です。しかも、子供に定期的にフッ素塗布をしている方がなんと17%でした。「フッ素を行いたい」が35%、「不明」と「思わない」が13%でした。  日本において、過去にフッ素について、過剰な危険性についての論議が出て、有効性があるにもかかわらず普及が欧米とくらべ遅れています。避妊ピルと同じ状況です。すでに欧米では、虫歯も歯周病もクリアーしてしまいそうです。なんで日本だけこんなに遅れるのでしょう?

正しい知識は自分の手で手に入れて

いま、日本もインターネットの時代になりつつあります。個人が知りたい情報を世界中から瞬時に手にできるのです。みなさんはすでに世界の正しい知識やトレンドを自分の手で手に入れる機会も機械もあるはずです。  健康で楽しい「2000年」をお迎えください。

 


あなたの歯と健康を守る10カ条 −8020(80歳で20本を)達成のための提案−

1) 全身の健康管理に気を配る。

2) 1日30種類以上の食品を、1口30回以上噛む。

3) 野菜や歯ごたえのあるものをできるだけ食べる。

4) 清涼飲料は避け、飲料に砂糖を入れない。

5) 食品は薄味で、インスタント食品は避ける。

6) 食後は必ず口の中の食べカスを除く。

7) 歯の清掃は歯ブラシだけでなく、歯間用の糸ようじや歯間ブラシを使う。

8) 6か月毎に少なくとも3回以上は歯ブラシ指導を受ける。

9) 30歳から定期的に検診と歯石掃除を受ける。

10) 不安を感じたら症状が無くてもまず受診する。

庄司文明(農文協より) 堤一樹、一部改案