心筋梗塞後も食物繊維を
摂取多いと死亡リスク減る




心筋梗塞後も食物繊維を 摂取多いと死亡リスク減る

食物繊維の積極的な摂取は、心臓血管系の病気の予防に良いだけでなく、心筋梗塞を起こした後の死亡リスクを下げる効果も期待できそうだ。

 米ハーバード大などのチームがそんな研究をまとめ、英医学誌BMJに発表した。有用性が見られたのは、シリアルや全粒粉などに含まれる穀物の食物繊維だった。

 心筋梗塞は、心臓に血液を供給する血管が動脈硬化などによって詰まり、心筋の一部が駄目になってしまう病気。医療の進歩で救命率が上がったため、社会復帰する人も増えている。

 発病後は薬による治療が中心になるが、チームは食生活面の指針も重要だと考え、発病予防に良いとされている食物繊維が発病後にも有用かどうか、1976年と86年に始まった米国の二つの大規模研究に登録した男女を追跡して調べた。

 対象は、2008年までに初めて心筋梗塞を起こし、食事内容のデータもある男性1840人、女性2258人。心筋梗塞後の追跡期間は男性が9年、女性は8・7年(いずれも中央値)。期間中に男性451人、女性682人が死亡した。死因には心臓血管系以外の病気なども含まれる。

 食事の内容から食物繊維の摂取量を算出し、最多から最少まで5グループに分けて分析。最少グループの死亡リスクを1とした場合、最多グループのリスクは男性が0・82、女性は0・71と低いことが分かった。男女を合わせた場合のリスクは0・75だった。

 食物繊維の種類による違いがあるかを検討したところ、穀物、野菜、果物のうち、穀物の食物繊維のみ、死亡リスク低下と強い関係があった。

引用:共同通信社 2014年6月24日(火)

2014年6月25日更新