恋人の実家を訪れた愛煙家の青年が、彼女の頑固オヤジがたばこ嫌いと知り、近所の商店で慌てて「ニコチンガム」を購入する――。米国でヒットした映画「ミート・ザ・ペアレント」(3月公開)の一場面だ。

このガムをかむと、口内の粘膜から微量のニコチンが吸収され、禁煙時の禁断症状と口寂しさの療法を緩和させる。徐々に個数を減らせば、約3ヶ月で禁煙できるという。欧米では薬局などで自由に買えるが、日本では、医師の処方がないと買えない「医療用医薬品」だ。

だが、国内でも年内には、映画にも登場した米ファルマシア社の「二コレット」が薬局で市販される見込み。同様の禁煙補助剤で、腕などに貼る「ニコチンパッチ」より禁煙成功率が高いとの調査結果もあるが、肝心なのは本人の意思。安全・確実に禁煙したいなら、最初は医師の指導を受けるべきだ。

注)2001年9月10日より、薬局で市販されています。

(2001.2.17 日本経済新聞)