4月も下旬に入った。それでも、新しい職場やクラスになかなかなじめない人もいるだろう。最近は会社や学校での昼食の時間が苦痛、という若い世代も増えているという。

1人で昼食を取ると、友達がいないと思われる。かといって、断られて恥をかくのが怖いから一緒に食べようと自分からは声をかけられない。そのうち、自分が価値のない人間のように思え、それが耐えられずに会社や学校に行けなくなる。こんな悩みや不安を「ランチメート症候群」と呼んでいる。

こうした悩みを抱えて精神科などを訪れるのは女性、特に、いわゆる難関校の生徒や出身者に多いという。名付け親の町沢静夫立教大教授は、小さいころから塾などに追われ対人関係をつくる力を養う機会が少なかったため、とみる。無理強いは必要ないが、大勢で昼食を楽しめるよう気を配ろう。

(2001.4.21 日本経済新聞)