ダイエット飲料も血糖コントロールを障害して、体重増加を引き起こす

早食い防止:一口30回かんで健康にダイエット炭酸飲料の1日消費量がメタボリックシンドロームと2型糖尿病に関係する 

ダイエット炭酸飲料を毎日飲んでいると、メタボリックシンドロームの一部の構成項目および2型糖尿病の発生リスクが有意に大きくなることが観察研究で判った

Laurie Barclay

【2月11日】ダイエット炭酸飲料を毎日飲んでいると、メタボリックシンドローム(MetSyn)の一部の構成項目と2型糖尿病の発生リスクが有意に大きくなるという観察研究の結果が、『Diabetes Care』1月16日号オンライン速報版に報告された。

「2つの縦断的コホート研究により、ダイエット炭酸飲料の消費量とMetSynの発生率との間には、当初の過脂肪の測定値とは独立して関連性があることがこれまでに示されている」とテキサス大学健康科学センター(ヒューストン)のJennifer A. Nettleton, PhDらが記している。「別々のコホートでダイエット炭酸飲料とMetSynとの関連性の観察結果が再現されたことで、結果の信頼性は高いと考えられ、因果関係の可能性が窺える。これまでの研究では、ダイエット炭酸飲料とMetSynの個々の構成項目や2型糖尿病のリスクとの関連性は調べられておらず、その関係性に影響を与える例えば過脂肪状態の変化といった経時的な修飾因子についてもちゃんと扱われていなかった。」

今回の研究の目的は、『アテローム性動脈硬化多民族研究(Multi-Ethnic Study of Atherosclerosis: MESA)』の一環としてダイエット炭酸飲料の消費量と、MetSynおよびその構成項目そして2型糖尿病の発生リスクとの関連性を評価することである。

2000年から2002年までにかけて1回目の評価を行い、その時に食品摂取頻度質問票でダイエット炭酸飲料の消費量のベースライン値を測定した。追跡評価は2002年から2003年、2004年から2005年、2005年から2007年までの期間で行った。空腹時血糖値が126 mg/dLを超えた場合、2型糖尿病であることの自己申告があった場合、糖尿病薬を使用している場合を2型糖尿病の発生と定義した。MetSynとその構成項目は米国高脂血症治療ガイドラインATP IIIの基準に準拠した。集団特性、生活習慣、食事交絡因子を調整して、2型糖尿病、MetSyn、MetSyn構成項目のハザード比(HR)を算出した。

ダイエット炭酸飲料を毎日摂取する被験者は、ダイエット炭酸飲料を摂取しない被験者に比べて、MetSyn発生の相対リスクが36%大きく(HRは1.36、95%信頼区間[CI]は1.11 - 1.66)、2型糖尿病発生の相対リスクが67%大きかった(HRは1.67、95%CIは1.27 - 2.20)。

MetSynの構成項目のうち、ダイエット炭酸飲料の消費量に前向きに関連していたものは大きい胴囲(男性は102 cm以上、女性は88 cm以上)と高い空腹時血糖値(100 mg/dL以上)のみであった。ダイエット炭酸飲料消費量と2型糖尿病との関連性は、過脂肪のベースライン値およびその変化からは独立していた。それに対して、ダイエット炭酸飲料とMetSynとの関連性はそれらの因子から独立していなかった。

「今回の観察データでは因果関係を確立させることはできないが、ダイエット炭酸飲料を毎日摂取すると、MetSynの一部の構成項目と2型糖尿病の発生リスクが有意に大きくなった」と著者らは記している。

この研究の限界としては、観察研究であるために因果関係の決定ができないこと、その他の食事関連因子や生活習慣/行動関連因子が交絡している可能性があること、ダイエット炭酸飲料や人工甘味料の摂取量の算出が難しいことが挙げられる。

「今回の結果は、『地域におけるアテローム性動脈硬化リスク(ARIC)』研究やフラミンガム研究の所見を支持しており、ダイエット炭酸飲料と2型糖尿病との間により有害性が強い関連性があることを示した」と著者らは結論で述べている。「ダイエット炭酸飲料の消費は、その他の食事や生活習慣とは独立していてもいなくても、体重増加を引き起こし、血糖コントロールを障害し、最終的に糖尿病に至らしめる可能性がある。」

この研究は米国国立心臓肺血液研究所の支援を受けている。著者らの開示情報には、関連する金銭的利害関係はない。

Diabetes Care. Published online January 16, 2009.

Medscape Medical News 2009. (C) 2009 Medscape


2009.2.18 記事提供 Medscape