振付家
香瑠鼓さん

テレビコマーシャルの振り付けをしたり、学習障害(LD)児にダンスを教えたりしているときに、「周囲に元気のエネルギーを振りまいているように見える」とよく言われます。

元気のもとになる「気」のようなものは、音楽に合わせて踊ることによって大きくなる。体の細胞が活性化される時に、元気のエネルギーが充電されるような感じがします。そんな心身を作るために、毎日、欠かさずやっているのが2段階呼吸法です。

第1段階は、骨盤の中央付近にある丹田(たんでん)、胸の中央部、頭がい骨の中央にあるみけんを意識して呼吸する。それも、3点を貫く線が中央から上下に無限に伸びるのを意識しながら、鼻からゆっくり息を吸い、口からゆっくり吐きます。

第2段階は、体の表面、つまり皮膚を意識して呼吸します。頭頂部から足の裏まで、あらゆる皮膚細胞が空気に接触しているのを感じながら、やはり鼻から息を吸い、口から吐きます。

集中して1つずつやります。体の内側と外側を意識して、自分の肉体を自覚し、愛していけばエネルギーは自然に体に宿ります。

朝、窓を開け放ち、新鮮な空気や光をたっぷり浴びながらやると、特に効果があるような気がします。1週間ほど続けてみて、習慣になれば、しめたものです。その日1日、何かいいことがありそうな気分にもなるはずです。     (談)

かおるこ 57年生まれ。
早大在学中にダンサーデビュー。コマーシャルの振り付けや学習障害児へのダンス指導で2000年にエイボン芸術賞受賞。4月7、8日、東京・天王洲アイルでバリアフリーエンターテイメントライブを公演。

(2001.1.6 日本経済新聞)