過活動膀胱(ぼうこう)になると、急にトイレに行きたくなり我慢できなくなる。40歳以上の12%にあたる約810万人の患者がいるとされ、特に女性に多い。年齢のせいとあきらめず、治療すれば症状が改善することもある。

加齢などで排尿筋と呼ぶ膀胱内の筋肉が勝手に収縮してしまうことが原因。主な症状が急に排尿したくなってどうしても我慢できなくなる尿意切迫感だ。人によって頻尿や尿失禁もある。「1日の排尿回数が8回以上で、尿意切迫感が週1回以上ある」(東京都済生会中央病院泌尿器科の中村聡部長)かどうかが、病気かどうかの目安になる。

治療は薬を使って筋肉の収縮を抑える。排尿切迫感を減らし、突然の尿失禁などを防ぐ。のどが渇くなどの副作用が少ない新しい治療薬が6月中にも登場する。アステラス製薬の「ベシケア」と米系ファイザー「デトルシトール」で、両社は4月に製造承認を取得した。

肥満や便秘、水分の取りすぎを解消すれば症状が改善する。また、排尿を我慢する訓練で膀胱にためられる尿の量を増やし、過活動膀胱に慣れる方法もある。


過活動膀胱のきっかけになる原因や病気

加齢(高齢になるほど患者がおおい)
前立腺肥大症
脳梗塞(こうそく)
パーキンソン病


(注)ただし、必ず過活動膀胱になるわけではない


2006.6.4 日本経済新聞