急に足がしびれ、歩けなくなる。こんな症状が続くと脊柱(せきちゅう)狭窄(きょうさく)症の疑いがある。加齢性の病気で放っておくと排尿障害などが起きることも。治療で進行を遅らせたり痛みを和らげたりできる。「年だから」とあきらめず医師の診察を受けたい。

脊柱狭窄症は背骨の穴(脊柱管)が狭くなり、中を通る神経が圧迫される病気。数十メートル歩くと足がしびれ、少し休むとまた歩けるようになるのが特徴。前にかがむと神経の圧迫がやわらぐので楽になる。

だんだん年をとると骨が変形し脊柱管が狭くなる。50代以降で発病することが多く、骨が弱っている高齢女性は圧迫骨折を併発していることもある。

治療法はいくつかある。血流をよくする薬や神経ブロックで痛みを和らげる。まひや排尿障害が出た場合は手術対象になる。

三鷹痛みのクリニック(東京都三鷹市)の比嘉正祐院長は「筋力をつけておけば骨にかかる負担が減り、症状の進行を遅らせることもできる。運動習慣がとても大事」と勧める。


脊柱狭窄症の症状の例

・足のしびれ、痛み
・歩行困難
・背中を後ろにそらすと痛い、前にかがむと楽になる
・腰痛
・転倒しやすい、まひ、排尿困難など


2006.7.30 日本経済新聞