40、50歳大の働き盛りに多いのが虚血性心臓病。心臓に血液を送り込む冠状動脈の動脈硬化によって起きる。例えば胸部が締め付けられるような発作を生じる狭心症は、放置しておくと心筋こうそくを起こす危険性がある。その危険因子と見られているものが5つある。

第一が高血圧。血管の圧力が高くなった分、ポンプの役割を果 たす心臓の負担が大きくなる。第二が高中性脂肪血症。中性脂肪が血管に沈着し、動脈硬化を引き起こす。第三が喫煙。ニコチンが血管を収縮させたり、二酸化炭素の供給を妨げたりするからだ。

残りの2つが、内臓脂肪の蓄積と糖尿病予備軍だ。いずれも動脈硬化を促進する。5つすべてそろえば、心臓病の確立が極めて高くなることから、「死の五重奏」という。5つの危険因子を取り除けば、「健康の五重奏」にもなる。

(2001.1.13日本経済新聞)