日本人の6人に1人が一生の間に一度はかかるといわれる帯状疱疹(ほうしん)。顔や腰の神経痛が1週間ほど続いたあとで、痛みのあった神経に沿って皮膚に赤い発疹(ほっしん)や水ぶくれが帯状にできる病気だ。

原因は水ぼうそうと同じウイルス。神経に潜んでいたウイルスや過労やストレスをきっかけに再び増えて起きる。就職のストレスが増える20代と、免疫力が低下し始める50代で発症する人が多い。

東京慈恵会医科大学の新村眞人名誉教授は「帯状疱疹そのものがひどい症状になることは少ない」という。抗ウイルス剤を5−7日使い、症状の悪化を防ぐ。

厄介なのが発疹が引いた後に残る「帯状疱疹後神経痛」と呼ぶ合併症だ。痛み止めが効きにくく、治療も難しい。ひどいケースだと針を刺されたような激しい痛みに数年悩まされることもある。

合併症を防ぐには早期発見し症状を悪化させないこと。診断は簡単につくため早く病院に行った方がよい。高齢者は水ぼうそうのワクチンによる予防法も選択肢の1つだ。


帯状疱疹の主な症状

・体の一部で片側だけの神経痛が4日〜1週間続く
・神経痛があった部分の皮膚に、真ん中が少しくぼんだような発疹や水ぶくれが帯状にできる
・水ぶくれが破れてかさぶたができる
・2〜3週間ほどで皮膚の症状がおさまる

※痛みだけの段階では診断できないが、皮膚症状があると診断しやすい。
早めに皮膚科の専門医に相談を
2005.4.10 日本経済新聞