高齢糖尿病患者、3割うつ…重いほど合併症多く


高齢糖尿病患者、3割うつ…重いほど合併症多く

 高齢の糖尿病患者の3割にうつ症状があり、症状が重いほど合併症も多い傾向にあるという調査結果を、東京女子医大糖尿病センターの石沢香野かや助教らがまとめた。

 2012年から、外来の糖尿病患者約1万人を追跡調査。同年にアンケートに答えた65歳以上の高齢患者4365人を分析し、患者の30・6%に当たる1334人にうつ症状があった。

 うつ症状がない人、軽症のうつ、中等度以上のうつと3段階に分け、合併症との関連を調べたところ、うつ症状が重い人ほど、視力低下や神経障害によるしびれ・痛み、自律神経障害が多くなる傾向にあった。また、過去1年間の入院回数も多くなっていた。

 調査責任者の内潟安子・糖尿病センター長によると、老化による身体機能の低下と共に、うつが原因で運動量などが減り、血糖の値が悪くなって合併症を起こすパターンと、合併症の影響や不安からうつ症状が出るパターンの双方向からの影響があるとみられる。

提供:読売新聞 2014年7月5日(土)

2014年7月10日更新