心臓の鼓動を生む仕組み解明 不整脈解明に役立つ可能性


世の中も不揃いないろいろ人間が居て、社会を形成していることで、大きな、ダイナイズムが発生して、各種の危機に柔軟に対応できるのと同じ?

心臓の鼓動を生む仕組み解明 不整脈解明に役立つ可能性

 心臓は、どうやって規則正しい鼓動を生み出しているのか。リズム発生の仕組みを、国立循環器病研究センター(大阪府吹田市)などがコンピューターシミュレーションで解明した。不整脈の病態解明や心臓の再生医療実現などに役立つ可能性があるという。

 心臓の鼓動は、心臓の右上部にある「洞結節(どうけっせつ)」という組織が発信源になっている。人間で縦3センチ、横6ミリ、厚さ2ミリ程度とごく小さな組織の細胞一つ一つが電気信号を出し、心臓全体の規則正しいリズムを作る。だが、詳しい仕組みは分かっていなかった。

 国循の稲田慎(しん)・研究情報基盤管理室特任研究員らは、大きさや電気的な性質が微妙に違う洞結節の細胞モデルをコンピューター上に作り、約1千通りの組み合わせで、電気信号の発生と伝わり方を解析した。

 その結果、細胞の性質がそろいすぎていると、電気信号が途中で消えたり、リズムが速すぎたりした。性質が異なる細胞が不均質に並ぶことが、正常な拍動に欠かせないことが分かった。実際の組織でも、さまざまな細胞が複雑に組み合わさっていた。

 稲田さんは「細胞の性質がふぞろいなことで、不整脈のような異常事態に柔軟に対応できる。心臓が簡単には止まらない『安全弁』としての仕組みだと考えられる」と話す。

 研究チームは将来、万能細胞で作った洞結節の機能評価など、心臓の再生医療に使えると考えている。

 24日付の米オンライン科学誌「PLOS ONE」に掲載された。(中村通子)

2014年4月27日 提供:朝日新聞