小児がん3年で約9000件、国立がん研究センター
 

 国立がん研究センターは8月1日、2011年のがん診療連携拠点病院の「院内がん登録」の件数を発表した。2009年から2011年のデータを分析した結果、3年間で20歳未満の小児がんの発症件数は計8902件となり、年間3000件弱の小児がん患者がいることがわかった(資料は、同センターのホームページに掲載)。また、3年間のデータを比べた結果、ガイドラインなどの標準治療の件数が着実に増えていることもわかった。

 今回の集計では、小児がんについて、国際小児がん分類に基づいて集計。最も多かったのは「白血病」で2454件、次いで「脳腫瘍」(2025件)、「リンパ腫」(780件)だった。少なかったのは、「網膜芽腫」(285件)、「神経芽腫」(422件)、「肝腫瘍」(445件)など。同センターのがん対策情報センターがん統計研究部診療実態調査室長の柴田亜希子氏は、「小児がんは日本で年間2500件から3000件と言われてきた。その意味で今回のデータはある程度実態を表しているのではないか」と話している。8902件のうち15歳未満の患者は6222件だった。件数は、重複登録が避けられない仕組みで、実際の件数は「最大15%ほど少ない可能性がある」(同センター)という。

 また、3年間の治療件数も集計。胃癌II期と、大腸癌III期の治療法を分析すると、いずれも「手術のみ」の治療件数が減少し、「手術/内視鏡+薬物」の件数が増えていて、柴田氏は「標準治療の均てん化が進み始めた」と分析している。

2013年8月5日 提供:池田宏之氏(m3.com編集部)