ディオバン使用を中止 東京都済生会中央病院

  


 製薬会社ノバルティスファーマの降圧剤ディオバン(一般名・バルサルタン)を使った臨床研究データに人為的な操作があった問題で、東京都済生会中央病院(港区)は23日までに、ディオバンの使用中止を決めた。

 対象はディオバンに関連する計3種の薬。「次回の処方時より代替の薬に変える」としている。運営する恩賜財団済生会によると、中央病院が単独で決定したという。

 中央病院は、ディオバンが脳卒中や狭心症などの発生を予防するとした効果に疑問が生じていることを受け「(降圧効果のある)同種薬剤が多数存在する中で、あえて処方する理由は少ない」とした。また、このような疑問点のある薬剤を漫然と使うことは「倫理的にも問題」とした。

 一方、降圧剤としての効果と安全性に問題はなく「服用を急に中止することは危険なので絶対にやめて」と患者に呼び掛けた。

 臨床研究にはノ社の社員が身分を隠して参加。京都府立医大は「結論に誤りがあった可能性が高い」との調査結果を公表している。


2013年7月23日 提供:共同通信社