線維筋痛症、独で50人に1人 【米国リウマチ学会】
スペクトル障害の根拠も発見

 

 米国リウマチ学会(ACR)は2月19日、線維筋痛症がドイツで2.1%の有病率を示しており、この疾患がスペクトル障害であるとする研究を紹介した。Arthritis Care & Research誌オンライン版に掲載している。

 線維筋痛症は、易疲労感や睡眠障害、認知障害など複数の身体症状を伴う全身の疼痛を特徴とする筋骨格症候群である。ACRが診断基準を発表しており(2010年改訂)、重症度の判定には広範囲疼痛指標および症状重症度スコア、あるいはこの2者を組み合わせたpolysymptomatic distress(PSD)尺度が用いられる。

 この研究では、2012年のドイツの一般人口から無作為抽出した被験者2445人について、線維筋痛症の有無をACRの診断基準に基づいて調べた。その結果、全体の有病率は2.1%で、男性1.8%、女性2.4%となった。統計学的な有意差はないことが分かった。さらに、患者の約40%が身体症状障害(他の疾患では説明できない症状が起こす機能障害)の診断基準を満たしており、患者の症状に連続性があることからも、線維筋痛症がスペクトル障害であるというエビデンスが得られたとしている。

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Fibromyalgia Prevalence at 2.1% of General German Population


2013年2月28日 提供:米国学会短信