ブラジルで糸こんブーム 「痩せる」と女性客殺到
 

 【リオデジャネイロ共同】肉中心の食生活で肥満や糖尿病が社会問題化しているブラジルで「ダイエットに効く」と、糸こんにゃくや、しらたきがブームになっている。富裕層が多い大都市のサンパウロやリオデジャネイロでは、売り切れが続出しているほどだ。

昨年末にテレビの料理番組で「食べれば痩せる」と紹介されたのがきっかけ。日本からの移民が生産、日本食材店などで販売されており、雑誌や新聞も相次いで取り上げると客が殺到。調理方法が分からないため、スパゲティや焼きそばの麺の代わりに使う人が多い。

リオの日本食材店経営柚木四郎(ゆのき・しろう)さん(64)=静岡県富士宮市出身=は「ブラジル人客が急に買いに来始めて驚いた。99%が女性で、ほとんどが富裕層」と指摘した。

だが日本貿易振興機構(ジェトロ)サンパウロ事務所によると、生産者側は「ブラジル人は熱しやすく冷めやすい」と冷静。一過性のブームで終わる可能性も考え、増産には踏み切っていない。

ブームに乗ろうと3月から糸こんにゃくを取り扱い始めた食品問屋の日系2世ソニア・ウエニシさん(53)は「低カロリーで腹持ちがいいのが魅力。『痩せる』と聞いてみんな飛び付いたが、食べ方が分からなければブームはすぐに静まってしまう」と心配げに話した。

2012年4月10日 提供:共同通信社