放射線の影響「安心」強調  厚労省、数値なく批判も


厚生労働省は7日、福島第1原発事故を受け、妊産婦や乳幼児の母親向けに、放射線の胎児や赤ちゃんへの影響について解説したパンフレットを作成した。

 「心配しすぎる必要はない」といった表現が繰り返されているが、根拠となる数値や事実はほとんど示されておらず、主婦連合会の佐野真理子(さの・まりこ)事務局長は「原発事故の余波が続いているのに『この基準以下なら絶対に安全』と言える人はいない。政府がこんな手引を出すとは信じられない」と批判している。一方、厚労省は「できるだけ分かりやすく伝えるため、難しい表現を避けた」と説明している。

 パンフレットでは「避難指示や屋内退避指示が出ている地域以外の放射線量はわずかな値」「自然界にもともと存在する放射線量より高い数値が雨水から検出されることもあるがいつも通りに対応を」と強調。「お子さんを外で遊ばせることや雨について、心配しすぎる必要はありません」「日本の水道水は、乳児でも安心して飲めるよう、安全を考えて管理されています」などと明記されている。

 4月中旬から、宮城、福島、東京など1都8県で配布。妊婦健診を行う医療機関や幼稚園、保育所のほか、厚労省のホームページからも入手できる

国民を馬鹿扱いして、詳しい説明を避け、安心の根拠を説明しない官僚主義、自分たちだけはその数値を確認して保身しているのか?


2011.04.08 提供:共同通信社