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認知症リスク、喫煙者は2倍 九州大、住民調査で判明



 たばこを吸う高齢者は、吸わない人に比べて、認知症になる危険が2倍に高まる――。福岡県久山町の住民を対象にした九州大学の調査で、こんな結果が出た。喫煙の認知症への影響を示した日本人での研究は珍しいという。福岡市で開かれる日本老年医学会学術集会で14日に発表される。

 研究チームは、1988年に健康診断を受けた65歳以上で認知症がない住民712人(当時の平均年齢72歳)を15年間続けて調査した結果、202人が認知症と診断された。たばこを吸わない、吸っていたがやめた、吸うの3群に分け、認知症になった割合を比べた。

 吸う群は、吸わない群に比べて発症リスクが2倍だった。また、吸っていたがやめた群と、吸わない群ではリスクに差がなかった。チームは、禁煙が認知症の発症リスクを下げる可能性が示されたとみている。

 九州大学の小原知之助教は「喫煙は脳の老化や動脈硬化などを引き起こし、それらが認知症になりやすくしているのではないか」と説明する。(辻外記子)


2014年6月8日(日) 朝日新聞