Lesson364

【神奈川】屋内喫煙規制強化「見送り」…県有識者会議



有識者が疑われる結論だ。


全国で初めて屋内での喫煙を規制した県の「受動喫煙防止条例」の見直しを検討してきた有識者会議は8日、横浜市内で最後の議論を行い、規制強化を見送るべきだとする結論を出した。県は会議で出た少数意見も踏まえ、12月12日の県議会厚生常任委員会に県の方針を報告する。

条例には「3年ごとに見直す」という規定があり、県は施行から3年たった今年4月、大学教授や医療関係者らが委員を務める有識者会議を設置した。県は当初、規制を受ける施設管理者の代表者を参加させなかったが、飲食業界の反発を受けて飲食・旅館業界の団体役員らを加えた。委員は計17人。会議は8月から始まり、4回目の8日が最終日だった。

主な検討項目は、大規模な飲食店や宿泊施設など(第2種施設)に対する規制強化の可否。8日の会議では、旅館の代表者らから「分煙でも成果を得ており、今の取り組みを深めるべきだ」と、現状維持を求める意見が相次いだ。これまでの会議では、「受動喫煙による健康被害は明らかで、禁煙のみにすべきだ」との意見も出ていたが、座長を務める玉巻弘光・東海大教授は「実情を踏まえると、見直しは現実的ではない」と総括した。

会議では、小規模な飲食店や宿泊施設など(特例第2種施設)の規制強化も議論の対象だった。

約50年前から横浜駅近くに店を構える日本料理店「みらく」では、店頭に「喫煙できます」というシールを掲示している。店内には空気清浄機も置いており、入店するかは客の判断に委ねているという。女性店長(67)は「規制強化で排煙設備の設置が義務づけられると、費用がかかって個人で経営する店はやっていけない」と訴えていた。

会議でも、県喫茶飲食生活衛生同業組合の代表者らが同様の考えを示し、議論の方向をリードした。罰則の強化や規制対象の拡大なども検討項目だったが、いずれも見送るとする意見でまとまった。

条例施行に伴い禁煙化した横浜市中区のバー「シーガーディアン2」では、当初の売り上げは2割減ったものの、近年は回復傾向で若者や女性が訪れるようになっているという。チーフバーテンダーの太田圭介さん(41)は「内容をコロコロ変えてお客さんを戸惑わせるより、条例の浸透を図ってほしい」と話していた。


2013年11月9日 提供:読売新聞