Lesson302

「基地で定期散布」 元米兵、詳細に証言



 枯葉剤=ダイオキシンという、猛毒科学物質は、タバコの煙にも含まれ、自然環境では、なかなか分解されず。地中に残る。放射能とおなじくらい危険なのだ。

 「枯れ葉剤のドラム缶を載せたトラックが定期的に来て、敷地内にまいていた」。1970年に沖縄の泡瀬通信施設に勤めた元空軍兵士のジョー・シパラさんは、当時の様子を詳細に証言した。

 オレンジ剤という種類で「55ガロン(約200リットル)の濃緑のドラム缶にオレンジの線がついていた」と話す。米軍は当時、種類ごとにブルー、ホワイトなどと名付け、ドラム缶に同じ色の線を引いており、証言と一致する。
 散布は数週間おき。ディーゼル燃料と混ぜ、運んできた部隊がトラックの上からまいたという。

 同施設側も、トラックが運んできたうちの一部を別のドラム缶に移して保管。シパラさんは噴霧器をかつぎ、2週間から1カ月に1回程度、建物やフェンスの周辺に散布した。ある時、ドラム缶から噴霧器の容器に移す際、脚などにかかった。湿疹ができ、後に枯れ葉剤と関係するとされる心臓疾患や高血糖などになったが、補償は認められていない。

 シパラさんは「ベトナムへの物資の多くが沖縄を経由した。国防総省は沖縄での保管や使用の記録がないとするが、真実ではない」と話す。


2012年8月14日 提供:共同通信社