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喫煙によって日本人男性は毎年8万人、女性は同8千人ががんになっているとの試算を、厚生労働省研究班(班長・津金昌一郎国立がんセンターがん研究予防部長)が大規模調査に基づきまとめ、23日に公表した。

がんは毎年、男性28万人、女性20万人に発生。喫煙が原因のがんは約2割に当たることになり、研究班は「たばこがなければ約9万人は、がんにならずに済む。たばこの影響の大きさがあらためて裏付けられた」としている。

研究班は、40〜69歳の男女9万人を8〜11年間追跡調査。たばこを吸わない人に比べ、男性喫煙者は1.6倍、以前吸っていてやめた男性は1.4倍、女性は喫煙者もやめた人も1.5倍、がんの発生率が高くなっていた。

男性の喫煙者は46%、やめた人は28%、女性ではそれぞれ10%、3%とされ、今回の調査結果を基に日本全体で影響を試算。男性はがんの29%、女性は4%がたばこが原因で発生していると推定した。

今回の試算は、受動喫煙を考慮していない。たばこを吸わない人の一部が受動喫煙の影響によりがんになっているとすると、たばこの影響はもう少し大きくなるのではないかという。

2004.4.24 日本経済新聞