食習慣がもたらす発育不全

タウンニュース麻生区版11月29日号掲載

 最近、子供も大人も「呼吸障害」が顕著になってきました。これは舌や口腔周囲の筋力低下が原因ですが、毎日の食習慣が大きく影響しています。
 呼吸障害は口呼吸が多くなりますが、口呼吸は鼻呼吸と比べ、圧倒的に脳の冷却力が弱く、換気量も少ないことで血中酸素濃度も低下します。脳のオーバーヒートと酸欠は脳の機能障害をもたらし、発育障害に絡む引きこもりや自己中心性、反抗性など、脳のアンバランス(発育障害)が進行していきます。
 幼児期~学童期の食習慣による口呼吸の習慣化は「低位舌」をもたらします。これは舌が伸びたお餅のように前後左右に広がり、下歯列の上に被さり、上下奥歯の間に入りこんだ状態です。舌が奥歯歯列を圧迫し、下顎奥歯が内傾、更に舌の先端は前歯を押しだすことで出っ歯気味となり、噛み合わせの悪化や前歯の乱配列も進行します。
 前述した発育障害は10年以上経過すると可逆性は低下します。これら症状を未然に防ぐ、又は進行を食い止める食習慣や食品選び、食べ方など、意識的な歯科医は検診で積極的にアドバイスなどを行っています。
 気になる方は信頼できる歯科医に相談してみることをお勧めします。


「いのちを守る」歯科医からの提案

タウンニュース麻生区版10月25日号掲載

 お口の「つめもの」「かぶせもの」で使われている『パラジウム合金』。この物質は金属アレルギーを持つ方に影響があるだけでなく身体の免疫に影響し、発がん性を含みます(放射能被ばくも半減期はありません)。
 がんは早期発見であれば外科治療成績は良好に推移します。ある程度発育した状態や、進行がんのステージの場合も術後の転移対策は重要です。
 私たち歯科医は『セルフヘルスケア』の観点から、ご自身の健康状態を調べる唾液検査を提案しています。針を刺す必要もなく、少量の唾液からがん特有の物質を測定し、AIにより「がんリスク」を計算するものです。
 これは遺伝子検査と異なり、今現在の体内で何が起きているかが分かるものです。簡単で身体に優しい唾液検査は必要を感じた時に何度でも、状況に応じて利用できます。今のがんスクリーニングテストは一般的に数%の的中率ですが、この検査法は80%以上の確率で予測できるとされています。
 私たちホワイトファミリーでは歯磨き指導などの口腔ケアと一緒にこの検査を推奨しています。口腔がんや大腸がん、すい臓がんなどのリスクも分かるので、気になる方は検査実施機関に相談してみてはいかがでしょう。


歯ブラシ選びそもそもの間違い

タウンニュース麻生区版9月27日号掲載

 歯ブラシの品質でよく言われるのが『毛先が寝やすいものは歯垢が取れない』、『柔らかく毛先が細いと汚れは落とせない』…、これら“常識”は本当でしょうか?
 毛先が寝にくい硬毛の歯ブラシは、不要な力や圧に気づきません。また歯の湾曲にフィットさせようと力が入り、ストロークも大きくなります。
 この磨き方は、こびりつき汚れを落とそうとする考えです。強い力で起床時と就寝前にゴシゴシ磨きを続ける…これは歯と歯肉に悪影響で知覚過敏や根面露出を招きます。
 お口のケアで大事なのは「歯と歯肉にやさしいツール」を採用すること。そして「タイミングと場所」です。汚れは時間とともに固着し、菌は増殖します。その前にお手入れするのが大事で、食後すぐであれば粘着汚れも弱く簡単に流せます。固着や増殖前に軽く擦って落とすことが可能です。
 そして汚れを落とさなくてはいけないのは食べ物の繊維が残る場所ですよね。歯の表面はうがいで流せるので、考えるべきは歯と歯の隣接面とその奥の隙間です。「隣接面ケア」で活躍してくれるのは何でしょうか?それがフロスです。私たちは歯ブラシ選びと同様にY字フロスの効果的な活用を勧めています。


歯みがきクリームにご注意を!

タウンニュース麻生区版7月26日号掲載

 「歯が白くなる」「歯が強くなる」などなど、市販されている歯みがきクリームの謳い文句は色々あります。最近では炭歯磨き粉も店頭で見かけますが、私たち歯科医からみても「ちょっと歯が削れるよ?」と思います。
 歯みがきのお供として考えると、一番怖いのは『研磨成分』が入っている商品です。多くは研磨剤とはっきり表示せずに、清浄、清掃剤、絡め取るとか、研磨とは謳わないのです。※歯を溶かすリン酸やリンゴ酸の酸成分を含めるものもあります。
 「歯のエナメル質よりも弱い研磨成分だから大丈夫では?」と思われる方でも、毎日繰り返し使い続けるもの、と考えると答えは明らかではないでしょうか?研磨成分を含有する歯みがきクリームを10年間使い続けると歯の表面が磨り減り、歯根も露出してきます。
 一番大切なのは「お口の中を清潔に保つこと」です。それには研磨材歯磨き粉ではなく、細菌の繁殖を防ぐ抗菌剤の入ったものを選ぶこと。基本的に液体の歯磨剤が良いと考えています。
 その次に大切なのがプロの定期チェック。毎日のホームケアでは同じ箇所ばかりを擦りがちです。3ヶ月に1回はクリニックでプロのケアを受けることも大切です。


日本は「お口の後進国」

タウンニュース麻生区版6月28日号掲載

 歯科医師会による意識調査では、約6割の方が歯や口腔に異常を感じているにもかかわらず、歯科で治療中の人は1割強という結果が出ています。また歯科を受診したきっかけは腫れや痛み、出血があった方が6割と、大半の方は具体的な痛みや目に見える現象を実感しない限り、歯科には足が向かないという現実が日本にはまだ残っています。
 『日本のお口の中は後進国』、そのように言われる実情として定期受診の意識の差があります。北米では54~67%の方が歯科に定期的に通っていますが日本の場合は16%と、4倍くらいの差があります。人口に対する歯科医師の数は北米(0・6人/1千人)と日本(同0・7人)はそんなに変わらないのに、北米では歯科医師が過少だともいわれています(日本ではどうでしょうか?)。
 北米では以前から「定期健診」と「ブラッシング指導」の2本柱を推し進めてきた現状があり、このことが日本との意識の差となって表れています。私たちホワイトファミリーが推奨する「フロスの活用」も北米60%に対し、日本は15%…。向こうでは学校や家庭でフロスの指導を行っていますが日本ではどうでしょうか?
 そろそろ身体を大切に思う意識を歯科医療から考える、そんな気持ちを日頃から持ってみませんか?


「食後3分の予防ケア」徹底を!

タウンニュース麻生区版5月31日号掲載

 私たちホワイトファミリーは長年、フロスとビッグヘッド歯ブラシの効果的に活用した「食後すぐ、抗菌液をつけての隣接面予防ケア」をあらゆる方に推奨しています。
 「歯と歯の間に詰まった食べカスは食後というより食中から、粘性のある細菌膜(バイオフィルム)を増長させ、ネバネバゼリー状のプラークに発展します。バイオフィルムが出来始めると、そこには唾液の再石灰化は届きませんし、歯ブラシの毛先も届かない。私たちが呼びかけるのは、食後の大増殖期を迎える前の予防除去。それが『食後3分のフロスケア』です。
 プラークになったゼリー(概ね食後30分の放置で発生)の完全除去は難しく、食後30分で歯周病菌は体内に侵入します!時間が経ってからの除去ケア(何度も磨く・擦る)を繰り返すと10~20年後には歯肉退縮や根面露出を招いてしまいますし、既に身体に侵入した歯周病菌には手遅れですね!
 健康な歯、健康な口腔環境を保つコツは、歯の隣接面に多い隠れ歯周病菌と隠れプラークをいかに効果的に取り除くか。そこから導き出したのが『抗菌液をつけたYホルダフロスで食後3分での予防ケア』です。食後は30分ではなく“3分”、除去ケアより“予防ケア”で綺麗を保ちましょう。その方が短時間で簡単・キレイになります!


Yホルダフロス活用で一歩進んだ「隣接面ケア」

タウンニュース麻生区版4月26日号掲載



 前回“食後すぐ、フロス活用のケア”が隠れ歯周病菌などの除去に最適で、特にYホルダフロスが日本人の骨格に適していることをお伝えしました。そこで今回はYホルダフロスの正しい使い方を話します。
 「食後にブラッシングをしているから大丈夫」という方でも、菌が増殖する歯の隣接面は清潔に保つことができません(しかも磨き過ぎは根面露出の原因にもなります!)。フロスの活用を推奨するのは、他ではなかなか届かない奥歯の隣接面ケアに適しているからです。
 なかでも私たちホワイトファミリーが長年お伝えしているのがYホルダフロスによる『3D・Xアクション』です。これは歯と歯の隣接面を立体的(3D)にとらえ、隣接面を上図【1】〜【4】のように4つに分けてクロス(X)を描くように動かす使い方です。※抗菌液と一緒に、歯周ポケットの奥まで糸をこすり上げてください。
 このようにYホルダフロスを奥歯で立体的に動かす技術ですが、自己流では難しいのでまずは経験豊富な予防歯科などに正しい使い方を尋ねてみて下さい。


なぜYホルダフロスをおすすめするの?

タウンニュース麻生区版3月29日号掲載

 最近はコンビニやドラッグストアでも、嬉しいことにフロスのコーナーが拡充されてきました。
 私たちホワイトファミリーでは、40年前からフロスの重要性をお伝えしてきました。食後すぐのケアで大切なのは、歯面をブラシで磨くのではなく、歯と歯の間を清潔に保つこと(隠れ歯周病菌などの除去)です。
 フロスにも種類はありますが、大切なのは、『いかに奥歯の歯周病好発部位(発生しやすい場所)を的確にケアできるデザインを選ぶか』ということに尽きます。
 骨格を見てみると、私たちアジア系は短頭で、口角が前歯の犬歯辺りで止まる人種です。欧米の長頭系の方のように奥歯の位置まで唇が開くことはありませんので、指に巻くフロスや糸ノコ形状のフロスでは奥歯を正確にケアできません。
 そこでお勧めしたいのが『Yホルダタイプ』で、糸も3ミクロン糸を束ねたものの方が繰り返し使えて耐久性もあり、清掃性も優れています。特にL社のクリニカブランドがお勧めです。
 Yホルダフロスは奥歯で立体的に動かす技術が求められます。自己流では難しいので、若い人は特に『歯間ブラシは歯肉を痛めるので使わないように!』です。


食後3分のフロスが身体を健康にします

タウンニュース麻生区版2月22日号掲載

 先ごろ発表された小分子治療の研究で、慢性歯周病炎の主要な病原体「ジンジパイン」が認知症患者の脳に見受けられるといった内容がありました。私たち歯科医の中では15年以上前から知られていたことですが、先端医療の分野でも研究や裏付けが進んできたことが伺えます。
 口腔内の歯周病菌は歯茎から身体に侵入することでさまざまな健康被害を引き起こします。糖尿病や脳血管障害、動脈硬化などから、認知症まで…、体内での暗躍は大変なものです。
 私たち予防ケアを考える歯科医が重要視するのが歯周病菌を無駄に増やさない(悪さをさせない)こと。ホワイトファミリーで伝えているのが『予防的タイミングケア』の徹底です。これは菌が増殖する前、食後3分のフロス(糸ようじ)ケアであり、歯ブラシや歯間ブラシよりも優先します。寝る前のブラッシングはあくまで除去ケアであって、これは増えたものを取り除く手段となり、このタイミングでは遅いのです。
 『口の中の適切なケアによって健康を永く維持することができる』。私たちはこの考えを広く定着させていきたいと考えています。


2019年、新年の目標として
健康な「笑顔」と「安全」を考えませんか?

タウンニュース麻生区版元旦号掲載



 新年の目標に「白い歯で笑顔の挨拶」、というのはいかがでしょう?
 奥歯の金属をメタルレス修復に移行するのも一つの手段。お口の中の金属は電磁波による異常な電流を身体に流し、発がん性や免疫毒性から、欧米などでは既に使用禁止になっています。
 保険での金属詰め物は数年で接着が崩れる場合も多く、内部腐敗が虫歯や口臭の原因、歯周病を重篤化させ、最終的な歯の破損も危惧されます。
 ホワイトファミリーではメタルレス修復を各種取り揃え(100年耐久の素材もあります!)、超精密仕上げを行います。
 白い歯を実現するもう一つがホワイトニング。昨今では女性だけでなく男性の利用機会も増えています。私たちは10年以上スキルを磨いた専門家が対応し、安心頂ける特別レシピを用意。機能的な葉の清掃や治療を行います。
今年はあなたの笑顔をホワイトスマイルに
 歯並びは重要ですが、色の白さでも印象は変わりますよね。見た目の印象で年も若返ります。白く輝く歯は、若々しく健康的に見えますし、好印象にしてくれるに違いありません。
 一年の計は元旦にあり。新年の目標として、信頼できる歯科衛生士と二人三脚で、『白い歯』にこだわってみませんか?
※定期コラムでは、皆様が抱くお口の不安にお答えします。