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日歯代議員会:「患者申出療養(仮称)容認」に懸念、
「日歯未入会対策」に意見続出

何のメリットがあるから会員になるのか?がはっきりしない。
患者さんに誇れる歯科医師会の会員だから?どこで違いがだせるか?

歯医者になったら当然入会するのではない。



日歯代議員会:「患者申出療養(仮称)容認」に懸念、「日歯未入会対策」に意見続出

 6月19、20の両日の予定で行なわれる日本歯科医師会定時代議員会が、19日初日を迎えた。まず、大久保満男・日歯会長が挨拶し、「安倍内閣の政策・アベノミクスの効果が徐々に出ているが、厳しい状況にある経済状況。為政者としては、財政規律を考えるとまず支出を抑制するのです。年々伸びる医療費などはその抑制の対象になりますが、医療への捉え方を正しく理解してほしい。国民の疾病対応・健康維持などに対する医療行為の結果が医療費なのです。国を支えている国民を守っているのです」とした。そこで次の3点について要旨述べた。

 「@医療は単なる疾病を治すことにだけでなく、専門家として患者に対して責務を持っている治療を行ない、それが医療費になるのでこれを抑制するということは、国民の健康を守れないということ、A規制改革会議で提案された患者申出療養(仮称)の容認の件。選択療養には反対していたが、実施時に安全性、有効性を確保し、国で担保され、将来的に保険収載を目指すという点が盛り込まれえ最低限の担保がされたことで、日医が容認。日歯としても同様な理由から容認という判断をしたということ。

 しかし、一部マスコミ報道にある”混合診療に賛成”ということではなく、患者申出療養の入口において容認ということ、B最近話題になっている認知症患者の徘徊。まさに身元確認が重要になってきている。歯科には身元確認するノウハウがあります。大震災以後の身元確認に歯科的要素の重要性が再認識されていることから、この分野にも歯科が介入してその解決の一助になれないか。詳細はこれからですが、社会から必要とされる問題であり歯科は対応できると思っている」と釈明・説明した。

 続いて、通常国会の会期末(6月22日)を控え、特に参議院では法案審議などで忙しい国会議員は公務多忙を理由に欠席したが、白須賀貴樹・衆院議員、西村まさみ・参院議員、高木幹正・日歯連盟会長がかけつけた。 そのほか、一般会務(村上恵一専務理事)、社会保険関係(堀憲郎常務理事)、地域保健関係(佐藤徹常務理事)の報告、決議事項(第1号〜第5号案)が審議が行われ承認・可決された。

 その後、執行部から「未入会対策」について、執行部内の議論・経緯などの途中経過報告したい旨の提案があり了解された。

 これを受けて担当役員の富野晃・日歯副会長から資料を基に説明が行われた。未入会対策は”古くて新しい課題”で、日歯会員減少傾向が示されることで執行部に危機感が出てきたことで、日歯がどのような対策・方向性を有しているのか代議員に示した形になった。

 まず、冒頭で「会員の高齢化や入会者数の減少収入減のみならず、自由闊達な議論なき脆弱な組織に変貌、マンパワー不足による公益的事業への参画への漸減、組織力低下による外部への発言(信)の低下へとつながりかねない。まさに未入会者の増加は、組織の存亡に関わる重要な課題である」と現状認識を示した。

 各目標として8つの方策を示した。@歯科医師観を知る調査、A総合歯科認定機構(仮称)、B臨床研修歯科医(第6種会員)の入会促進、C歯科大学歯科医師会の設置、D女性歯科医師の入会促進、E男性歯科医師の入会促進、F日本歯科医学会会員への対応、G未入会全国調査について概略の説明がされたが、「日歯会員率は都市部ほど低い」「歯科医師全体における日歯会員率は63.3%。開業歯科医院での日歯会員率は10%アップして75%程度になる」「日歯会員数予測では、現状加入率(男5.6%、女1.6%)の場合、2060年度は26,410人となり、現在の約38%になる」「会費収入でも、平成52年度には資金ショートするというシミュレーションが出ている」を参考・前提として提示した。

 入会促進策の本来の意味は、組織力の強化(大目標)であり、そのための中目標、小目標も示したが、特に小目標の個別対策として、○臨床研修歯科医(第6種会員)の入会促進、○歯科大学歯科医師会の設置、○女性歯科医師の入会促進(女性歯科医師会の創設)、○男性歯科医師の入会促進、○日本歯科医学会会員への対応などを挙げた。同時に、富野副会長は「入会しない理由は、”会費が高い”を予想しているが、客観的な資料がほいいので、アンケートを実施した結果からもこのことが確認できたことで、この問題の対策にあたり会費問題が最も重要と確認された」と強調した。

 一方、代議員からは「自分自身を振り返ると、それほど歯科医師会への意識はなく、入会するものと思っていた。歯科医師になって最初の水(環境)が大きいのではないか。先輩が入会しているので当然と思っていた。しかし、昨今は臨床研修医として診療所・病院に行きます。その担当の歯科医師の方々はどう意識しているか疑問」「都歯は既に歯科大学へ赴き、歯科医師会・入会の意義を説明しているが、今回、第6種会員説明として、日歯は都歯に連絡もなく、都内歯科大学に出かけているが、都歯としては不愉快で合点がいかない。都歯への配慮をした活動をしてほしい」「女性歯科医師の活用は以前から指摘されていた。しかし、各委員会委員を含め日歯役運の女性を確認すると、役員は倉治ななえ常務理事一人。女性委員は全体10%代。どうみても男性社会の組織を表している。地区推薦という仕組みもあるが、もっと工夫が必要」「現在入会している会員に、自由に意見を聞くことが必要ではないか。日歯の批判もOK、不満に思っていることなどを集めた方が、対策を講じる際のヒントを得られるのではないか」など意見が相次いだ。

 そのほか、大久保会長の「患者申出療養(仮称)の容認」発言に関連し、「一応理解できるが、”蟻の一穴”ではないが、それを懸念している。日医と日歯はその会員構成ほか明らかに違う点がある。それまでの選択療養制度には決然と反対していたのが、一転して容認する姿勢に見えるので、本当に大丈夫か懸念がある。ホワイトカラーエクゼプション対象者は年収1000万円としているが、これが800万円と下げてくる不安・懸念を指摘されています。つまり、一度制度として認めると徐々に変わっていく可能性があるので心配している」とする意見も出された。

 改めて大久保日歯会長は、「安倍首相としては、患者の選択幅を広げたいということだと思うが、その情報の量・質はどうなのか。本当に正しい判断になるのか真剣に見極めなくてはならない。まずは、安全性・有効性等に関して、専門家の合議で国において確認する。保険収載に向けて実施計画を作成し、その有害事象、実施状況、結果等について結果を求めると改革会議の提案には記してある。ご指摘の心配されることがないよう注視していくことは当然のことです」と釈明し、代議員の認識と同じであることを強調し理解を求めた。

引用:奥村勝氏

更新日:2014年6月25日