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標準的成人歯科健診・保健指導プログラム(生活歯援プログラム)で
国民の歯科口腔保健の向上を

 「歯科口腔保健の推進に関する法律」(歯科口腔保健法)第6条に、「国民は、歯科口腔保健に関する正しい知識を持ち、生涯にわたって日常生活において自ら歯科疾患の予防に向けた取組を行うとともに、定期的に歯科に係る検診
(健康診査及び健康診断を含む。)を受け、及び必要に応じて歯科保健指導を受けることにより、歯科口腔保健に努めるものとする」と明示されているが、歯科医師はこのような国民を専門職として支援する必要がある。
平成21年に日歯が公表した「標準的成人歯科健診プログラム・保健指導マニュアル」(通称:生活歯援プログラム)は、歯科疾患のスクリーニングとともに、その人の行動や環境のリスクを質問紙で評価し、効果的な保健指導を提供することで、受診者の行動変容を図るためのプログラム。平成17年の「今後の歯科健診のあり方検討会」報告書の提言とモデル事業の成果を基に、関連専門学会や、保険者等関係者の意見を集約して作成された。これまでの間に、受診者の口腔内の改善はもとより、歯科健診の受診率が高まることが確認されている。生活歯援プログラムは日歯ホームページよりダウンロードできるので、ご活用いただきたい。( https://www.jda.or.jp/program/ )
生涯にわたる歯と口腔の健康保持が、健康長寿の源となっていることが疫学調査でも明らかになってきており、保健と医療が連携した取組みが求められている。そのための効果的なツールとして、生活歯援プログラムが健康増進の一環として国の政策に位置付けられていくこととともに、歯科保健医療関係者が広く活用して、国民の歯科口腔保健の向上に寄与していくことが期待される。


2014年2月25日
提供:日本歯科医師会地域保健・産業保健担当理事 深井穫博 氏