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歯肉炎治療で動脈硬化軽減の可能性も 
歯周病、スタチンで改善 【米国心臓学会】

  米国心臓学会(ACC)は、スタチンが歯肉疾患に関連する炎症を抑える効果を持つことを示した研究を紹介した。10月2日付のJournal of the American College of Cardiology に掲載。

 無作為二重盲検法を用いたこの研究は、心疾患または高い心疾患リスクを持つ患者をスタチン治療するに当たり、1日80mg投与群と1日10mg投与群に割付。12週間の治療を行った。治療開始後4週間および12週間でPET/CTを撮影し、治療前の画像と比較した。最終解析まで残った患者59人のうち、高用量スタチン投与群の患者では、治療開始後4週間で歯肉の炎症が有意に軽減したことが分かった。歯肉の炎症の改善は、動脈硬化性疾患の改善に追随して起きていた。

 歯周病と動脈硬化は共に、炎症によって進行する疾患。研究を行ったハーバード大学の研究者は、「今回の結果は歯周病と動脈硬化症との関連を裏付けるものであり、一方の炎症に対する治療が他方の改善につながることを示した」と述べる。また、口腔内の衛生状態を改善して歯肉の炎症を防ぐことで、動脈の炎症を抑えられる可能性もあるとの見方を示し、心疾患および脳卒中患者に対し、歯周病がある場合は主治医に知らせるよう勧めている。

2013年10月15日 提供:米国学会短信