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子どもの受動喫煙、愛煙家の意識低く4割「成長に影響ない」

 喫煙者の4割以上は「親の喫煙は子どもの学習・成長へ影響なし」と思っていることが、医療用医薬品販売業・ファイザー(本社東京)の調査で分かった。また、2割以上が「学習や成長に悪いと思っても、子どもの前で吸う」と回答。受動喫煙に関する喫煙者の意識と行動のずれが、あらためて浮き彫りとなっている。

 同社は「世界禁煙デー」(5月31日)を前に、47都道府県の喫煙者・非喫煙者計9400人(都道府県ごとに男女各100人)を対象に、今年4月にインターネット調査を実施。喫煙者の意識と日常生活の実態などを分析した。

 結果によると、「子どもの学習・成長にたばこが影響すると思う」と回答したのは、非喫煙者86・4%に対して、喫煙者は58・0%と大きな開きがあった。

 また、「他人の子どものすぐ近くで喫煙する」は12・6%にとどまったのに対し、「自身の子どものすぐ近くで喫煙する」は32・2%と伸びた。さらに、「家族のすぐ近くで喫煙する」は40・5%と、喫煙者の4割以上が家族に受動喫煙をさせている実態も明らかになった。

 NPO法人日本禁煙学会の作田学理事長は「親の影響から逃れられない子どもの受動喫煙は大きな問題。親がたばこの煙の影響を正しく理解していない。理解していても相反する行動を取っている状況も問題」と指摘。

 その上で、「米国では受動喫煙で子どものニコチン摂取濃度が高まるほど、読解力や計算力が低下するという研究成果もある。子どもや周囲に与える影響について、正しい理解が進むことが求められている」と、同社を通じてコメントしている。

(松岡秀宜)

2013年10月9日 提供:室蘭民報