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九州歯科大がベトナムに医療チーム派遣

ベトナムやタイ、カンボジアには米国軍がまいた、枯葉剤(ダイオキシン)の作用で、いまだに、奇形児出産は続いていて、160万人以上の奇形児が確認されています。べトちゃん、ドクちゃんの身体が結合した双子の手術が数十年前にニュースになりましたが、彼らも50歳を超えて生きて居ます。ダイオキシンは環境汚染ホルモンとして、分解せず、自然界に蓄積する傾向にあり、低温度燃焼による塩素化合物の酸化過程で発生もします。喫煙による副流煙には10本でWHOの規定値を超えるダイオキシン発生があり、公共社会での全面禁煙が望まれます。


 九州歯科大(福岡県北九州市小倉北区)の冨永和宏教授(55)ら歯科医療チームが昨年12月下旬、生まれつき上あごや上唇が割れている「口唇口蓋裂」に悩む途上国の子供らへの手術ボランティアとして、ベトナム・ベンチェ省を訪問し、手術を行った。

 同大では個人の派遣は10年ほど前からしているが、チームでの派遣は今回が初めて。冨永教授は「患者さんが普通の人生を送る手伝いができればうれしい」と話している。

 日本口唇口蓋裂協会(名古屋市)の医師団に参加する形でベトナムに行った。同協会は、1992年からベトナムやモンゴル、エチオピアなどにボランティアの医師団を派遣しており、これまでに約4000人の患者を治療してきた。今回の派遣には全国の13の病院、大学から約40人が参加し、昨年12月21〜30日の日程で訪問し、生後3か月〜60歳までの約60人を治療した。

 チームは、冨永教授のほか、麻酔科医の渡辺誠之教授(53)、土生(はぶ)学助教(39)、看護師の立花香織理さん(33)で組織。冨永教授は10年から3年連続での参加で、土生助教も3年ぶりに加わった。同省の総合病院の手術室で、12人の手術を行った。

 現地では、右側の眼球やほお骨がない16歳の女性に、傷痕を隠すことができる特殊な眼鏡も贈った。冨永教授は「引っ込み思案な女性だったが、明るい笑顔を見せてくれた」と振り返る。

 土生助教が3年前に治療した女の子がお礼に訪れ、1輪の花を手渡してくれる一幕も。土生助教は「覚えてくれていて、うれしかった」と笑顔を見せる。

 冨永教授は「回復を喜び、頼りにしてくれることにやりがいを感じる。今後も、必要とされることをやっていきたい」と話している。

2013年1月12日 提供:読売新聞