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口腔ケアへの取組等を評価 次期介護報酬改定を答申


 社会保障審議会は1月25日、同日に都内のグランドアーク半蔵門で開催された社会保障審議会の介護給付費分科会の報告を了承し、平成24年度介護報酬改定について小宮山洋子厚労大臣に答申した。介護保険施設の入所者への口腔ケアの取り組みの充実に向けて、「口腔機能維持管理加算」において、歯科衛生士が入所者に直接口腔ケアを実施した場合に評価することなどを盛り込んだ。
 歯科関係では、居宅療養管理指導を医療保険制度との整合性を図る観点から、職種や居住の場所別の評価を見直した。また、居宅介護事業所との連携の促進に向けて、医師、歯科医師、薬剤師及び看護職員が居宅療養管理指導を行った際の、ケアマネジャーへの情報提供を必須化した。歯科医師が行う「居宅療養管理指導費」は現行の月500単位から、同一建物居住者以外の者に行った場合は据え置く一方で、同一建物居住者に行った場合には月450単位の算定となる。
 訪問系サービスとしては、介護予防通所介護及び介護予防通所リハビリテーションにおいて、生活機能の向上に資するサービスを効果的に提供する観点から、選択的サービスである「運動器機能向上サービス」「栄養改善サービス」「口腔機能向上サービス」のうち、複数のプログラムを組み合わせて実施した場合の評価を創設。2種類実施した場合は「選択的サービス複数実施加算I」として月480単位を、3種類全てを実施した場合は「選択的サービス複数実施加算II」として、月700単位を算定する。
 利用者が介護予防通所介護または介護予防通所リハビリテーションの提供を受ける日に必ずいずれかの選択的サービスを実施していることや、1月につき、いずれかの選択的サービスを複数回実施していることが要件となっている。
 口腔機能向上の取り組みとしては、現行の「口腔機能維持管理加算」を「口腔機能維持管理体制加算」に名称変更して、現行同様月30単位の算定とするとともに、介護保険施設の入所者に対する口腔ケアの取り組みを充実する観点から、歯科衛生士が入所者に対して直接口腔ケアを実施した場合を新たに評価。「口腔機能維持管理加算」として月110単位の算定となる。
 「口腔機能維持管理体制加算」の算定要件は、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が介護職員に対する口腔ケアに係る技術的助言及び指導を月1回以上行うことに加え、歯科医師または歯科医師の指示を受けた歯科衛生士の技術的助言及び指導に基づき、入所者または入院患者の口腔ケア・マネジメントに係る計画が作成されていること。「口腔機能維持管理加算」は、歯科医師の指示を受けた歯科衛生士が、入所者に対し、口腔ケアを月4回以上行い、「口腔機能維持管理体制加算」を算定している場合に算定できる。
 経口移行・維持の取組としては、栄養ケア・マネジメントを充実させ、「口から食べること」を支援する観点から、歯科医師との連携や言語聴覚士との連携強化に向けて算定要件を見直した。「経口維持加算」は、現行では、経口維持計画の作成は「医師の指示に基づき」とされているが、「医師または歯科医師の指示に基づき」とした。また、経口維持計画が作成された日から起算して180日を超えて引き続き加算を算定する場合も同様に、「医師または歯科医師の指示に基づき」に見直した。
 

2012年1月31日 提供:(社)新日本歯科医師会