White Family dental-site



10人に1人は先天欠如!!!
永久歯欠損 かみ合わせに異常も
小児歯科学会が初の調査

 28本の永久歯のうち、1〜数本が何らかの原因により作られず、欠損している「先天欠如」の子どもが10人に1人いることが、日本小児歯科学会の初の全国調査で5日、分かった。

 全部が生えそろわないと、かみ合わせの異常など、さまざまな悪影響が出る可能性がある。担当した山崎要一(やまさき・よういち)鹿児島大教授(小児歯科学)は「かなり多い数だ。治療の多くは自費診療が必要な上、治療ができる専門の歯科医師の数も少なく、大きな問題だと考えている」と話している。

 2007〜08年に、先天欠如以外の理由で歯科を受診した12都道府県の7歳以上の子ども1万5544人を調査。先天欠如は1568人(10・1%)で見つかった。男子では9・1%、女子では11・0%だった。

 上顎だけに欠損がある子は2・5%、下顎だけは5・7%、両方は1・9%。下顎で、中央から左右に向かって5本目にある第2小臼歯がないケースが最多で、2本目の側切歯がない子どもも多かった。

 7歳の段階でエックス線写真でも永久歯の芽(歯胚(しはい))が確認されないと、約99%の確率で欠如するとされる。乳歯は普通に生えていることが多い。

 永久歯の先天欠如は原因不明のため、予防はできない。かみ合わせを正常にするため、歯並びを整えたり、インプラント(人工歯根)治療をしたりするなど、かなり専門的な治療が必要になるという。

 山崎教授は「全国に歯科の病院は6万ほどあるが、きちんと対応できるのは数千程度。学会のホームページで紹介する専門医か矯正歯科医に相談してほしい」と話している。

※永久歯の先天欠如

 親知らずを除き、上下14本ずつ、計28本あるべき永久歯もしくは永久歯の芽(歯胚(しはい))が作られず、大人になっても生えてこない状態。永久歯がなく乳歯のまま大人になる人もいるが、かむ力に耐えきれずに割れることもある。一部の先天欠如は遺伝子の異常によるが、大部分は原因不明。1〜2本が欠けるケースが多いが、遺伝が原因の場合は6本以上生えないこともある。歯がないと顎の骨の成長が不十分になったり、関節に負担がかかったりするなどの悪影響が出る。

2011.03.07 記事提供:共同通信社