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リカルデント:乳由来のCPP-ACP、歯の健康維持に効果

◇脱灰抑え、再石灰化を促進

 6月4日は虫歯予防の日。虫歯を防ぐには歯磨きの習慣が欠かせないが、牛乳由来成分の「CPP-ACP」(カゼインホスホペプチド・非結晶リン酸カルシウム複合体)も、歯の健康維持に活用されるようになってきた。日常生活に効果的に取り入れるには、どうすればよいのだろう。

  CPP-ACPはカルシウムとリン酸によって生成された無味無臭の成分で、99年にオーストラリアのメルボルン大で開発された。英語の「re」(再び)と「cal」(カルシウム)、「dent」(歯の)を組み合わせた言葉で「リカルデント」とも言われている。ガムなどに配合されているキシリトールと混同しやすいが、こちらは樹木などに由来する甘味料の一種で、成分は異なる。

  なぜCPP-ACPが虫歯予防に効果的なのか。まず、虫歯ができる仕組みをおさらいしてみたい。

  虫歯は口の中にいるミュータンス菌が食べ残しの糖質を分解して酸を出し、それが歯の表面のエナメル質を溶かすことによって発生する。この状態は「脱灰(だっかい)」と言われる。虫歯といえば、歯の表面に穴が開いて黒く変色した部分を思い浮かべるだろうが、脱灰の初期は白チョークのように白濁しているのが特徴で、「隠れ虫歯」とも言われる。

  歯に脱灰部分ができてしまっても、程度の軽いうちなら自然に治すことができる。人間の体には、口内を中性の状態にすれば、唾液(だえき)に含まれるミネラルが脱灰した部分の歯を修復する機能があるからだ。この機能は「再石灰化」と呼ばれる。口の中では常に<脱灰←→再石灰化>が繰り返されていると言われている。

  CPP-ACPには、この脱灰を抑制する働きがある。加えて再石灰化を促し、ミュータンス菌が出す酸に対する歯の抵抗力を高める効果もあるという。最近ではCPP-ACPを歯に直接塗りこめるペースト状の製品も発売されているが、もっと手軽に摂取したい人には、CPP-ACPを配合した牛乳やガムもおすすめだ。

  また、日野浦歯科医院(東京都中野区)院長で日大客員教授の日野浦光さん(56)は「普段から牛乳を飲む習慣をつけることも、歯の健康維持につながる」と話す。「そもそも牛乳には再石灰化に欠かせないカルシウムやリン、マグネシウムなどのミネラルが含まれており、乳製品を多く食べる国では虫歯が少ないとも言われています」

  虫歯は「なってから」ではなく、ならないための予防が最も重要だと言われている。虫歯になった部分を削って詰め物を入れて治したと思っても、そこが「アリの一穴」となってミュータンス菌がすき間から入り込み、今度は詰め物の内側が虫歯になってしまった--。そんな経験を持つ人は多いだろう。

  「歯を健康に保つには、脱灰した部分が再石灰化されるまでの時間をできるだけ多く作ることが重要だ」と日野浦さん。ダラダラと飲食をしたり、間食ばかりしていると、ミュータンス菌が食べ残しの糖質を分解して酸を出すことが増えるため、虫歯のリスクが高まる。

  日常生活にCPP-ACPを効果的に取り入れるとともに、生活習慣そのものの見直しも欠かせないようだ。

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2010.6.4 記事提供:毎日新聞社