White Family dental-site

 

すくすく育て!元気な歯!

 
-MyTownらぶりぃあさお掲載記事より-
1999年1月1日号

PART11:
リストラの嵐が吹きすさぶ中、私たちの心も身体にも、リストラ(再構築)が必要 でしょう。形のない心、形のある身体、双方の健康についてホワイトファミリーの スタッフの方にお話しをうかがいました。

 
自然豊かな生活の中で豊かな心と体を作ってきた

K)先日アグネスチャンさんの講演会があり、彼女のボランテイア活動での体験談 を聞く機会があった。そのなかで、中国内陸部農村やアフリカ難民キャンプの物質 的には貧しい人々だけど、自分たちの生活に夢と誇りをもって生活している。特に そこの子供たちの未来の可能性を、私たち「豊かな国」の人々が支え、彼等の自立 を助けることができるという話には共感を覚えました。私たちの代理人として活動 してくれているユニセフや国境のない医師団、グリンピース、赤十字などの非営利 団体にもっと多く、私たちひとりひとりが興味を持ち、自分たちの生活を見直して 、同じ時代に生きる彼等の視線を感じる心を持つこと、そしていっしょに未来をつ くっていく気持ちが必要だと思いましたね。

T)日本の子供たちの未来は、健康的に明るく輝いているのだろうか。生まれてき た子供たちが、成長する間に彼等の心に伝承できる、親や家族や社会のしつけやモ ラルの影は薄くなってはいないだろうか、と心配になる。  耐えることや待つことが少ない、物質的に恵まれた日本で育った子供たちの頭の なかには、耐えるということは、もはや「英雄的行為」でしかなくて、日常的には 到底行わないことなのかもしれない。そのいい例が、電波少年という番組の放映し ているヒッチハイクだっだり、懸賞生活だったりするのかも?貧しさや堪えしのぶ ことは、もはや憧れでしかなくなってしまった。

恒常的に健康な心と体を作ること

K)生き物には、自然の摂理にあった食生活や運動などが必要。繰り返されること で、恒常的に健康な心と体を保てる。ただし、ここでいう一定の生活というのは、 あくまでも、自然環境に恵まれた生活のこと。成長期に野山を駆け回り、泥だらけ になり、雨にうたれ、草の間の昆虫を眺め、虫に刺され、霜柱のたつ地面を踏みし め、池の氷を割ったり…。そういう生活の中で時々、甘いお菓子の頂ものをしたり 、こっそり駄菓子を買いに行ったり、横目で大人たちがおいしそうに食べている酒 の肴につばを飲み込むような環境でこどもたちは、大人になることを憧れる。

耐えることは免疫力と似ている

S)野山を駆け回ることで、自然にいろいろなことに触れ、肉体的、精神的にも免 疫力が付く。今のアレルギーの多いこどもたちは、肉体的にアレルギーが多いだけ でなく、精神的にもアレルギーが増えていると思う。こちらの方が厄介でしょう。 肉体的アレルギーだったら、湿疹だったり、発熱だったり目に見える反応があるけ れど、精神的アレルギーはつかみどころがなく、自閉症的だったり、多動的だった り、弁舌だったりして、アナフィラキシーショックのように突発的に予測できない 反応をおこすこともある。

A)わたしたちの生活環境があまりに人工的だから…。いつも暖房と冷房があって 、暑さ寒さは、それほどがまんするほどではないし、食べたいもの欲しいものは、 それほど我慢しなくてもおなかいっぱい手にはいるし。

R)堪えることと免疫力って、なにか、似ていない?

S)そう、ストレスに対する抵抗力だから。そういう力は、生まれつきのものと、 成長期に養われるものとある。毎日の生活の中で甘いものを食べたければ甘いもの を食べ、酒を飲みたくなったら酒を飲み、不健康とわかっていてもたばこをやめら れない。夜中にラーメンが食べたくなったらラーメンを食べ、座りたくなったら、 どこの地べたでも座り、ビニール包装を破くだけで、お手軽にパクパク、ムシャム シャ加工食品を食べる。こういう環境の中で、食べるという尊さ、食べられること の有難さ、食べていくことへの貪欲さなどを、失っ てしまったのではないかしら。

気ままな生活が育む「不健康」

K)一緒の時代に生きている他の人の視線を感じる気持ちがなければ、自己主張ば かりになる。他人との関わり合いのないどこでも好きなことを、好きなだけ、好き な様に行えるという自由さや多様性が、歴史が育んだ価値観やTPOを破壊した。 一世代の愚かな行為が、数世代が積み上げてきた精神的、また社会的な規範を無く し、成長して大人になるという憧れも目標も失わせた。生命力のない、きままな生 活が、不健康を育んでいると思う。

T)それは、肉体的にも精神的にも作用し、蔓延しています。まず、食べたら、食 べ残し、食べたものをかたづけない。ジュースの缶は飲みっぱなし。たばこを吸え ば、吸い殻はポイ。食べ残しをごみにしても平気。必要以上に自分の周りに物を持 つ。そういう行為は、他の人との関わりあいの中で生きていることの自覚のなさ、 自分のしたことの後始末を誰がしているのか考えたことのない世間の狭さ、自分の 同世代のごく一部のチームだとか、クラブだとか、仲間の価値観しか必要としない 。本当の意味での多様性のない人間が増えていると思う。

S)でも、そういう硬直した人達って若者だけでなくて、政治家や偉い人達にも似 ているみたい。

T)自分自身もそういう部分はあると思う。でも、自覚がなく、他の人の考え方や 感性と比較できない『知らぬが仏』的人が多いよね。

T)24時間救急治療をやっていると夜中に痛くなって電話してきたり、歯がとれた り、怪我をしたり…。こういう人達というのは、普段は一番歯医者さんと遠いとこ ろにいることが圧倒的に多い。健康という言葉を実践する余裕のない方達が、本当 はこの日本の大多数であって、健康に関する知識も目先の楽しみのために興味がな く、いつのまにか、30を迎えて、人からは見えない口の中は、知識不足とケアー不 足で、60才、70才の様にボロボロで、歯なし同然状態。当然、その子供や家族も菌 が感染して、同じような口の中になるのです。

タバコはダイオキシンの発生源なのに

T)たばこの問題だって、とても対応が遅れている。シンガポールの方が進んでい るくらいです。1日に10本たばこを吸えば、WHOが規定している猛毒ダイオキシ ンの1日許容量を越えてしまうことを厚生省の内部資料で出ているにも関わらず、 マスコミは、取り上げようともしないんだから。

K)早川書房のタバコウオーズという本を読むと、たばこ産業がいかにして世の中 をだましてきたか判って、たばこ好きな方でもたばこをやめたくなると思 う。

T)ダイオキシンを含むたばこの煙なんか吸いたくもない。レストランや居酒屋な ど食べ物を食べるところや屋内公共的なところは、カリフォルニアみたいに法律で 完全禁煙にすべきだよ。

K)死亡率のなかで段突に多いのは血管の病気です。いわゆる血流障害、心筋梗塞 脳梗塞、肺梗塞、脳卒中、脳内出血、動脈りゅう破裂。これらの血管病を促進させ るのが、たばこです。そしてダイオキシンによっておそらく孫の代に精神的、身体 的奇形が多発するかもしれないのです。

口の中にその人の生活が現れる

F)治療していても普段の生活で健康予防を実践していない人達の口の中を見てい ると、ためいきがでてしまう。

S)口の中を不潔にしていると虫歯や歯周炎だけでなくて、慢性胃炎や胃ガンの原 因のピロリ菌だって口の中で増えちゃう。

K)歯科で口の中を見ていると、外見からわからない、その人の生活や人生感まで 見えるような気がします。


あなたの歯と健康を守る10カ条 −8020(80歳で20本を)達成のための提案−

1) 全身の健康管理に気を配る。

2) 1日30種類以上の食品を、1口30回以上噛む。

3) 野菜や歯ごたえのあるものをできるだけ食べる。

4) 清涼飲料は避け、飲料に砂糖を入れない。

5) 食品は薄味で、インスタント食品は避ける。

6) 食後は必ず口の中の食べカスを除く。

7) 歯の清掃は歯ブラシだけでなく、歯間用の糸ようじや歯間ブラシを使う。

8) 6か月毎に少なくとも3回以上は歯ブラシ指導を受ける。

9) 30歳から定期的に検診と歯石掃除を受ける。

10) 不安を感じたら症状が無くてもまず受診する。

庄司文明(農文協より) 堤一樹、一部改案