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「マイタウン多摩山手・あさおたま」掲載記事より。

2011.12月8日号 マイタウンCUBE掲載
保存修復治療の耐久性って何年? (12)

金属やセラミックの修復物は、厚さや形状により耐久性が違います。

特に歯科用貴金属の合金のため柔らかく、変形やつぶれが起きます。保険適用される多くの接着セメント材は接着耐久性が弱く、2年経つと変形した金属と歯の聞の接着材ははがれています。

数年後には接着境の隙間内部でエナメル質の脱灰が進行し内部虫歯が始まったり、エナメル質に細かなヒビが成長して歯が割れたりします。クラウンという被せた修復物は一見そういう状態lはま起きないので耐久性は10年以上はあります。

しかし保険修復の場合、多くは精度が粗く、接着面のセメント境界の隙間は50ミクロン近くあり、フロスが引っかかるフロスフックとなって、10年後にはポケット内部に歯周病菌が増加し歯周病が加速したり、根面虫歯になります。そういう段差は在ってはならないのですが、保険修復や慣れない自費材料での修復には在ります。

 
2011.11月10日号 マイタウンCUBE掲載
保存修復治療の耐久性って何年? (11)

歯の耐久性向上には、食後の歯の脱灰を予防するタイミンクが大切で、早めの隣接面ケアをフ口スメインで行うことです。

奥歯から犬歯までの隣接面が大切で、酸成分の多い食材は口の中でその昧を楽しまない方が良いでしょう。ストローを使うものや歯で噛みしめるグミゼリーやガムなどで酸っぱい昧のものは要注意です。

気持ちのリラックスを心がけ、あくせくと時間に追われた生活をせず、くよくよと後悔するより反省して明日に期待する前向きな心持ちで、唾液の分泌が少なくならないよう心身状態をコントロールしましょう。人生は長くなっています。40歳頃から多い歯の障害は、毎日の少しの違いで予防できます。

白くする研磨剤入りのクリーム状ハミガキを避け、酸蝕研磨で歯が減らないよう、クリニックで定期健診指導を受け、歯にやさしく、歯を強くするオーラルケアを身に付けてください。

 
2011.10月13日号 マイタウンCUBE掲載
保存修復治療の耐久性って何年? (10)

若い歯はエナメル質も象牙質も弾力がありしなやかですが、成長期を過ぎたり、虫歯治療をした歯は、歯髄から栄養が来ているゴム状象牙質の裏打ちが弱くなり、ガラス状エナメル質はひび割れてきます。

立体画像CTで精細に歯や顎骨の石灰化量を測ると、歯の隣接接触点周囲や隣接面根面ポケット内部位のミネラルが消失し脱灰状態であることが分かります。

初期虫歯と言える脱灰は、まだ歯面の構造が崩れていないので齲窩(うか)という穴はなく、毎食後すぐのお手入れでプラーク除去を行うと唾液に触れて再石灰化され、ホームケアで治せます。

しかしこの脱灰が隣接面接触点付近にあることは普通は気づかないので、咬合面インレ一修復の場合、修復辺縁の咬合面工ナメル質の脱灰部分の弱い構造の為、簡単にひび割れて中の神経にタメージを及ぼす内部虫歯になります。

インレー修復は耐久性が無くお薦めしません。脱灰を起こさないためには、早めの食後ケアが重要です。

 
2011.9月15日号 マイタウンCUBE掲載
保存修復治療って、耐久性って何年? (9)

歯を削るときにマイクロスコープで40倍以上に拡大観察すると、削った面は細かいひび割れの連続です。短時間に早く削ろうと力を掛けたり、強く押し付ければ更にひび割れは大きくなります。

歯を削るときはこまやかな力とゆったり削るバーの当て方と、細研磨用の超細粒ダイヤモンドバーを使ったマイクロスコープでの調整仕上げが、セット後の耐久性を決定します。

ばい菌バイオフィルムの付着が少ないスムースでフロスフックの無い、縁のツルツルな面移行が必要になります。

年齢の若い方でカルシウムの少ない歯は粘土質で、ひび割れの起き方も小さく、マイクロクラックという顕微鏡で見て判る程度の細かいひびは少ないのですが、逆に硬い歯や神経を取った歯、30歳を超えた方の歯はもろくクラックも目立つので、さらに注意深くマイクロスコープで観察形成する必要があります。

歯の性状や形成法でも耐久性は変わります。

 
2011.8月11日号 マイタウンCUBE掲載
保存修復治療って、耐久性って何年? (8)

奥歯を治す場合、咬み合せ面・隣接面のみを詰めて治すと、金属と歯質の境は咬合圧によって細かいヒビや接着剤が溶出し、隙間で虫歯が始まり、耐久性は10年前後です。

若い歯は柔軟性がありますが、35歳以上の方は歯は硬くもろくなり割れやすいガラスのようです。30年以上使える修復を希望するなら、奥歯をインレーで修復するのは避けた方が安全かもしれません。

全体を均等に包んだフルクラウンなら自然歯のエナメル質と同じ構造で20年以上安定しています。

また、金属は免疫・神経毒性があり、特にパラジウム、クロムの保険金属の他、銅、亜鉛など金属によっては、20年後の発ガン性やアレルギー発症が指摘され、口中で金属イオンを出し続けるので、放射能の体内被曝と同じか、半減期もなく排泄もなくもっと悪いかもしれません。

昭和20年代のマッカーサー統治時代に決められた金属の非安全性はすでに証明されているにも関わらず、放置され続けています。自己防衛しかありません。

 
2011.7月14日号 マイタウンCUBE掲載
保存修復治療って、耐久性って何年? (7)

歯科用レントゲン装置のCT、立体像で歯列や歯根面・歯面を観察し、インプラント手術用シム固定装置を作るデータまで作成する撮影装置で観察すると虫歯や歯周病になりやすい歯の部位歯列の場所が解ります。

傾向としては歯間部隣接面とその隣接根面を主な部分とした犬歯の奥側面から、特に小臼歯、大臼歯の6番7番の間がなりやすいです。

20代前半のうちに、かつ埋伏状の短根の間に、早めに8番親知らずを抜いていれば7番の裏奥面は安全ですが、30代まで親知らずを抜かないと、この7番8番の間も歯周病菌・虫歯菌の隠れ場所になります。

10〜20年後、歯の表面からのカルシウム離脱による脱灰部分が成長して見えない部分の虫歯とそれに伴う歯周病菌群増加で40代には口の中の発病だけでなく身体全身での動脈硬化、糖尿、高血圧、中性脂肪やコレステロール値、血栓増加などの隠れ生活習慣病も進行します。効果的な歯科指導を受けることで予防しましょう。

 
2011.6月09日号 マイタウンCUBE創刊号掲載
保存修復治療って、耐久性って何年? (6)

咬み合わせ面の溝の小さい虫歯は、コンポジット充填材で歯の色に合わせて小さく治せます。小さい虫歯なら小さく細くエナメル質の表層に留まる場合、接着安定もあり10年以上耐久性もあり、毎年チェック受け、境が見えて来たら詰め換えましょう。

虫歯が深くエナメル質を通過している場合は、エナメル質耐久性が落ちているので、詰めて治すのでは耐久性は10年無い場合が増えます。

詰める修復の場合、咬合面虫歯だけでなく歯の接触点のカルシウムが抜けていく脱灰があるとさらにエナメル質が割れやすく、咬合圧による変形により10年で修復物の脱離や接着崩壊による内部の二次虫歯で神経治療になる可能性が高まります。

5〜12歳の永久歯交換時期にフロスによる隣接面ケアを毎日2回以上やる習慣を付け、特に食後と就寝時間の増殖タイムにばい菌を増やし、プラークにしないよう食後3分と寝る前のジャストフロスケアが大切です。

 
2011.5月12日号 マイタウン多摩山手掲載
保存修復治療って、耐久性って何年? (5)

神経を取るような虫歯になってから歯科医院に通うのは危険です。

一度割れたカップは二度と元に戻りません。接着剤で付けても耐久性は10年程度です。神経を取り死んだ歯は枯れ枝と同じで栄養が来ず、枯れてヒビが入るため、後に簡単に割れます。

虫歯になり削った歯は表面のエナメル質も中の象牙質も変質してくるので、治療の耐久性を30年以上保たせるには、その30年後の状態を予測して予防的形態に削ったり、修復材料で補強しながら、弱い咬合圧でも数十万回繰り返す結果を出せる材料に応じた削り方が重要です。  

日本の歯科大学では、保険治療に準じた削り方、材料選択を主に学び、自費治療分野の勉強は少なく、最新の治療法は卒業後の研究会、学会参加、海外セミナーで身につけます。耐久性を考慮した最新の審美や歯科治療は実際に経験を積んで、熟練しないと良い結果は難しいのです。

 
2011.2月24日号 マイタウン多摩山手掲載
保存修復治療って、耐久性って何年? (4)

よく噛めて耐久性のある治療を受けるには自由診療を選択するしかないのでしょうか?

マイクロスコープを覗く精密な顕微鏡歯科処置は、時間が掛かり保険外治療となります。一度顕微の世界で診ると肉眼での大ざっぱな保険治療はやりたくないと感じます。小さな虫歯は小さく治す事が基本だと思っているドクターは多く、MI治療として歯科大学で学びます。

しかし、エナメル質という歯の表面のガラス膜は卵の殻のように連続でカバーすることで強度があるため、小さい虫歯の部分だけ詰める修復は、その穴に詰め物をするのと同じ、強度は半減します。

接着剤の効いている数年は保ちますが、その後は詰まっているだけで周囲にヒビができ、10年くらいで割れたり取れたり、内部の虫歯が進行し、神経治療が必要となり手間と治療費が掛かるのです。二度と同じ治療を受けない工夫が必要です。

 
2011.1月27日号 マイタウン多摩山手掲載
保存修復治療って、耐久性って何年?(3)

保険診療と自由診療、治療費が大きく違う要素は「治療で使う材料が違う」、この要素は30%くらいで、技術や術式への評価が大きく、10の2乗以上も精度が違えば治療時間・耐久性も数倍長くなり、当然コストも違って来ます。

「保険治療で、2年保証」で良いなら保険治療を選ぶ場合もありですが、 「保険治療で、2年しか保証しない」そういう規定で材料や製作工程が収束しています。最新の技術研修するプロとして悲しいことです。

発がん性やアレルギーが疑われ確認された成分を含んでいるにもかかわらず、国は保険診療の材料としてそれを認可しています。充分に安全で耐久性のある最新の材料術式を選ぶ場合には、自由診療を全額負担するしかないのです。

唾液に溶けていく接着剤、健康に害を与える成分を含んだ硬すぎる金属、耐久性のない修復材料など、保険診療の材料の問題点は多い。