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最新の社会情勢レポート!!

社会情勢レポート記事区切り

すでに医療後進国の日本。
医療費財源不足で、コスト低減策を続けてきた、結果、
技術も、システムも、医薬品、機材も古臭くなっている。

 「医療後進国」になるな…読売新聞社提言

すでに、歯科では、30年ちかい遅れがある。
日本の保険医療制度の、疲弊はかなり進んでいる。


 ◆医療を成長のエンジンに
 医薬品と医療機器の競争力を高めよ

 ◆優れた研究成果を生かせ

 医工連携で技術革新を

 ◆安全安心の日本ブランドを

 高度技術で海外に打って出よう

 ◆産業化で地域医療を元気に
 情報通信技術や特区を活用

 ◆国民皆保険を堅持しよう
 混合診療の拡大で新技術を促進

 日本の医療には確実に危機が忍び寄っている。地域や診療科による医師の不足や偏在は深刻化したままで、急増する救急患者への対策も不十分だ。公的医療保険制度は財源不足で持続への黄信号がともっている。基礎研究の成果は医療の現場に生かされず、国民は、高い水準を誇る研究の果実を享受しきれていない。日本の医薬品と医療機器は国際競争力に乏しく、約3兆円もの貿易赤字で成長の足かせとなっている。安心で良質な医療を再構築するには何が必要か。読売新聞社は医療改革に関する5項目の提言をまとめた。医療の国際競争力を高めて成長エンジンとし、優れた研究成果を医療現場につなげるよう求めている。

 読売新聞社は、編集局や論説委員会などの専門記者による「医療改革研究会」で、外部有識者との意見交換を通じて医療の改革について検討してきた。医療に関する提言は、「医療は公共財」との視点から、信頼できる医療体制の確立を目指した2008年10月の提言に続くものだ。

 日本の2010年度の医療費は37兆円に達した。高齢化や技術の進歩に伴う医療費の高額化で25年度には62兆円に膨れあがるという。地域医療の疲弊も、突き詰めれば財源不足に行き当たる。資金面での基盤強化は不可欠だ。

 国民皆保険など優れた医療保険制度は維持すべきだ。ただ、保険料引き上げだけで対応するのは難しい。保険医療のこれ以上の水準切り下げも望ましくない。

 国民皆保険を断固守るには、危機感を持って取り組む必要がある。医療を周辺の医薬品、医療機器、健康産業などを含めて「基幹産業」と位置づけ、産業化を進めるべきだ。一部に競争原理を導入するなどして、効率化を図り、制度維持に民間資金を活用することも考えたい。対応を急がなければ、高い技術を持ちながら、国民がその恩恵を受けられない“医療後進国”になりかねない。

 医療や周辺産業の競争力を強めることが肝要だ。医薬品や医療機器の貿易赤字は年々拡大し、11年は2・9兆円に上る。国民が払う税金や保険料が国外に流出しているともいえる。

 医薬品や医療機器が承認されるまでの時間が長い。企業の開発意欲をそいでいる不合理な審査は見直すべきだ。その場合、公正・透明なルールの下、安全性を確保するのは当然だ。外国と比べて高い法人税実効税率の引き下げや研究開発減税の拡大で国内投資を促し、産業の空洞化を食い止めなければならない。

 医療・福祉分野の就業者数は約730万人で、基幹産業の自動車関連(約545万人)を大きく上回る。医療分野が成長産業になれば雇用や消費拡大を通じ、経済の活性化にもつながる。

 ◆特区拡大し技術集積

 iPS細胞(人工多能性幹細胞)研究が昨年、ノーベル賞を受けた。こうした優れた研究成果を基礎研究で終わらせず、臨床への応用や製品化に生かし、国民医療の向上につなげたい。現在は研究成果や、それに伴う特許料などは、多くが海外に流れている。流出を防ぐためにも、第二の「iPS」ともいうべき画期的な研究成果を見つけ、国内で育てるべきだ。

 米国では新興企業が集まる医療産業集積地が研究開発の一大拠点となっている。日本にはそれがなく、研究開発の遅れの一因となっている。本格的な医療産業集積地を特区の拡大などで促し、人材や資金、情報を集中させるべきだ。研究費の戦略的な予算配分も欠かせない。縦割りを排する政府の体制整備も急ぐべきだ。

 日本企業には優れた「ものづくり力」がある。医師や研究者、企業による「医工連携」を進めることで、卓越した成果を生む、医療イノベーション(技術革新)が期待できる。高齢化が進む日本には優れた「日本式医療」システムもある。官民一体で海外展開し、新興国を中心に売り込むべきだ。医薬品、医療機器などの市場開拓にも結びつく。

 産業化による医療の底上げや関連産業の振興は、地域医療の充実や経済の活性化、雇用確保につながる。また「いざという時に十分な医療・介護が受けられる」という安心感は国内各地域の活力維持に欠かせない。米国では複数の病院によるネットワークが地域医療を支える。日本も情報通信技術などを活用し、医療機関の連携を強めるべきだ。

 環太平洋経済連携協定(TPP)で、日本の医療制度は交渉の議題にはならない見通しだ。ただ将来、保険外診療の拡大などで国民皆保険が影響を受けないようにするため、産業化に加えて、制度の見直しが大事だ。

 公的保険を適用する治療法、薬剤については、費用対効果を適正に評価する改革を進め、適用範囲の見直しも必要だ。iPS細胞などへの混合診療の拡大も、早期に実現すべきだ。

2013年5月8日 提供:読売新聞


社会情勢レポート記事区切り

感染症:横浜でカラス20羽死ぬ 鳥インフル検出せず

 横浜市中区の繁華街で30日朝、カラスが死んでいるのが相次いで見つかった。死骸は計20羽に上り、市によると鳥インフルエンザの簡易検査でウイルスは検出されなかった。神奈川県警は毒物検査をして、死因を調べている。

 県警によると午前7時55分ごろ、加賀町署に「カラスが死んでいる」という内容の通報があった。署員が調べたところ、半径約350メートルの範囲で計20羽が死んでいた。いずれも外傷はなかった。

 死骸は路上やビルの屋上に点在し、数羽集まって死んでいるケースもあった。ハトの死骸も見つかった。

 現場はJR関内駅近くで、飲食店やオフィス、マンションなどが立ち並ぶ一角。一帯には規制線が張られ、会社員らが見守る中、署員らが死骸をポリ袋に入れて回収。近くの道路は一時渋滞する騒ぎとなり、近所の女性は「何があったのか」と驚いた様子だった。

2013年5月1日 提供:共同通信社



鳥インフルに強まる警戒 香港、新型肺炎の教訓薄れ 〈エッセー「街角アジア」〉

2003年にアジアを襲った新型肺炎(SARS)の流行から今年で10年目。299人が犠牲になった香港では、流行を境に公衆衛生の意識が大きく変わったといわれる。それまでは珍しかった手のアルコール消毒やマスクの着用が一般的になった。公衆トイレはきれいに掃除され、大声でつばを飛ばしながら話す人も減ったように思う。

公共の場所でたんを吐いたり、ごみをポイ捨てしたりすることへの罰金も1500香港ドル(約1万9千円)と従来の2・5倍に引き上げられた。

だが、SARSの流行当時は徹底していた手洗いやうがいの習慣は薄れつつあるようだ。若い世代ではトイレの後に手を洗わない人が少なくないと聞く。世論調査機関の香港大学民意研究計画が2月上旬に実施した市民の意識調査によると、65%が「流行当時に比べて衛生意識が薄らいでいる」と回答している。

折しも今、中国で鳥インフルエンザ(H7N9型)がまん延し、香港も警戒を強めている。しかし、感染地域がじわじわと広がる現状を前に、感染症の専門家は「香港でも感染者が出るのは時間の問題」とみる。

そもそもSARSの大流行は、香港を訪れた中国人医師がホテルでほかの宿泊者に感染させたのが始まりだ。世界有数の過密都市で、昨年は世界から4800万人以上、うち中国からは約3500万人もの旅行者が訪れた。水際で防ぐには限界がある。

今の香港にできることは、SARSの教訓をいま一度呼び覚まし、生かすことだろう。政府も早速、住宅街などに職員や議員らを派遣し、「街の清潔を保とう」と呼びかける活動を始めている。(NNA香港=安部田和宏)

2013年5月1日 提供:共同通信社



市場で感染の可能性 鳥インフルで国際機関


【上海共同】国際獣疫事務局(OIE)と中国農業省は30日までに、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の現地調査を合同で実施、ウイルスが鳥の飼育場ではなく食材市場で人に感染した可能性が高いとする結果を発表した。

同型ウイルスの感染者は30日も福建省で1人増え、全体で死者24人を含む計128人となった。中国本土の2市8省と台湾で感染者が判明している。

調査チームは獣医学などの専門家で構成し、4月25日から上海市などを訪問して食用の生きた鳥を扱う市場などを調査。現時点で飼育場やそこで働く人などからはウイルスが検出されておらず「人に感染する危険性は主に市場にある」と強調した。

ただ、感染ルートは解明されていないため、飼育場も含めた監視を強めるべきだと提言している。

米医学誌に掲載された中国疾病予防コントロールセンターの論文も、市場と感染者とのつながりを指摘。調査した77人の感染者のうち77%が、市場で働いたり訪れたりして、ニワトリやアヒルなどの動物に触れていた。

政府系研究機関の中国工程院の研究者も、浙江省で判明した感染者について、市場で売られていた生きた鳥から感染したことを、遺伝子分析で確認している。

中国には、生きた鳥を売る市場が多数ある。上海市などの地方政府は、感染の広がりを阻止するため、既に市場を閉鎖している。

2013年5月1日 提供:共同通信社



鳥インフル、家禽からヒトへ感染


文献:Chen Y et al.Human infections with the emerging avian influenza A H7N9 virus from wet market poultry: clinical analysis and characterisation of viral genome.The Lancet, Early Online Publication, 25 April 2013.
中国で、鳥インフルエンザA(H7N9)ウイルス感染者4人を対象に、臨床的解析とウイルスのゲノム解析を実施。全員が発症3-8日前に家禽との接触があった。抗菌薬不応の肺炎や肝/腎機能障害などが見られ、2人が死亡した。患者からの分離株は疫学的関連のある市場の鶏からの分離株と非常に類似し、家禽からヒトへの異種間伝播が示唆された。

原文(Lancet)を読む

2013年5月1日 提供:Lancet


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緑地喫煙所 福岡市、25日に廃止
受動喫煙防止と市民からの苦情で 近くに新喫煙所設置

副流煙がダイオキシン環境汚染だという、認識がないね、先日博多に滞在したとき、信号待ちなどの車の窓からタバコ吸いながら運転して、そのまま、窓の外へ、灰を捨てる。てめえ〜の、灰皿は使わんばい!!!!
と怒鳴りたくなった。まだまだ、公共という認識は薄し。
暴飲暴食、喫煙にアルコール、と、やりたい放題で、メタボ、揚句に、寝たきりになった人の保険代まで、面倒見たくはない。
アメリカ人が国民皆保険を嫌がる理由がわかる。


緑地喫煙所:福岡市、25日に廃止 受動喫煙防止と市民からの苦情で 近くに新喫煙所設置 /福岡

 福岡市は市役所北側緑地喫煙所を25日に廃止する。市民の受動喫煙を防ぐための措置。市担当者は「においなどの苦情があった。北別館近くに喫煙所を設けたので利用して」と話している。

 北側緑地には歩きたばこ防止のため、小さな喫煙所が設けられていたが、いつの間にか近くのベンチに座るなど範囲が広がっていった。市には「歩道を通ると臭い。夏に木陰で休みたくても休めない」などと苦情が寄せられていた。

 新喫煙所は北別館西側の約10平方メートルで、日本たばこ産業(JT)が灰皿など無料で提供した。【下原知広】

〔福岡都市圏版〕


2013年4月23日 提供:毎日新聞社

社会情勢レポート記事区切り

まさかのトコジラミ被害 海外から持ち込まれ急増

 刺されるとかゆくなるトコジラミ。かつてナンキンムシと呼ばれ、戦前から終戦直後にかけて多くの人が被害に遭った。高度経済成長期以降、駆除が進み、被害はほとんどなくなっていたが、近年、海外から持ち込まれ、被害が再び広がっている。

 「まるで悪夢。二度と体験したくありません」。東京の一戸建てに住む主婦(60)は、トコジラミに悩まされた日々を思い出す。

 気付いたのは5年前。就職したばかりの息子が、トコジラミに足や首を何か所も刺され、肌をかきむしって真っ赤に腫らした。ダニに刺されたと思い、市販の殺虫剤を息子の部屋に散布したが効果がなく、そのうち主婦も刺されるように。

 ある日、購読していた英字紙に、米国のトコジラミ被害を伝える記事があり、虫の写真を見て「これだ」と気付いた。2年前に駆除業者に薬剤を散布してもらい、寝具などを捨てると、しばらく刺されなくなった。ところが、昨年、同居の父親が刺され、再び業者に駆除を依頼。「まだいるかも」と主婦は不安げだ。

 トコジラミは第2次世界大戦前後、被害が目立った。戦後、DDTなどの殺虫剤散布による駆除が進み、1970年代以降、ほとんど見られなくなった。

 ところが、世界規模で人の交流や物流が活発になったことで、長い間被害のなかった米国で2000年ごろから急速に被害が拡大。日本でも、宿泊施設などで被害が報告されるようになった。スーツケースの車輪の隙間やバッグの縫い目などに潜み、海外などから日本に入ってきたとみられる。東京都の保健所に寄せられたトコジラミに関する相談件数も2006年度以降、急増している。

 害虫防除の情報提供を行う公益社団法人「日本ペストコントロール協会」の調査によると、トコジラミの駆除件数は宿泊施設が最多で集合住宅、一戸建て住宅が続く。「被害は全国に広がっており、室内が清潔でも被害は起こりうる。一般家庭も例外ではありません」と同協会副会長の平尾素一さんは話す。

 トコジラミは、繁殖すると、寝具やソファの縫い目、壁紙の中などに入り、簡単に駆除できないという。
 駆除会社「セントラルトリニティ」東京支店の白木谷唯史さんは「市販の殺虫剤を使っても細かな隙間に届かず、逃げられて拡散する。専門の駆除業者に相談してほしい」と話す。駆除の費用は部屋の広さや被害の状況によるが、数十万円かかる場合が多い。ひどいと、薬剤散布のために壁紙を剥がしたり床板を外したりする工事が必要になる。

 最近のトコジラミには、家庭用の殺虫剤が効きにくいという調査も研究者から報告されている。国立感染症研究所の冨田隆史さんが全国80か所で採取したトコジラミを調べたところ、その約9割が、ピレスロイド系の殺虫剤成分に耐えうる遺伝子を持っていた。

 ピレスロイド系の成分は人体への影響が少なく、多くの家庭用殺虫剤に使われている。冨田さんは「トコジラミは殺虫剤への耐性を獲得し、生き残ってきた。作用の異なる業務用の殺虫剤を使うか、スチームなどの熱で物理的に駆除するしかない」と話している。

刺された部位で見分ける 特徴知り、効果的に防除を


 トコジラミに加え、ダニやノミなどに家で刺されても、かゆくて不快になる。刺された虫の種類が分かれば、効果的な防除対策を立てやすい。専門家にその見分け方を聞いた。

 害虫に関する相談に応じている池袋保健所(東京)の矢口昇さんは「トコジラミ被害に遭った人の多くが、ダニの被害と思い込んでいる」と話す。ダニに効く殺虫剤を使ってもトコジラミには効果が少なく、逃げて拡散させてしまうという。「そうならないために虫の特徴を知っておくといい」

 都市部や住宅地にある家の中で人を刺すダニは、イエダニやツメダニなどごく一部。イエダニはネズミに寄生するため、ネズミの駆除が必要。ツメダニは高温多湿を好むので、まめに掃除をして部屋の風通しを良くすると防げるという。

 トコジラミは主に夜間活動し、就寝時に刺されることが多い。寝具やソファの隙間に潜み、周辺にふんが点々と散っている。矢口さんは「トコジラミは一般の人が完全に駆除するのは難しい。最寄りの保健所に相談してください」と話す。

 「どこを刺されたかで、虫の種類を推測できる場合もあります」と話すのは、虫刺されに詳しい兵庫医科大准教授(皮膚科)の夏秋優さん。トコジラミは首、足など露出している部分を刺し、イエダニは衣服に潜り込んでわきの下や下腹部などの軟らかい部分を刺すことが多い。トコジラミに初めて刺された人は症状が出ない場合が多い。何回か刺されても数日後に症状が出るため、いつどこで何に刺されたか分からず、皮膚科では「原因不明の虫刺され」と診断されることが多いという。

 夏秋さんによると、これまでにトコジラミが感染症などを媒介するケースは確認されていない。「軽い症状なら市販の虫さされ薬を使い、腫れがひどければ皮膚科を受診してください」(宮木優美)

 トコジラミ 俗称ナンキンムシ。カメムシの仲間の昆虫で、幼虫の体長は1-4ミリ、成虫は5-8ミリ。成虫は肉眼でも確認できる。動物の血液を吸って生きる。日中は暗い隙間に潜んでいることが多く、主に深夜に活動する。


2013年4月23日 提供:読売新聞

社会情勢レポート記事区切り

妊婦脅かすトキソプラズマ
危険な生肉、土いじり 正しい知識が胎児を守る

 妊娠中の女性が感染症にかかると、病原体が胎盤を通じておなかの赤ちゃんにうつり、流産や死産、先天的な障害を招くことがある。哺乳類や鳥類に広く寄生する原虫「トキソプラズマ」が引き起こす先天性トキソプラズマ症もそんな病気の一つだ。人への感染は、感染動物の肉を十分に加熱しないで食べたり、感染ネコのふんで汚染された土に触れ、その中に含まれるトキソプラズマが口に入ったりして起こる。最近、肉の生食ブームなどを背景とした患者の増加が指摘されている。

 ▽母子感染

 「私が感染さえしなければ、もっと知識があって予防できたら、この子は病気にならなかったと自分を責めました」

 3月末に都内で開かれた日本寄生虫学会。トキソプラズマをテーマにした討論会で、患者会「トーチの会」代表の渡辺智美(わたなべ・ともみ)さん(32)は自身のつらい体験を語った。

 渡辺さんは3年前に妊娠。9カ月の時に受けた超音波検査で胎児の脳に異常が見つかった。母体の血液検査などから確定した診断はトキソプラズマの母子感染。今年2歳になった長女は右半身に少しまひがあり、今後の発達にも不安が残る。

 「妊娠4カ月のころ、知人に誘われ焼き肉店でユッケやレバ刺しを食べました。2週間後、首のリンパ節が腫れたけど、次第に治まったため気にしていませんでした」

 当時、生肉の危険性について医師からは何も聞いていなかった。「正しい情報を誰もが簡単に得られるようにしたい」。そんな思いが患者会設立につながったという。

 ▽3年間16人

 トキソプラズマはネコ科動物の腸管内で有性生殖し、卵のような「オーシスト」がふんと一緒に排出される。汚染された土壌や水などを介してほかの動物が感染すると、今度はその体内で増殖が始まる。

 人が感染しても、エイズなどで免疫能が低下している場合を除き、通常はほとんど症状がない。問題は、女性が妊娠中に初めて感染した場合だ。流産や死産の原因になるほか、生まれた赤ちゃんが水頭症や脳内石灰化、視力障害、精神運動機能障害などを伴う先天性トキソプラズマ症になる可能性がある。特に妊娠初期は、胎児への感染率は比較的低いものの、障害の程度は重くなる。

 先天性トキソプラズマ症は以前、日本ではまれな病気と思われていた。だが、日本小児感染症学会の調査により、全国の小児科施設で2006年からの3年間に16人発生したことが分かった。アンケート回収率が約45%と低い上、流産や死産は含まれていないため、実際にはさらに多くの症例が存在するとみられる。

 ▽抗体検査

 患者が増える背景の一つと考えられるのが肉の生食。食肉中のトキソプラズマは、肉の中心が67度になるまで加熱しないと死なない。未感染の妊婦は、レバ刺しや馬刺し、レアステーキ、生ハムなど、加熱不十分の肉を口にしてはいけない。また、ガーデニングなどの土いじりにも危険が潜んでいる。手袋やマスクの着用、作業後の念入りな手洗いを心掛けたい。

 三井記念病院(東京)の小島俊行(こじま・としゆき)・産婦人科部長によると、トキソプラズマに対しては、抗体検査で母親の感染の有無を調べ、陽性ならさらに詳しい検査で感染時期を特定することが重要だ。妊娠中の感染が疑われた場合、胎児への感染を防ぐ薬を早期投与すると重症の赤ちゃんを減らせる。

 ただ、医師の間には「まれな病気」という認識が根強く、抗体検査を実施している産婦人科施設は半分程度にとどまる。治療薬もトキソプラズマ症が適応外だったり、国内未承認だったりと、母子を守るための体制は十分でないのが現状だという。(共同=赤坂達也)


2013年4月23日 提供:共同通信社

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生活習慣、短命に影響 長野トップ、青森最下位

Dr.中川のがんの時代を暮らす:/74 生活習慣、短命に影響
 厚生労働省は2月末、5年ぶりに都道府県別の平均寿命を公表しました。都道府県別では、長野が男性80・88歳、女性は87・18歳でともに1位でした。長野の平均寿命は、男性が1990年から5回連続1位、女性は前回トップだった沖縄を抜いて初めてトップに躍り出ました。

 一方、最も短命だったのは青森(男性77・28歳、女性85・34歳)で、男性は1975年から、女性も2000年からずっと最下位です。長野より男性は3・6歳、女性は1・84歳短く、全国平均と比べても男性は2・31歳、女性は1・01歳短くなっています。また、同じ青森でも男女差が8・07歳と全国最大で、男性の短命ぶりが際立っています。

 長野と青森の寿命の差は、生活習慣の差によるところが大きいと考えられます。厚労省の国民健康・栄養調査(2010年)によると、青森の男性の喫煙率や飲酒習慣者の割合は全国トップ、食塩摂取量は2位、肥満者の割合は9位。逆に、野菜摂取量は31位、1日の歩数は46位でした。一方、長野の男性は、食塩摂取量が6位と高いものの、喫煙44位、飲酒習慣19位、肥満40位、野菜摂取量1位、歩数19位と、青森とは歴然とした差があります。

 男性の平均寿命のワーストランキングは青森に続いて、秋田、岩手、福島と、寒い地方で短命になる傾向がみられます。雪と寒さで運動不足になる一方、塩辛いものを好み、お酒やたばこが増えがちなのかもしれません。一方、女性は環境によって生活習慣が乱れにくいせいか、男性ほど県別の差はありません。

 都道府県別の「年齢調整がん死亡率」(年齢構成を考慮したがんの死亡率)でも、青森がワースト1位で、最も低い長野より約30ポイントも多くなっています。都道府県別のがん死亡率にこんな差が出るのは、がんの原因の半分から3分の2が生活習慣によるものだからです。

 がんや寿命の「県民性」がこれほど顕著なのですから、原発事故によってがんが増えたかどうかを調べるために、現状の福島県と他県を比較しても意味はありません。福島県内で、時間を追ってがんの頻度を調べる必要があるのはこのためです。(中川恵一・東京大付属病院准教授、緩和ケア診療部長)


2013年4月25日 提供:毎日新聞社

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暴飲暴食の負担不公平 医療費で麻生副総理

 麻生太郎副総理兼財務相は24日夜、都内で開かれた会合で、医療費負担について「食いたいだけ食って、飲みたいだけ飲んで、糖尿病になって病院に入っているやつの医療費はおれたちが払っている。公平ではない。無性に腹が立つ」と述べた。「生まれつき体が弱いとか、けがをしたとかは別の話だ」とした。

 医療費の抑制策としては、病院に通わずに医療費がかからなかった高齢者に対して「『10万円をあげる』と言ったら、(全体の)医療費は下がる。それが最もカネがかからない方法だ」とのアイデアも示した。


2013年4月25日 提供:共同通信社

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感染症:鳥インフル感染103人に 中国、死者20人
「人から人」の警戒強化・パンデミック直前!?

鳥インフル感染103人に 中国、死者20人 「人から人」の警戒強化

 【上海共同=早川真、辰巳知二】中国浙江省は21日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の感染者が新たに5人確認され、うち1人が死亡し、既に感染が確認されていた別の患者1人も死亡したと発表した。上海市政府も、江蘇省で発症した男性の感染を確認したと発表。中国全体の感染者は死者20人を含め計103人となった。 同型ウイルスの世界初の感染例を中国政府が公表してから3週間。中国や国際社会は、大流行につながりかねない「人から人」への感染に対する警戒を一段と強めている。

 感染は上海、北京の2市と江蘇、浙江、安徽、河南の4省に拡大。中国当局は感染ルートを特定する情報を得ておらず、解明は難航している。

 感染拡大は、3月に発足したばかりの習近平(しゅう・きんぺい)国家主席と李克強(り・こくきょう)首相の新体制にとって大きな試練。中央政府の指示を受け、各地の地方政府は生きた鳥を販売する食材市場を閉鎖するなど防疫態勢の強化に乗り出したが、感染者増加に歯止めはかかっていない。

 中国当局はこれまで、同じ家族で複数の感染者が出た2例のケースを調査。現時点で人から人への感染は確認されていないとの見解だ。中国以外の国・地域では、同型ウイルスの人への感染は報告されていない。

 中国農業省は上海市など計9カ所の食材市場の家禽(かきん)から採取したサンプルと、江蘇省南京市で採取された野生のハトから同型ウイルスを検出したと発表している。

 中国当局は世界保健機関(WHO)と連携して感染状況の分析などを進めている。中国のほか、ウイルス株の提供を受けた日本や米国がワクチン製造の準備に着手した。

 経済面でも、畜産業のほか観光業や飲食業などに影響が広がっており、さらに感染が拡大すれば中国の景気の足を引っ張りかねない状況だ。

※H7N9型

 A型インフルエンザウイルスの一種。人への感染は3月31日に中国当局の発表で初めて明らかになった。本来は弱毒性で公衆衛生上の危険は低いとされる。だが、中国の感染者の多くは死亡、または症状が重く、強毒化した可能性がある。日本の厚生労働省は、タミフルなどの抗ウイルス薬が同型ウイルス増殖の抑制に効果があることを確認。中国政府は各国と協力しワクチン開発に着手するとともに、各地で生きたニワトリなどの家禽(かきん)を扱う市場を閉鎖するなど防疫対策を強化している。2003年に大流行した新型肺炎(SARS)では中国当局の情報隠しが批判され、当時の衛生相と北京市長が更迭された。(上海共同)


2013年4月22日 提供:共同通信社

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感染症:疑い段階で抗ウイルス薬を CDCが医療関係者に・
鳥インフル感染88人 ウイルス検出のハト死ぬ

鳥インフル感染88人 ウイルス検出のハト死ぬ

 【北京、上海共同】中国江蘇、河南両省と上海市の政府は18日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)の新たな感染者がそれぞれ1人ずつ確認されたと発表した。浙江省政府も新たに2人の感染が確認されたと発表した。中国全体の感染者は死者17人を含む計88人になった。

また、江蘇省南京市当局は18日までに、野鳥で初めてH7N9型ウイルスが検出されたハトが、市中心部の住宅地区で死んだ状態で見つかったことを明らかにした。市当局は、野鳥の死骸を見つけても近寄らないよう市民に注意を呼び掛けた。

河南省で新たに感染が確認されたのは、鄭州市の38歳の男性。生きた鳥の販売に従事していた。

上海市では、家族2人が感染していたケースが新たに判明。同一家族での複数の感染者確認は2例目。中国疾病予防コントロールセンターの馮子健(ひょう・しけん)主任が、H7N9型ウイルスに感染し死亡した上海市の87歳の男性について、男性の子ども1人もウイルスに感染していたと明らかにした。

男性の子ども2人のうち1人から検出。もう1人は死亡しており、サンプルが得られないという。馮主任は「限定的な人から人への感染が起きたのかどうか、まだ明確に判断できない。研究を続けている」と述べた。

上海市政府は、家族内で複数の感染者が出たケースとして、別の夫婦2人の感染も確認している。


2013年4月19日 提供:共同通信社


疑い段階で抗ウイルス薬を CDCが医療関係者に

 【ワシントン共同】米疾病対策センター(CDC)は18日、中国で広まっているH7N9型鳥インフルエンザの感染者や感染疑い例が米国内で出た場合、タミフルやリレンザなどの抗ウイルス薬の投与を早い段階から始めるよう医療関係者に助言した。

CDCは、現時点では家族間など限定的な人から人への感染例にとどまっているが、感染力が今後高まる可能性があると指摘。有効なワクチンが存在せず、重症化して死亡する割合が高いため、重い症状を示してH7N9型ウイルスへの感染が疑われる患者には、遺伝子検査で感染が確定する前から抗ウイルス薬の投与を始めるよう求めた。


2013年4月19日 提供:共同通信社

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鳥インフル「限定的な人から人へ」も…中国当局 ・
鳥インフル感染者83人に 中国9市場でウイルス検出

鳥インフル感染者83人に 中国9市場でウイルス検出

 【上海共同】中国衛生当局は17日、鳥インフルエンザウイルス(H7N9型)感染による死者が1人増え、17人になったと発表した。同日には上海市で1人、浙江省で4人の感染が新たに確認され、中国全体の感染者は計83人になった。

 上海の感染者は今月12日に発症した89歳の男性。浙江省で判明したのは37歳の女性1人と41〜86歳の男性3人で、今月8〜14日に発症した。感染は上海、北京の2市と江蘇、浙江、安徽、河南の4省に拡大している。

 中国農業省は17日、緊急検査の結果、上海市と江蘇、浙江、安徽3省にある計9カ所の食材市場で採取した家禽(かきん)の計39サンプルから同型ウイルスを検出したと発表した。野鳥については、16日に判明した江蘇省南京市のハトの1件のみ。

 中国当局はニワトリなどの生きた鳥を扱う全国約470カ所の食材市場、約30カ所の食肉解体場、約900カ所の家禽飼育場、約80カ所の野鳥の生息地を調査。既に約4万8千サンプルの検査を終えたとしている。

 中国政府系研究機関の中国工程院の鍾南山(しょう・なんざん)医師は、ニワトリなどの家禽を飼育する農家が多い農村部ではなく、人口密度が高い都市部に感染地が集中している傾向を指摘した。中国中央テレビに語った。

 鍾医師は、都市部は交通も発達し「家禽を(市場に)集め(消費者に)分配する活動が活発だ」と説明。一方で「農村部での飼育は場所が分散しており、感染が比較的少ないのではないか」と述べた。

 医療機関の発達が遅れている農村部で、感染状況が表面化していない可能性については言及しなかった。


2013年4月18日 提供:共同通信社


鳥インフル「限定的な人から人へ」も…中国当局

 【北京=竹内誠一郎、広州=吉田健一】中国で拡大中の鳥インフルエンザ(H7N9型)感染問題で、中国疾病予防コントロールセンターの馮子健主任は17日、上海市などで「限定的な人から人への感染」が起きている疑いがあるとの見方を示した。

 国家衛生・計画出産委員会の公式微博(中国版ツイッター)が伝えた。

 馮主任は、大流行を引き起こす恐れのある一般的な人から人の感染については「今のところ、それを示す根拠はない」とした。世界保健機関(WHO)は、ウイルスに変異がなくても「家族間など濃厚な接触がある条件下では、限定的な感染を起こすことができる」との見解を示している。

 香港の人権団体・中国人権民主化運動ニュースセンターは17日、上海市の衛生当局者の話として同型インフルエンザに感染して3月4日に死亡した87歳男性とほぼ同時期に肺炎症状を起こし同市第5人民病院に入院していた息子2人にも感染が確認されたと伝えた。


2013年4月17日 提供:読売新聞

 

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