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社会情勢レポート記事区切り

感染症:新型多剤耐性菌を初検出 帰国患者から、発病なし 千葉県内病院

ほとんどの抗菌薬が効かない新しい多剤耐性菌が昨年、千葉県の病院で入院患者1人から国内で初めて検出されていたことが19日分かった。この病院と国立感染症研究所、名古屋大などのチームが菌を特定、欧州を中心に急拡大し問題になっていることから医療現場に警戒を呼び掛けている。

 チームによると、患者は海外で感染したとみられ、症状は出ず、病院内での拡大もなかった。健康な人にはほぼ無害だが、抵抗力が落ちた患者に感染すると、重い合併症や死亡につながる率が高いと報告されている。

 患者は60代男性で、東南アジアで頭部の手術を受けて帰国し、昨年11月に千葉県内の病院に入院した。たんや便の中に、多くの抗菌薬に耐性を示す肺炎桿菌(かんきん)や大腸菌が見つかったため、チームが遺伝子などを分析。その結果、抗菌薬を強力に分解する酵素をつくる「OXA48型」と呼ばれる菌であると分かった。

 男性は感染症を発病せず、しばらくして菌は検出されなくなった。


2013年3月21日 提供:千葉日報社

社会情勢レポート記事区切り

世界の流れは、プライマリ・ケアシステム GP総合診療医の役割が重要

過度の「医療化」を阻み、患者の自立を促進- 澤憲明・英国総合診療専門医に聞く◆Vol.6

世界の流れは、プライマリ・ケアシステム

2013年3月21日 聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

WFが30年間目指しているものがいよいよ、完成まじかです。GPこそが、プライマリーケア重視の社会で重要。

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――5番目の専門性が、「総合診療医は、最新のエビデンスに基づき、コストパフォーマンスに優れた医療を提供します」です。先生方は日ごろどんなガイドラインを参照されているのでしょうか。

NICEのガイドラインもいいですが、プライマリ・ケアに特化した「NHS Clinical Knowledge Summaries: CKS」もGPには人気があります。これもNICEが制作、出版していて、誰でも無料でアクセスできます。専門医資格を取るための筆記試験や臨床試験では、最新のガイドラインに沿っていないと、減点の対象になります。このようなガイドラインは、全診療領域をカバーしており、最新のエビデンスに基づき、さまざまな推奨を行っています。参照すべきエビデンスがあるのは、イギリスの強みだと思います。

 

澤憲明氏は、近年における世界的潮流は「病院から地域へ、治療から予防、健康維持・増進へ、医療単独からチームケアへ」といったプライマリ・ケアシステムへの移行だと言う。イギリスにはイギリス独自の仕組みがあるように、日本も日本独自の道を模索すべきだと主張している。


――6番目の専門性は、『患者を「人」としてバランス良くサポートする全人医療』です。言葉で言うのはやさしいですが、実践は難しい。


GPとして診療していると、特に女性の方に多い印象ですが、「最近、すごく疲れた。ここ数カ月くらいずっと疲れている。絶対何かある、絶対病気だ」と来る方がいます。血液検査などを一通りしても、医学的に重要と考えられる異常は見つからない。「こうしたことは良くあるのです。血液検査をしても何も異常が出ない。フラストレーションがたまるのも分かりますます。けれども、疑われる疾患も話を聞いた感じでは何もないので、こういったケースでは、ご自身が置かれている状況、ライフスタイルによる場合が多いのですが、どう思いますか」と、ここはコミュニケーション能力が必要ですが、上手に聞くと、「いえ、実は……」と話し始める。「私には、2歳と4歳の子供がいて、仕事も大変。なのに、夫はあまりサポートしてくれず、最近隠れてたばこを吸い始めたし、お酒も飲んでいる…」といった感じで話を始める。

こうした時にもGPはサポートしなければならない。仕事を2、3日休みリフレッシュすれば良くなりそうであれば、職場の上司への診断書を書くと話は進む。あるいは夫との関係がうまくいっていないことが背景にある場合には、夫にも来てもらって、リレーションシップのカウンセラーに対応してもらうこともあります。こうしたさまざまな方法で対処をしていかないと、この人はいつまで経っても良くならない。検査ばかりでは、患者さんがかえって悪化してしまう。

――検査しても原因が分からないと余計に不安になる。

未分化された曖昧な症状に遭遇するケースが多いプライマリ・ケアの領域では、身体的問題以外にも、精神的、社会的な観点からバランス良くサポートしていくことが重要になります。例えば、高齢者で1人暮らし、社会的にも孤立している患者さんは、身体的、精神的問題を訴えやすい傾向にあります。そういった中で、イギリスでは、ソーシャル・プリスクライビング(社会的処方)と言って、他の人とビンゴや散歩に行ったり、読書クラブに入ったりする活動をGPが積極的にサポートしていく、地域の中での人と人とのつながりを広めていく役割も持ちます。

――医療の定義や守備範囲は何かという話にもなってきます。だから、先ほど先生が言ったように、「GPにできることは無限にある」と。

これは患者さんの自立とも関係しているところです。スペシャリストだと物事を医療化するベクトルが自然と働く傾向にある。とにかく検査をして、「ラベル」を張る、診断を付けるのがスペシャリストの役目。これに対し、GPは、「これは病気ではない」と思った時に、患者さんを自立させていく。どちらも大切で、こうしたバランスを図るのも、GPの役割です。

「このままドアをオープンすると、診断のプロセスが始まる」と考えることも少なくありません。

例えば、問診と身体診察に基づけば、重篤な疾患の確率が非常に低いのに、ドアを開けてしまうと、スペシャリストは診断のプロセスを始めるかもしれない。しかし、CT検査をしても、正常で帰ってくることが多い。例えば、「関節痛がある」として整形外科に送る。整形外科医は外科医ですから、手術をしたがる傾向にあります。そこにGPが入ってバランスを取る。「整形外科の先生に紹介してもいいけど、よく彼らは手術をする。手術でも100%治るわけではなく、何か起きると術後の合併症とずっと付き合わなければいけない。だいたいこうした症状の場合は、数カ月過ぎるとだいたい治まってくる」などと説明し、患者さんとディスカッションする。それもなく専門医に紹介すると患者の望まない過度の「医療化」が進む恐れもあるわけです。完全な治癒を目指すよりも、患者が自分の健康問題とともに生きることをサポートしていくことの方が大切なケースもあるのです。そのバランスを保つことも、GPの重要な専門性です。

――日本の医師、医学生から、イギリスのGPについてよく聞かれる質問はありますか。


最近、日本でも家庭医療が注目されていますが、「家庭医、イコール患者中心の医療」を前面に打ち出される場合があるようです。しかし、医学生にとっては、「患者中心の医療」という言葉が、どうしても漠然として実感が湧かない。間違った理解も多い。そうではなく、「患者中心の医療はもちろん重要ですが、プライマリ・ケアのプロとして臨床現場で必要とされるスキルは他にもたくさんある」ことを伝えるのが重要だと思っています。

――患者中心の医療、というのは、的確な臨床推論の能力を身に付けた上でのこと。

そうです。「患者中心」は重要で、そのための医療面接技法も必要ですが、それだけではなく、プライマリ・ケアの専門医としての知識や技能も不可欠です。トータルで考えてほしいのです。この点をうまく伝えていきたいと考えています。

また、イギリスの医療制度、GPの現状も、僕のできる範囲で、コツコツと伝えていければと思います。「GPはゲートキーパーで、受診を抑制するだけではないのか」「重大な疾患を逃すのではないか」「一人のGPにアクセスが限定されるのではないか」「給与は定額制で過少医療になるのではないか」「人工透析に対する年齢制限があるのではないか」などの古いイメージ、もしくは必ずしも正しくないイメージがある感は否めません。

例えば、定額制による過少医療の可能性ですが、GPが行う診療は、同じ診療所で働く他のGPも電子カルテでモニタリングができるようになっています。重大な疾患が疑われるのに、わずかなお金を節約したいがために必要な検査を実施しなかったとすると、患者さんは満足しないので、すぐに他のGP を受診し、そこでピアレビューが働く。一定のスタンダードを確保するNICEガイドラインもある。訴訟も最近はよく起こり、下手をすれば医師免許が剥奪される。定額払いの他にも、業績払いや出来高払いといった仕組みもある。近年のイギリスでは、このような新しいメカニズムが色々と存在することを知ってほしいと思います。

また、人工透析に対する年齢制限ですが、イギリスでは患者がいくら高齢であったとしても、年齢のみを理由にした検査や治療への制限が違法になっていますので、実際は人口透析の患者の半数以上が65歳以上の高齢の方です。

――日本ではダイナミックになかなか変わらないため、イギリスがここまで急速に変わったことが多くの人にとっては驚きだと思います。給与水準は、臓器別専門医と比べてどうなのでしょうか。


昔はGPの方が低かったのですが、最近では他の専門医と給与は同水準か、上回るケースも多くなってきました。最近では、診療報酬の仕組みがミックスされているので、各診療所のビジネスマインドによって、給与も変わります。経営が上手くいっている診療所ではGPの給料が増える傾向にあります。

GPは三つのタイプに分かれます。まず「Partner」で、全体の80%を占めます。日本で言う開業医と同じで、自分の診療所を持ち、ナースなどのスタッフなどを雇用する立場です。残る20%が、「Partner」のもとで常勤として働く「Salaried」、非常勤の「Locum」で、僕は「Salaried」の立場です。採用面接の際に「僕はこれだけできる。いくら払ってくれるか」と交渉するわけです。

また、GPは職業場所を自由に選ぶ権利もあります。僕は今、リーズにいますが、ロンドンで働きたいと思えば、それは可能です。勤務体系、報酬、職場の選択など、GPはかなり自由度の高い職業と言えるのではないでしょうか。

――先生が「Partner」となり、自分の診療所を持ちたいと思えば、持つことができる。


そうですね。若い医師はまず「Salaried」となり、経営的なプレッシャーが少ないところで、臨床の腕を磨きたいと考える。僕自身は将来、「GP trainer」になり、教える立場になりたいので、指導医の資格を取ることが次の目標です。地域医療を支える医師としての誇りを胸に、これからも一人ひとりの患者、家族に誠意を持って対応させていただくつもりです。そしてその過程を通して、一人の人間として、また総合診療医として、少しでも成長していければ、とてもうれしく思います。

――ここまでの先生のお話を通して、イギリスの医学教育、医療制度への理解はもちろん、プライマリ・ケアには様々な役割があるのが伺えました。

今後高齢化が進み、限られたリソースの中で、より良質で効率的な医療を提供するために、世界で見られる最近の動きは「病院から地域へ、治療から予防、健康維持・増進へ、医療単独からチームケアへ」といったプライマリ・ケアシステムへのパラダイムシフトです。

もちろん、国にはその国特有の風土、文化、歴史があり、人口構成といった社会的状況が異なります。また、税、社会保険、民間保険といった財政方式や国、民間を通しての供給方式など、各国によって医療制度も大きく異なるのも確かです。ですが、それぞれ状況の異なる国の多くでプライマリ・ケアが実際に根付き、上手く機能している事例を幅広く把握すること、そしてプライマリ・ケアシステムの有益性に関する豊富なエビデンスを理解し、どのようなシステムの中でプライマリ・ケアが最も力を発揮するのか、どうすれば二次、三次医療への過度の負担を減らすと同時に患者へより良い医療を提供し、医療システム全体の機能の改善にもつながるのかといった巨視的な視点を持つことが大切だと思っています。

国における総合診療(家庭医療)の役割は決して硬直的なものではなく、その国の医療制度と患者のニーズ、そしてプライマリ・ケアの専門性がそれぞれ重なり合うことで決定されるその国特有のものです。ですから、イギリスにはイギリスの、モデルケースの一つであるオランダにはオランダ独自の仕組みがあるように、日本にも日本独自のやり方がきっとあると信じています。


2013年3月21日 提供:聞き手・まとめ:橋本佳子(m3.com編集長)

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感染症:新型多剤耐性菌を初検出 帰国患者から、発病なし 
医療現場に警戒呼び掛け

交差感染などおきないように、各器具などは、滅菌工程の徹底や、ディスポ器具の多用などが重要

 ほとんどの抗菌薬が効かない新しい多剤耐性菌が昨年、千葉県の病院で入院患者1人から国内で初めて検出されていたことが19日分かった。この病院と国立感染症研究所、名古屋大などのチームが菌を特定、欧州を中心に急拡大し問題になっていることから医療現場に警戒を呼び掛けている。

チームによると、患者は海外で感染したとみられ、症状は出ず、病院内での拡大もなかった。健康な人にはほぼ無害だが、抵抗力が落ちた患者に感染すると、重い合併症や死亡につながる率が高いと報告されている。

患者は60代男性で、東南アジアで頭部の手術を受けて帰国し、昨年11月に千葉県内の病院に入院した。たんや便の中に、多くの抗菌薬に耐性を示す肺炎桿菌(かんきん)や大腸菌が見つかったため、チームが遺伝子などを分析。その結果、抗菌薬を強力に分解する酵素をつくる「OXA48型」と呼ばれる菌であると分かった。

男性は感染症を発病せず、しばらくして菌は検出されなくなった。

OXA48型は2001年ごろトルコで見つかった後、数年前から欧州全域で院内感染を引き起こしており、米国でも最近死亡例が報告された。

「切り札」とされる抗菌剤カルバペネムを中心にほとんどの薬剤が効かず、免疫が弱い患者の血液に入ると45%が重篤化したとの欧州の研究もある。

チームの荒川宜親(あらかわ・よしちか)名古屋大教授(細菌学)は「今回は感染症を念頭に置いた適切な対応で素早く抑え込めたが、OXA48型が国内で広がると医療上のリスクは極めて大きい。監視を強める必要がある」と話している。


2013年3月19日 提供:共同通信社

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運転手のカフェイン、事故6割減

文献:Sharwood LN et al.Use of caffeinated substances and risk of crashes in long distance drivers of commercial vehicles: case-control study.BMJ 2013;346:f1140.

 運転中に事故に遭った長距離トラック運転手530人と無事故の運転手517人を対象に、カフェイン摂取と事故の関連を症例対照研究で検討。43%が眠気覚ましに紅茶、コーヒーなどのカフェイン含有製品を摂取すると回答した。潜在的交絡因子で調整後、カフェイン未摂取に比べ摂取した運転手は事故の可能性が63%低かった(オッズ比0.37)。

原文(BMJ)を読む


2013年3月25日 提供:BMJ

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歯型データ化、身元照合 宮城の警官がソフト考案

1万5千人を超える死者を出した東日本大震災。犠牲者の身元確認が困難を極めた中、遺体と行方不明者の歯型をそれぞれデータ化、照合するパソコンソフトを宮城県警の警察官が考案し、多くの遺体を家族の元に帰すことができた。現在は東北大が協力する大規模な照合システムに引き継がれ、成果を挙げている。

 震災では、津波で家屋や所持品が流失し、身元確認の資料となる行方不明者のDNAや指紋などが採取できないケースが多発した。また、犠牲者が多いために遺体安置所が各地に点在。交通や通信網の寸断で情報が混乱し、不明者との情報を突き合わせる作業がなかなか進まなかった。

 県警気仙沼署は、身元確認の拠点となる庁舎自体が被災。管轄する気仙沼市では千人を超える犠牲者を出し、同署は最も多い日で、1日に111体もの遺体を収容した。

 混乱の中、同署刑事課員だった塗伸悟(ぬり・しんご)巡査長(34)=現・若柳署=は、上司に遺体の身元照合システムを考えるよう指示される。大学院で3D技術を研究し、ソフトウエア会社での勤務経験を買われてのことだった。

 塗巡査長は、遺体の検視で記録した「C2」「インレー」といった虫歯や治療痕などを示す専門用語に注目。行方不明者の家族に通院先からカルテを取り寄せてもらい、地元歯科医の指導を受けながら、検視データとカルテデータをパソコンに入力し、検索すると双方が一致する項目数を算出するソフトを、震災の約1カ月後に作り上げた。

 このソフトだけで身元は確定しないが、該当しそうな行方不明者を大幅に絞り込むことができた。気仙沼署員の間で「塗システム」と呼ばれて重宝され、これまでに94人の身元判明につなげた。

 遺体が見つかるたび気仙沼署には、家族を捜す被災者が照会に訪れていた。塗巡査長は「カルテがあれば、短時間で本人かどうかの可能性を伝えることができたのは良かった」と振り返る。

 宮城県警はその後、東北大の協力を得て、より大量のデータで歯型を照合するシステム「デンタルファインダー」を開発し、塗システムのデータも移した。他県警の歯型データも集め、新システムで170人超の身元を特定している。

 宮城県警幹部は「歯型鑑定は、身元特定でDNA鑑定を上回る結果を出した。遺体が見つかる限り、鑑定作業を続けていきたい」と話している。


2013年3月25日 提供:共同通信社

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パパになる前に予防接種を…風疹流行の兆し


 風疹の感染拡大に歯止めがかからない。

 今年に入って厚生労働省に報告された患者は関東地方を中心に1656人で、昨年同期の20倍以上。患者の約7割を占める20-40歳代の男性のワクチン接種率が、費用負担などの問題で低迷しているためだ。妊婦が感染すると胎児に重い障害が残るケースもあり、同省は「特に妊婦の夫は予防接種を受けてほしい」と呼びかけている。

 厚労省によると、風疹の患者は昨年後半から増え始め、この3週間は毎週200人以上が報告されている。都道府県別では今月10日現在、東京が755人、神奈川205人、千葉139人、埼玉132人など、首都圏を中心に流行の兆しをみせており、同省は「推定で約3・9万人の患者が出た2004年以来の流行になる恐れもある」としている。

 子どもの病気というイメージが強い風疹だが、現在の流行の中心は大人の男性。患者の約8割が男性で、そのうち9割近くを20-40歳代が占める。1977年に女子中学生を対象とした定期予防接種が始まったが、男子が対象になったのは10年以上も後で、その間に接種を受けなかった男性が多いためだという。

 特に注意が必要なのが妊娠中の女性だ。妊婦が感染すると、胎児に心疾患や白内障、難聴などの重い障害が出る「先天性風疹症候群」(CRS)を引き起こすことがあり、今年もすでに1例確認されているという。

 このため、厚労省は1月末と2月末、妊婦の夫にワクチン接種を呼びかけるよう自治体に通知。千葉県や川崎市が独自のポスターやチラシを作って医療機関や商工会議所に配布するなどしているが、思うように効果は上がっていない。

2013年3月21日 提供:読売新聞


風疹患者2千人超 東海や九州にも拡大 大流行の恐れも

 国立感染症研究所は26日、今年の全国の風疹患者数が21日までに累計2千人を超えたと発表した。全数報告の対象になった2008年以降で最多だった昨年1年間の2353人に迫る勢いで流行が拡大している。妊娠初期の女性が感染すると、赤ちゃんに心臓疾患や難聴といった「先天性風疹症候群(CRS)」が起こる可能性があるため、専門家は妊娠前のワクチン接種などを呼び掛けている。

同研究所によると、21日現在で患者は2021人。首都圏や大阪、兵庫で目立って多く、東海や九州などほかの地域にも広がり始めた。推計で約3万9千人の患者が出た04年以来の大流行となる恐れがあり、厚生労働省は「4月に向けて人の移動も多くなる。一部の地域の問題と考えずに注意してほしい」としている。

今回の流行では患者の4分の3が男性。年代別では20代〜40代男性と20代女性が多い。ワクチンの接種機会がなかったことが背景にあるとみられ、家庭や職場などで感染を広げてしまうことが懸念されている。今年に入って、ワクチン接種歴のない母親からのCRSの報告が2例あるほか、脳炎を合併した25歳男性の重症例もあった。

日本産婦人科医会幹事で横浜市立大の奥田美加(おくだ・みか)准教授は「妊婦はワクチン接種を受けられない。周りの人も、うつさないためにも、自分は関係ないと思わずに受けてほしい。過去の接種歴が分からない人が受けても問題ない」と話している。

風疹ワクチンは現在、男女とも1歳と小学校入学前の計2回が予防接種法に基づく定期接種になっている。接種機会がなかった人のために、今月末までは、中学1年と高校3年が無料で接種できる。

※風疹

風疹ウイルスによる感染症で、感染者のせきやくしゃみに含まれるしぶきを吸い込んでうつる。2〜3週間の潜伏期間後、発熱や、全身の淡い発疹、耳の後ろなどのリンパ節の腫れが出現する。まれに急性脳炎などの重い合併症が起きるが、普通は3日程度で熱も発疹も治り、三日ばしかとも呼ばれる。例年、春先にはやり始め、ピークは5、6月。妊娠初期の感染で新生児に心臓疾患や難聴、白内障などの症状が出る「先天性風疹症候群(CRS)」が高い割合で発生する。



2013年3月27日 提供:共同通信社

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「先生がたばこ臭い」…全県立学校、全面禁煙に

 埼玉県教委は来年4月までに、中学・高校や特別支援学校の全県立学校179校を全面禁煙にすることが27日、わかった。

 これまでは校舎など建物内は禁煙にしていたが、敷地内の全面禁煙は各校の判断に任せていた。県立の図書館や博物館など9か所も全面禁煙とする。

 県教委によると、これまで全面禁煙に踏み切った学校は66校と全体の3割にとどまっていた。

 昨年4月の文部科学省の調査では、全国の公立学校の8割が全面禁煙を実施している上、生徒から「先生がたばこ臭い」という苦情があり、受動喫煙の防止にも取り組むため、敷地内での全面禁煙を決めた。今月改定した禁煙に関する指針に敷地内を全面禁煙とするという内容を新たに盛り込んだという。

 県教育局福利課は「全面禁煙は時代の流れ。これをきっかけに禁煙に挑戦してほしい」と話している。


2013年3月28日 提供:読売新聞

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喫煙の有害性検討、厚労省が初の専門委発足決定

今頃か?といいたくなる、10年以上遅れてるし、特にダイオキシンの環境汚染に関して考えれば、全国喫煙禁止にしていいくらいなのでは?

厚生労働省の厚生科学審議会の部会は27日、たばこの健康影響をより明確にするための専門委員会を新年度に発足させることを正式決定した。

 喫煙の有害性に絞って検討する場を同省として設けるのは初めて。学識経験者らがたばこの有害性を厳密に裏付け、今後の喫煙者の減少に役立てる。

 専門委員会では、たばこの煙に含まれる物質を詳細に分析するほか、ポロニウムなど有害性があるとされる特定の物質と、個々の病気の発症への影響を物質ごとに検証する。それぞれの物質に関する国内外の研究結果も収集して分析し、結果を取りまとめて公表する予定だ



2013年3月28日 提供:読売新聞

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7千人にエイズ検査要請 米南部の歯科で感染か

 【ロサンゼルス共同】米南部オクラホマ州の保健当局は28日、同州タルサの男性歯科医が器具の適切な消毒をしないまま治療を続け、患者をエイズや肝炎に感染させた疑いがあるとして、治療を受けた記録がある7千人に、検査を受けるよう呼び掛けた。AP通信が伝えた。

 エイズとC型肝炎に感染した患者が、この歯科医の治療以外に感染経路が考えられないと訴えたため、保健当局が調査。衛生管理が極めてずさんだったことが分かった。

 保健当局によると、この歯科医の診療所では消毒が十分にできないさびた器具を使用。消毒装置が正常に機能しているかどうかを調べるため義務付けられている検査もしていなかったほか、資格を持たないスタッフに治療や機器の操作を任せていた。

 この歯科医は36年前から治療をしているベテラン。2007年以降の患者しか記録がなく、ほかにも多数の患者が危険にさらされた可能性がある。歯科医は問題の発覚後、自主的に歯科医免許を返上した。


2013年3月29日 提供:共同通信社

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戦後”代用合金”から早急に脱却すべき
それは保険適用の12%金銀パラ銅合金のこと

 以下の論文には反論したい。これからは金属修復ではなく、セラミック修復になるべき、ましてや、Co−Cr合金などいかに安定合金であっても、安いというだけで、口の中に使うべきではないと思う。


“代用合金”とはいわずと知れた12%金銀パラジウム合金(以下金パラ)である。戦後米軍の統治下であった、敗戦国日本が、吉田内閣時代に、金パラは1961年に国民皆保険が導入された際に、まだ戦後の貧しかった経済状況下でやむなく導入されたいわくつきの代用合金である。当初、国は銅亜鉛合金を保険診療に導入しようとした。それに対し日本補綴歯科学会はそれには反対したが、当時の厳しい経済状況に鑑み、貴金属に替わる安価な代用金属として開発された金パラを最低限許容できる金属としてとりあえずやむなく認めたものである。ただし、同時に、代用合金の金パラをできるだけ早期に金合金に移行するようにという条件付きであったというが、半世紀以上、学会の勧告は完全に無視されたままである。

このままで本当によいのか?金パラに関しては3年ほど前の47回コラムで取り上げ、価格と生体安全性の面から、金パラを保険適用材料として使い続けることに疑問を呈したのだが、その後のことがやはり気がかりなのである。最近の金パラのグラム当たり告示価格の推移を見ると、2006年4月の430円から半年ごとに改定されて614、702、808、638、619、802、878、1028、2012年10月の1052円となり、現在に至っている。これだけ変動が大きく高価な材料を何とかやり繰りせねばならぬ歯科医師も本当に大変である。貴金属がこのように暴騰している現在、補綴学会の勧告にしたがって金合金を保険適用にすることなどありえないのは当然である。低価格でそれがほぼ安定している、金パラに代わる保険適用可能な合金を探るしかない。

その可能性を示唆しているのが、“Co-Cr合金単冠の5年の臨床成績”(Int J Prosthodont 2012; 25:480-3)というスウェーデンの開業医の論文である。Co-Cr合金は低コストおよび貴金属にくらべ好ましい物性があるため、メタル-セラミッククラウンでの利用が近年増加している。しかし、鋳造Co-Crクラウンの臨床データは少ない。そこで、本研究では、BEGOのWirobond CというCo-Cr合金で鋳造、Noritakeの陶材を焼付け、大部分はリン酸亜鉛セメント(一部レジンセメント)で合着した55名の患者の90修復物について5年にわたり観察した。その結果、失敗9%(根管破折4%、ポストコアの脱離3%など)、べニアの破折あるいはクラウンの緩みなどクラウンに関連した不具合3%、5年生存率90.3%であった。Co-Cr合金は補綴で使われている他の合金の有望な代替物になり得ると結論している。

この論文に関連して、Int J Prosthodont 2011;24:46-8にはドイツの大学歯学部からの“レーザシンタリング法で作製したメタル-セラミッククラウンの臨床成績”という論文がある。臼歯部単冠のメタル-セラミッククラウンをCAD/CAMを利用してメタル粉末を積層するレーザシンタリング法で作製し、39名の患者に白金加金合金(BioPontoStar)29、Co-Cr合金(Wirobond C)修復物31をグラスアイオノマーで合着し、47月観察した。べニアのチッピングなどの不具合はなく、生存率98.3%、両合金間に有意差はなかった。この論文の主目的はレーザシンタリング法の有用性を示すことにあり、それが確認できたということである。とくにCo-Cr合金に注目した論文ではないが、Co-Cr合金は白金加金と同等という結果になっている。

Co-Cr合金にとくに注目が集まり出したのは、2006〜2007年頃からの貴金属の急激な値上がりには耐えられず、低価格合金を求める必要が生じてからのことらしい。近年欧州では、陶材焼付用金属として貴金属合金の使用が激減、金属アレルギー懸念のあるNi-Cr合金、パラジウム合金は敬遠され、Co-Cr合金が多用されつつあるようである。低価格とは言っても、安全性への視点も欠かせない。金属材料で最も懸念されているのは金属アレルギーである。その原因として、パッチテストで陽性率が一番高いのは水銀、次いでニッケル、コバルト、スズ、パラジウム、クロム、銅などが続くことが知られているが、口腔内での金属アレルギ一報告は水銀、ニッケル、パラジウムが多く、Co-Cr合金による報告は極めて少ないとされている。その理由として、Co-Cr合金の不動態被膜は硬くて強いため、口腔内環境によく耐えて金属の溶出がきわめて少ないためではないかと考えられている。こうして考えてみると、金パラの代替材料として、Co-Cr合金を選択することは妥当なことだと思われる。

金パラの代替としてCo-Cr合金は最も有望な合金と考えられるが、保険適用のことを考えると問題がある。保険歯科診療での保険適用合金として、鋳造歯冠修復の場合、14K金合金、金パラ、ニッケル・クロム合金、銀合金の4種のみが記載され、鋳造用コバルト・クロム合金はクラスプ・バー用にしか認められておらず、適用を鋳造歯冠修復に拡大する必要がある。厚労省および歯科医療関係者・メーカーなど歯科界ぐるみで長年月慣れ親しんだ金パラからCo-Cr合金への転換には相当抵抗があることだろうと思われるが、いつまでも代用合金を使う歯科補綴後進国では情けない話である。補綴学会は総力を挙げ、金パラからCo-Cr合金へと転換し、それを保険適用に組み入れるよう少なくとも厚労省には強く働きかけてほしいものである。Co-Cr合金の諸物性は金パラとは当然異なることから、初めのうち歯科医師や技工士も戸惑いを感ずるであろうが、それは克服してもらえるものと信じている。

以上は金パラ代替材料についての筆者の見解であるが、以下に日本歯科補綴学会医療問題検討委員会が金銀パラジウム合金の代替材料に関するアンケート調査を行った2010年11月29日付の報告を紹介しておこう。それは、日本歯科補綴学会社員249名に電子メールでアンケートを送り、得られた54回答についての報告である。その回答者の所属は、歯科大学病院50、歯科診療所4で大学が圧倒的に多い。

・保険で認められている12%金パラ(以下金パラ)に対して代替材料の保険導入が必要だと思いますか:はい(68%)、いいえ(32%)
・代替材料の保険導入が必要だと思われた理由は何ですか(複数回答可):審美性回復には他の材料が必要(32%)、価格変動(28%)、変色(23%)、物性不安定(15%)、強度不足(9%)、その他として、金属アレルギーへの懸念(11%)
・金パラを補綴治療に用いて問題があると感じた症例の割合はどのくらいですか:約1/4(28%)、約1/4未満(15%)、約1/3(11%)、1/2以上(9%)
・新たな代替材料の保険導入が望まれる症例はどれであるとお考えになりますか(複数回答可):金属アレルギーと診断された症例(52%)、皮膚科より掌蹠膿疱症と診断され、金属の除去を依頼された症例(41%)
・新たな代替材料として考えられるのは以下のどれですか:ハイブリッド型コンポジットレジン(37%)、チタンまたはチタン合金(37%)、高カラット金合金(22%)、金含有量を増やした金パラ(19%)
・新たな代替材料の保険導入が実施されない理由はどれであるとお考えになりますか(複数回答可):良いと思われる代替材料がない(52%)、金パラの歯科技工上の取扱いが容易(22%)、金パラの価格が妥当(19%))、金パラに医療上の問題点がない(15%)、その他: 歯科医師が保険治療では十分と思っている、政策の不備、医療費に占めるコスト増大の可能性、価格、医療費抑制政策の中で金パラ以上に優れたものが導入されるはずがなく、劣ったものを導入するぐらいなら今のままでよい、保険治療では貴金属の導入は診療報酬の点から難しい、医療費の拡大分は材料費へ転換されるのではなく、技術料へ転換されることを望む歯科医師が多い。

アンケート回答者は、多くの情報に接する機会の多い大学歯科関係者が大多数を占めるにもかかわらず、金パラをよしとする人が少なからずおり、現状認識には不安が残る。金パラの安全性に関しても、アレルギーのことしか眼中にないようであるが、全身への悪影響についても考える必要があろう。少ないらしいとはいえ、アレルギー以外の全身症状に苦しんでいる人を見過ごすのは忍びないことである(この点に関しては第66回コラムを参照していただきたい)。それにしても、アンケートではCo-Cr合金にまったく触れられていないのは驚きであった。

このアンケート調査を実施したことから察すると、金パラにはもっとも責任ある立場にある補綴学会が半世紀の時を経てようやく重い腰を上げ、金パラ問題に対処する気になったらしいのは喜ばしいかぎりである。CAD/CAM、3Dプリンティング(レーザシンタリング)技術を利用した新しい補綴物作製法も進みつつあり、補綴の世界も大きく変わろうとしているように見える。そうした世界の動向も踏まえつつ、早急に金パラの呪縛から抜け出してほしいと思う。アンケートの終りに「代替材料についてのご意見」として17件がまとめられているが,その中にある一社員の一文をもって締めくくるとしよう。“過去に「銅合金問題」で、補綴学会は医科医療のあるべき姿を論じ、今読んでも感動する「報告書」を提出している。先人達の血のにじむような文章を今の執行部はもう一度読み直して欲しい。そこには、今はなき「社会的説明責任」にあふれている。学会としての原点に立ち返るべきである。”

これからはセラミック修復でしょう。CAD/CAMで



2013年3月1日

 

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