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お口にまつわる記事からいろいろ抜粋しています。
皆さんの快適なデンタルライフの参考にお役立て下さい。




vol.1
-神経を取られた歯は枯れ木と同じ。
いまはできるだけ残す治療が主流。-

「以前は、むし歯の再発を予防するためと、詰め物が落ちないようにするために、広範囲を削るのが常識でしたが、いまは材料が改良されたので最小限の範囲になってきました」と、高浜デンタルクリニックの田沼敦子先生。詰めたり、かぶせたりする処置は、ときにはかみ合わせが狂ったり、歯周病の危険を増したりするので、よい歯科医はできるだけ元の形に残すことに配慮する。歯髄(神経)も取らないに越したことはない。残すと沁みで痛くなることもあるが「私もできるだけ残します。神経を取った歯は枯れ木と同じ。冷たさ、温かさはもちろん、食べ物のおいしさを感じるのも、神経があってのこと」。

目覚ましい進歩の医療機器、知覚過敏にはレーザー照射が。

「レーザー治療というと、ほくろや痣などを取るために、整形外科などで使われているのはご存じかもしれませんが、歯科でも応用されています」と田沼先生。このレーザーが歯科の治療に適しているのは、初期のむし歯や知覚過敏など。いままでだと、削って詰めなければならなかったむし歯も、冷たいものを口にしたときに沁みてたまらないあの知覚過敏も、レーザーの照射で症状がおさまる。「これが発展していって、歯の構造を変えて、むし歯にならないようにすることもできるかもしれませんね」。そのほか、痛さに敏感で歯科医恐怖症、という人のために低濃度の笑気ガスを鼻から吸わせる鎮静法がある。「時間がかかるので私はいま、やっていませんが、夢心地のなかで治療が終わるので、患者さんには福音ですね」。いま1割くらいの歯科で導入しているので、探してみるのも手かもしれない。


 

-治療より予防の時代-

患者と歯科医の協力で一生涯自分の歯でかむ。

 長い間、日本では歯科医へは歯が悪くなったら行くものと思われていた。だが「これからの歯科医学は、治療より、悪くさせないような予防をするという取り組みが重視されていくでしょう」と、歯科医の熊谷崇先生。17年前、山形県の酒田市に開業していらい、ずっと予防に重点をおいた治療をしているパイオニア的存在だ。ここにきて、同じ考えを持つ歯科医が集まって、「日本ヘルスケア歯科研究会」を発足させた。これで臨床予防歯科医学という分野に、大きなうねりができた。一方、一般人にも食後の歯磨き習慣は定着してきたが、「でも、セルフケアだけではうまくいきません。予防に熱心な歯科医を見つけて検査を受け、管理をする。定期的に通うようにすれば、一生自分の歯で食べることが可能になります」  予防に熱心な歯科医とは、 「口腔内写真を撮ったり、レントゲン撮影をしたり、むし歯のかかりやすさを調べるための唾液の検査や、歯周病の程度を調べるための検査も欠かせません」  歯科衛生士がいて、ブラッシングの指導など、本来の仕事をきちんとやっているところはポイントが高い。

歯周病の初発は10代から。 早期発見、継続管理で守る。

むし歯とともに、歯を失う病気として挙げられる歯周病。「年をとってからの病気。まだ関係ない」と思っているひと多いのでは。でも「歯周病の初発は10代から起こっていることがあるようです」と熊谷さん。目に見えるむし歯と違い症状が出るのはある程度進んでから、というやっかいな病気だが、「かかりはじめであれば、歯科衛生士などにプラークと歯石をとってもらうことで進行を止めることができます」。早期発見、継続的管理が大切な歯を守ることになる。また「最新の研究では、血液を調べることによって、患者自身の歯周病に対する感受性を発病前から知ることも可能になってきました」。めざましい医学の進歩だ。

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