便秘が続くと肌荒れやしみ、吹き出物などが起こりやすくなる。まさに美肌の敵だ。このような時は腸内の善玉菌である乳酸菌やビフィズス菌などが減少する一方、悪玉菌であるウエルシュ菌などが増加し、両者のバランスが崩れている場合が多い。

要因としては肉や脂肪の摂り過ぎや、食物繊維の供給源である野菜や果物不足といった偏食。さらにストレス、運動不足、加齢などが考えられている。

これらを正常に戻す食事療法としては当然のことながら、栄養のバランスがとれた食事を摂ることが大切だ。それと、乳酸菌やビフィズス菌などを含め整腸作用のあるヨーグルトを十分に摂るとよいだろう。

ヨーグルトは牛乳に乳酸菌を加え、発酵させてつくったもので栄養価は牛乳とほとんど変わらず、日常不足しやすいカルシウムの補給源にもなる。量としては100グラム(2分の1カップ)以上を毎日摂るのが目安。酸味が強いので嫌う人もいるが、果物との相性がよいので、フルーツヨーグルトにすると美味しくたくさん摂れる。

果物には、善玉菌を増やす働きのある食物繊維やオリゴ糖(バナナ、はちみつなどに多い)が含まれている。またキウイフルーツやパイナップルを加えても美味しい。前者にはアクチニジン、後者にはプロメリンというたんぱく質分解酵素が含まれているので、肉食をしたあとの食後のデザートとしても理想的である。ただし、乳酸菌は胃酸に弱いといわれているので、食事で胃酸が薄れられている食後に摂ると、より効果的である。

(新宿医院院長  新居 裕久)

 2006.9.23 日本経済新聞