近年マヨラーと称し、何にでもマヨネーズをかけて食べる人が増加している。マヨネーズは旨みとコクのある卵と植物油によって作られ、さらにおいしさを作る酸、苦、甘、辛、鹹(しおからさ)の五味の調和がとれているからだろう。

一般のマヨネーズの成分を見ると、植物油65%、食酢13%、調味香辛料5%で作られている。ここで問題視されるのは、卵黄に含まれているコレステロール。ところが国立健康栄養研究所の研究によると、このマヨネーズを1日100グラム1週間とっても血中総コレステロール値は上昇するどころか逆に低下したという。

その理由は血中総コレステロール値を低下させる植物油が65%位も含まれているからである。

それなら血中総コレステロール値の高い人がとったらどうなるのか、鳩野病院の野田洋子氏、熊本大学体質医学研究所(当時)の中村勇久氏は、血中総コレステロール値が1デシリットル中230ミリグラム以上の男性30人(40−49歳)を2郡に分けて実験をした。

1郡には血中総コレステロール値をよく下げるサフラワー油と米油を3対7の割合でブレンドした植物油を使ったマヨネーズを、もう1群には一般のマヨネーズをそれぞれ1日45グラム(大さじ4杯弱)日常の食事の中で14日間食べてもらったところ、前者では低下作用が見られ、後者では不変であった。

また、血中中性脂肪値の上昇もみられなかった。要するにマヨネーズは血中総コレステロール値を上げる心配は少なく、使用する植物油の種類によっては下げることも可能なのである。

(新宿医院院長  新居 裕久)


2005.11.26 日本経済新聞