リンゴは高血圧や脳卒中予防によいといわれ、それはカリウムの働きによると考えられている。弘前大学の佐々木直亮名誉教授らは青森県のリンゴ栽培地帯には、脳卒中が少ないのに注目し、高血圧患者の多い秋田県の農村の人達に、1日6個のリンゴを食べてもらったところ、血圧低下とともに尿中のナトリウムに比べ、カリウムの増加を知った。

島根大学医学部の堀江良一助教授らは、島根県の脳卒中死亡率の高い山村に住む約1200人の尿中のナトリウムとカリウムの比率を測ってみた。その結果、どちらも同量の場合は高血圧患者が3.4%に過ぎなかったが、ナトリウムがカリウムの3倍の場合は16.5%、ナトリウムがカリウムの6倍以上の場合は、31.7%も高血圧患者がいた。

これは日本人全体の高血圧患者(推定約3500万人)の比率に匹敵する。これらの結果から、高血圧予防には日常、減塩食を心がけるとともに、カリウムの多い食品を積極的にとることが大切であることがわかる。ご存知のように、ナトリウム(食塩)は血圧を上げるが、このさい十分にカリウムをとると、ナトリウムが尿中に排出されやすくなる。

カリウムの多い食品をあげてみると、果物では、リンゴ、アボカド、バナナ、メロン、キウイフルーツ、パパイアなど。野菜では、トマト、人参、ほうれん草など。芋類では、さつまいも、じゃがいも、ながいもなど。豆類では、あずき、いんげん、えんどう、納豆など。そして種実類では、松の実、くるみ、落花生、アーモンドなどがある。

(新宿医院院長  新居 裕久)


2006.2.25 日経新聞